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【医療倫理】インフォームドコンセント、NBMとEBM

医療倫理 保健医療サービスの知識等

医師や薬剤師などの医療職、医療倫理について見ていきましょう。

医療福祉系の専門職

資格 業務独占 名称独占 根拠法 対象 特記すべき業務
医師 医師法   薬の処方
薬剤師 薬剤師法   薬の調剤
看護師 保健師助産師看護師法    
助産師 保健師助産師看護師法    
保健師   保健師助産師看護師法   看護師資格が必要
理学療法士   理学療法士及び作業療法士法 身体障害者 基本動作のリハビリ
作業療法士   理学療法士及び作業療法士法 身体・精神障害者 心と体の両面から、応用動作のリハビリ
言語聴覚士   言語聴覚士法   言語機能や摂食・嚥下機能のリハビリ等
歯科衛生士 歯科衛生士法    
歯科技工士   歯科技工士法    
診療放射線技師 診療放射線技師法    
衛生検査技師   臨床検査技師等に関する法律    
臨床検査技師   臨床検査技師等に関する法律   血液検査や尿検査等の検査 
臨床工学技師   臨床工学技士法   生命維持装置の操作等 
視能訓練士   視能訓練士法    
技師装具士   技師装具士法    
救急救命士   救急救命士法    
社会福祉士   社会福祉士及び介護福祉士法   ※医師の指示が必要な業務はない
介護福祉士   社会福祉士及び介護福祉士法   ※一部医師の指示で行う業務あり
精神保健福祉士   精神保健福祉士法   ※一部医師の指導で行う業務あり
公認心理師   公認心理師法    
管理栄養士   栄養士法    
保育士   児童福祉法    

医師

医師という国家資格は業務独占でもあり名称独占でもあります。医療行為である診断や治療は医師と歯科医師の独占業務になっています。

カリスマくん
カリスマくん

業務独占というのはその資格を持った人でなければ行えないということ。名称独占というのはその名称を用いることができるのはその資格を持った人だけであるということだよ。

医師の業務には「薬の処方」があります。薬の処方」は薬剤師の仕事ではありません。「医薬分業」といいます。

薬剤師

上にも書きましたが、薬剤師の仕事は薬の処方ではなく調剤です。

薬剤師も業務独占かつ名称独占です。

カリスマくん
カリスマくん

介護職員が利用者の服薬介助をするのはOK。でも薬を処方するのは医師ね。

看護師、助産師、保健師

保健師助産師看護師法において、看護師助産師は「業務独占かつ名称独占」で、保健師は「名称独占」です。

2007年以前は、保健師だけが名称独占で、看護師と助産師は名称独占ではありませんでした。

カリスマくん
カリスマくん

昔は看護師と助産師は「業務独占だけど名称独占でない」という珍しい形だったよ。

2007年の法改正によって看護師も助産師も名称独占になりました。

カリスマくん
カリスマくん

ちなみに、看護師は国家資格だけど、准看護師は都道府県知事が発行する免許だよ。

保健師になるには、看護師と保健師の両方の国家資格を取得する必要があります。

医療倫理の4原則

1979年、ビーチャム(Beauchamp,T,L.)とチルドレス(Childress,J,F.)は「医療倫理の原則」を提唱しています。

<医療倫理の4原則>
自律尊重(respect for autonomy)
無危害(non-maleficence)
善行(beneficence)
正義(justice)

自律性の尊重

「自律性」は、インフォームドコンセントを初めとする個人の自律的選択を保護する原理で、自律的な患者の意思決定を尊重せよということです。

インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスです。予後(今後の病気の経過や見通し)についてもしっかり説明しなければなりません。

個々の人間の感じ方や考え方に耳を傾けて自己決定を促す医療をナラティブ・ベースド・メディスン(NBM:Narrative-Based Medicine)といい、患者の語り・価値観・生活背景を重視する医療的アプローチです。一方、科学的な根拠(エビデンス)に基づいた医療はエビデンス・ベースド・メディスン(EBM:Evidence-Based Medicine)といいます。

無危害

「無危害」は、患者に危害を及ぼすのを避けよということです。今ある危害や危険を取り除き、予防することも含まれます。

善行

「善行」は、他者に積極的利益を与えるべきであるとする原理で、患者のために最善を尽くすということです。

正義

「正義」は配分的正義を意味し、患者に平等に資源が配分されるべきであるとする原理で、利益と負担を公平に分配せよということです。例えば、大事故や災害で一度に多くの患者が発生した場合に、重症度によって優先順位を決める「トリアージ等も含まれます。

過去問

第23回 問題36

次の記述について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 患者が医師から説明をきちんと受けた上で同意することをインフォームド・コンセントという。
2 医師個人の経験だけに頼るのではなく、科学的な根拠に基づいた医療をナラティブ・ベースド・メディスン(Narrative Based Medicine:NBM)という。
3 個々の人間の感じ方や考え方に耳を傾けて自己決定を促す医療をエビデンス・ベースド・メディスン(Evidence Based Medicine:EBM)という。
4 予後とは、疾患が今後たどり得る経過のことをいう。
5 疾患の予後に関する情報は、高齢者本人にのみ説明する必要がある。

この問題は、医療の基本的な概念に関する理解を問う問題です。インフォームド・コンセント、EBM・NBMの定義と違い、予後の意味、情報提供の対象者など、介護支援専門員が医療職と連携する上で重要な知識を問うものです。

1 患者が医師から説明をきちんと受けた上で同意することをインフォームド・コンセントという。
これは正解。インフォームド・コンセントとは、医師が患者に対して治療内容・リスク・代替案などを十分に説明し、患者がその内容を理解した上で同意することを指します。自己決定権を尊重する重要な原則です。

2 医師個人の経験だけに頼るのではなく、科学的な根拠に基づいた医療をナラティブ・ベースド・メディスン(Narrative Based Medicine:NBM)という。
これは誤り。NBM(ナラティブ・ベースド・メディスン) は「物語(ナラティブ)に基づく医療」であり、患者の語り・価値観・生活背景を重視する医療的アプローチです。一方、科学的な根拠(エビデンス)に基づいた医療は「EBM(エビデンス・ベースド・メディスン)」と言います。混同しないように覚えましょう。

3 個々の人間の感じ方や考え方に耳を傾けて自己決定を促す医療をエビデンス・ベースド・メディスン(Evidence-Based Medicine:EBM)という。
これは誤り。EBM(エビデンス・ベースド・メディスン)は「科学的根拠(エビデンス)に基づく医療」であり、統計・臨床研究などのエビデンスを診療に活用するアプローチです。選択肢2と内容が入れ替えられている引っ掛け問題です。

4 予後とは、疾患が今後たどり得る経過のことをいう。
これは正解。「予後」とは、疾患や治療が今後どのような経過をたどり、どのような結果になるかという見通しのことです。介護支援専門員は予後予測をもとに居宅サービス計画を立案するため、実務においても非常に重要な概念です。

5 疾患の予後に関する情報は、高齢者本人にのみ説明する必要がある。
これは誤り。予後に関する情報は本人だけに限定されるものではなく、本人の意向・理解力・状態に応じて家族や関係者にも説明されます。認知症などで本人への説明が困難な場合は家族が中心となることもあり、「高齢者本人にのみ」という記述は誤りです。

第24回 問題33

診察や治療について、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 医学的診断のプロセスでは、主訴の前に、家族歴や既往歴の聴取を行う。
2 診察や検査は、患者の身体的負担が小さいものから行うことが原則である。
3 治療は、診断に基づいて行うことが重要である。
4 最も治療効果の高い治療法を常に選択する。
5 介護支援専門員は、医学的な立場から治療法について助言すべきである。

医療における基本的な診察手順(プロセス)と介護支援専門員の役割を問う問題です。医療との連携において必要な基礎知識と職業倫理が総合的に問われており、常識的な医療の流れと介護支援専門員がしてはいけないことを区別する判断力が必要です。

1 医学的診断のプロセスでは、主訴の前に、家族歴や既往歴の聴取を行う。
これは誤り。医学的診断では、まず患者が「何に困っているか」という主訴(主な訴え)を最初に聴取します。その後に現病歴・既往歴・家族歴などを確認していきます。試験では「まず主訴から」という優先順位を覚えましょう。また、信頼関係を築く上でも、まずは患者の困りごとに耳を傾けるという姿勢が重要です。

2 診察や検査は、患者の身体的負担が小さいものから行うことが原則である。
これは正解。検査や診察は、身体的・精神的な負担が少ないものから段階的に行うのが原則です。まずは負担の少ない問診・視診・触診などから行い、必要に応じて精密検査へ進みます。試験では「負担の小さいものから」という原則が、患者の安全とQOL維持に直結する重要な視点としてよく問われます。

3 治療は、診断に基づいて行うことが重要である。
これは正解。治療は正確な「診断」に基づいて行われるべきものです。原因を特定せずに治療を始めるのはリスクが高く、医学的にも不適切です。試験対策としては、①診察→②検査→③診断→④治療の順序を正しく把握しましょう。

4 最も治療効果の高い治療法を常に選択する。
これは誤り。治療法の選択は効果だけでなく、患者本人の意向・価値観・生活状況・副作用・経済的負担なども考慮して決定されます。インフォームド・コンセント(説明と同意)のもとで、患者のQOLも踏まえた上で選択するのが適切です。試験では「常に」「必ず」などの極端な表現は誤りの選択肢として出題されやすいため注意が必要です。

5 介護支援専門員は、医学的な立場から治療法について助言すべきである。
これは誤り。介護支援専門員は医師ではないため、医学的立場から治療法を助言することは職務範囲外であり、不適切です。介護支援専門員の役割は、医師の指示を仰ぎ、本人の意向を尊重しながら生活面を支えることであり、医学的判断や治療方針の決定は、医師などの専門職にゆだねることが重要です。

第25回 問題34

次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1 薬剤師は、薬剤を処方してはならない。
2 介護職員は、服薬介助を行ってはならない。
3 医療用医薬品と健康食品の併用による有害な相互作用の可能性について注意が必要である。
4 薬の変更や中止で重篤な症状が起こることはない。
5 内服薬は、通常、水又はぬるま湯で飲む。

この問題は、薬剤師や介護職員の役割と権限、薬の相互作用や副作用のリスク、服薬介助の正しい方法について、介護支援専門員として押さえておくべき基本的な知識が問われています。

1 薬剤師は、薬剤を処方してはならない。
これは正解。薬の処方は医師・歯科医師のみに認められた独占行為です。薬剤師の業務は「調剤・服薬指導・薬剤の管理」であり、薬の処方を行う権限はありません。職種ごとの業務範囲の区別は試験の頻出ポイントであるため注意しましょう。

2 介護職員は、服薬介助を行ってはならない。
これは誤り。介護職員は、一定の条件のもとで利用者が自ら服薬できるよう支援する服薬介助を行うことができます。ただし、薬の選択や服薬の可否を判断することは介護職員の業務ではありません。また、一律に「してはならない」とする記述は誤りで、実際の現場でも重要な介護職の業務の一つです。

3 医療用医薬品と健康食品の併用による有害な相互作用の可能性について注意が必要である。
これは正解。医療用医薬品(処方薬)と健康食品(サプリメント等)を併用すると、薬の作用が強くなったり弱くなったりする相互作用が起こることがあります。その結果、副作用の増強や治療効果の低下につながる可能性があるため注意が必要です。

4 薬の変更や中止で重篤な症状が起こることはない。
これは誤り。自己判断で急に薬を変更したり中止したりすると、元の症状が悪化したり、離脱症状(退薬症候群)などの重篤な症状を引き起こす場合があります。特に降圧薬・抗てんかん薬・ステロイドなどを急に中止すると、重篤な状態になる危険性があるので、対象者には日頃から注意喚起が必要です。

5 内服薬は、通常、水又はぬるま湯で飲む。
これは正解。内服薬は水またはぬるま湯で飲むことが基本です。牛乳・ジュース・お茶・グレープフルーツジュースなどは薬の吸収や効果に影響を与えることがあります。服薬介助時の基本として確実に覚えましょう。

第25回 問題35

次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1 居宅介護支援事業所から病院への情報提供のため、入院時情報提供書が使われることがある。
2 エビデンス・ベースド・メディスン( Evidence-Based Medicine:EBM )は、根拠に基づく医療のことである。
3 介護支援専門員は、患者自身が治療法を選択する際に、第三者的な立場から助言してはならない。
4 介護支援専門員は、退院前カンファレンスに参加することが望ましい。
5 チームアプローチでは、住民によるボランティア活動を含まない。

この問題は、ケアマネジャーの医療連携・チームアプローチに関する理解を問う問題で、医療機関とのスムーズな情報共有方法や、現代医療の考え方、インフォーマルな資源を含む多職種連携のあり方を正しく理解しているかが問われています。

1 居宅介護支援事業所から病院への情報提供のため、入院時情報提供書が使われることがある。
これは正解。利用者が入院した際、居宅での生活状況や介護情報を病院へ速やかに伝えるため、「入院時情報提供書」を用いて情報提供が行われることがあります。これは医療と介護の連携をスムーズにするためのツールであり、試験では「介護支援専門員から医療機関へ送られる」という方向性を理解することが重要です。

2 エビデンス・ベースド・メディスン( Evidence-Based Medicine:EBM )は、根拠に基づく医療のことである。
これは正解。EBM(エビデンス・ベースド・メディスン)は根拠(エビデンス)に基づく医療とされ、科学的な臨床研究や統計データを根拠として診療に活かすアプローチです。

3 介護支援専門員は、患者自身が治療法を選択する際に、第三者的な立場から助言してはならない。
これは誤り。介護支援専門員は、患者(利用者)が治療方法を自己決定する際、本人が納得して自己決定できるよう、中立的な立場で情報提供や意思決定支援を行うことが求められます。

4 介護支援専門員は、退院前カンファレンスに参加することが望ましい。
これは正解。退院前カンファレンスとは、患者が退院する前に医療・介護関係者が集まり、在宅復帰に向けた情報共有・支援計画を話し合う場です。退院後の居宅サービス計画を作成する上でも重要な機会であるため、積極的に参加することが大切です。

5 チームアプローチでは、住民によるボランティア活動を含まない。
これは誤り。チームアプローチとは、専門職だけでなく、住民によるボランティアや家族なども含めた幅広い支援チームで利用者を支える考え方です。地域の社会資源を有効に利用するためにも、インフォーマルな支援や活動は重要な構成要素です。

第26回 問題33

傷病に関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 診察や検査は、医師の負担が少ないものから行う。
2 診断は、医師又は歯科医師が行う。
3 患者は、自分の傷病の内容を知り、どのような治療を受けるか、自己決定する権利を有している。
4 予後に関する説明では、患者の理解力なども考慮し、必要に応じて家族の立ちあいを求める。
5 介護サービスの選択を助言するに当たり、予後は考慮しなくてよい。

この問題は医療における診察・診断・患者の権利・インフォームドコンセント・予後への対応に関する正確な知識を問う出題です。医療と介護の連携を担う介護支援専門員として、利用者(患者)の権利擁護や医療職の役割を正しく理解しているかがポイントとなります。

1 診察や検査は、医師の負担が少ないものから行う。
これは誤り。診察や検査は、医師の負担ではなく、「患者(利用者)の身体的・経済的負担」が少ないものから行うのが原則です。患者中心の医療の観点から、まず問診・視診・触診などの方法から始めるなど、患者本人の利益を最優先すべきであり、「医師の負担が少ないものから」を基準とするという点が誤りです。

2 診断は、医師又は歯科医師が行う。
これは正解。傷病の「診断」を確定し、診断書を作成できるのは、法律(医師法・歯科医師法)によって医師および歯科医師のみに認められた独占業務です。看護師や介護支援専門員は状態観察や支援は行いますが、医学的診断を下すことはできません。この役割分担を正しく理解することは多職種連携の基本的姿勢です。

3 患者は、自分の傷病の内容を知り、どのような治療を受けるか、自己決定する権利を有している。
これは正解。これは「インフォームド・コンセント(説明を受けた上での同意)」と「自己決定権」に関する基本原則です。患者は十分な説明を受けたうえで、自らの意思で治療法を選択する自己決定権を有しています。介護支援専門員は、本人の意思を尊重し、意思決定を支援する立場であることが求められます。

4 予後に関する説明では、患者の理解力なども考慮し、必要に応じて家族の立ちあいを求める。
これは正解。患者は自分の病状・治療方針・リスクについて十分な説明を受けたうえで、治療を受けるかどうかを自己決定する権利があります。本人の理解力や精神状態に配慮し、情報を正確に伝え、支えを確保するために家族の同席を求めることは適切な対応です。

5 介護サービスの選択を助言するに当たり、予後は考慮しなくてよい。
これは誤り。介護サービスの選択においては予後(今後の病状・生活機能の見通し)を十分に考慮することが不可欠です。病状が改善に向かうのか、悪化するのかなどによって、選択すべきサービスや目標設定は大きく変わります。先の見通しを立ててリスクを考慮した支援を提案することが適切なケアマネジメントにつながります。

第28回 問題32

診断や治療について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 医学的な根拠に基づき行うことが重要である。
2 疾病の現在の状態のことを予後という。
3 検査は、患者の身体的負担も考慮して行う。
4 検査を行う際には、インフォームド・コンセントは不要である。
5 治療は、診断に基づき行うことが重要である。

1 医学的な根拠に基づき行うことが重要である。
これは正解。現代医療では、経験だけでなく、科学的根拠(エビデンス)に基づいて診断や治療を行うことが重要視されます。これをEBM(Evidence Based Medicine)といいます。試験では、主観ではなく科学的根拠を重視する姿勢が正解の基準となります。

2 疾病の現在の状態のことを予後という。
これは誤り。「予後(よご)」とは、現在の状態ではなく、病気や治療が今後どのような経過をたどるかという「見通し」を指します。現在の状態は「現症(げんしょう)」と呼ばれます。用語の意味を入れ替えるひっかけ問題は頻出なので、「予後は未来の話」とセットで覚えておきましょう。

3 検査は、患者の身体的負担も考慮して行う。
これは正解。検査は精度だけでなく、患者の体力低下や苦痛といった身体的負担を考慮して選ぶ必要があります。特に高齢者への医療では、検査自体が大きなデメリットになる場合があるため、慎重な判断が求められます。

4 検査を行う際には、インフォームド・コンセントは不要である。
これは誤り。インフォームド・コンセントとは、医師が検査や治療の目的・内容・リスクなどを十分説明し、患者が理解・同意したうえで実施するという考え方です。検査においても必ず必要であり、人権や倫理の観点からも非常に重要です。

5 治療は、診断に基づき行うことが重要である。
これは正解。治療は、適切な診察や検査を経て導き出された「診断」に基づいて行われるのが基本です。医療の基本的な論理構成は試験において非常に重要視されているため、根拠のない治療や、診断を飛ばした治療は不適切であるという原則を忘れてはいけません。

第28回 問題42

次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 胃ろうから薬剤を注入する際には、錠剤であれば、粉砕や微温湯での溶解をしてよいか確認する。
2 薬の副作用によるふらつきで、転倒を起こすことがある。
3 介護職員は、服薬介助を行ってはならない。
4 服薬の状況について、お薬手帳により、処方情報を適切に共有することが重要である。
5 高齢者は腎機能が低下しているため、薬の副作用が減弱することが多い。

1 胃ろうから薬剤を注入する際には、錠剤であれば、粉砕や微温湯での溶解をしてよいか確認する。
これは正解。胃ろうから薬を注入する際、カプセルやコーティングされた錠剤を勝手に粉砕すると、効果が変わったりチューブが詰まったりする危険性があります。粉砕や溶解の可否については、事前に薬剤師等へ確認する必要があります。

2 薬の副作用によるふらつきで、転倒を起こすことがある。
これは正解。睡眠薬・降圧薬・抗不安薬などはふらつき・めまい・低血圧を引き起こすことがあり、高齢者の転倒リスクと直結します。介護支援専門員は利用者の歩行状態だけでなく、服薬内容と転倒リスクを結びつけてアセスメントする視点が重要です。

3 介護職員は、服薬介助を行ってはならない。
これは誤り。利用者が自ら服薬できるよう支援する服薬介助や服薬確認は、一定の条件のもとで介護職員も行うことができます。試験では繰り返し出題されるため確実に押さえましょう。

4 服薬の状況について、お薬手帳により、処方情報を適切に共有することが重要である。
これは正解。お薬手帳は複数の医療機関・薬局での処方情報を一元管理できるツールです。高齢者に多い多剤併用(ポリファーマシー)の防止や、緊急時の情報共有にも役立ちます。介護支援専門員として実務でも積極的な活用を促すことが求められます。

5 高齢者は腎機能が低下しているため、薬の副作用が減弱することが多い。
これは誤り。高齢者では腎機能の低下により薬が体内に蓄積しやすくなり、薬効や副作用が「強く現れる」ことがあります。高齢者の身体的特徴と薬の効き方の関係は頻出問題であるため必ず覚えましょう。

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