日本の社会保障制度の中心である「社会保険制度」について見ていきましょう。
日本では5種類の社会保険制度(年金、医療、雇用、労災、介護)があります。
それぞれの社会保険制度について押さえるべきは以下の6点です。
・被保険者
・保険料負担者
・納付義務者
・財源
・制度内容
下の表にすべてまとめていますが、詳しく見ていきましょう。

年金
日本の公的年金制度は、20歳以上の人が共通して加入する国民年金と、会社員や公務員等が加入する厚生年金の2階建てになっています。国民年金は定額の「基礎年金」で、厚生年金は基礎年金に上乗せする報酬比例年金となっています。
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以前は公務員が対象の共済年金があったけど、2015 年度から共済年金が厚生年金に統一されて両制度で異なっていた部分は厚生年金に一元化されたよ。
国民年金は全ての国民に加入義務がある「基礎年金」で、必ず以下の1~3号のどれかに該当します。基礎年金と言われるだけあって、年金制度の土台になっています。
| 国民年金の被保険者 | 対象 |
|---|---|
| 第1号 | 20~60歳で2号3号以外の人(自営業者、学生、無職等) |
| 第2号 | 70歳未満の厚生年金被保険者 |
| 第3号 | 第2号被保険者の被扶養配偶者のうち20~60歳未満の者(年収130万円未満、妻でも夫でも可) |

第1号は20歳以上の学生も含みますので学生でも保険料の納付が必要です。
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ただし学生納付特例という制度があるので納付を猶予してもらえるね。でも毎年申請が必要で、もし追納しないと将来貰える年金額が減ってしまうよ。
追納しなくても年金を受け取るのに必要な加入期間には算定されるけどね。
注意すべきはサラリーマンで厚生年金に加入している人も、国民年金の被保険者になっているということです。
第1号と第3号は20~60歳までの加入ですが、第2号はサラリーマンが厚生年金に加入しているときの同時加入なので、60歳以上でも第2号被保険者です。
第3号の保険料は第2号の保険料から拠出されます。
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日本に住む外国人も国民年金に加入しなければならないよ。
老齢年金
老齢年金というのは高齢になってから受け取れる、いわゆる年金です。老齢基礎年金を受給するためには、受給資格期間として、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した期間が少なくとも 10年以上あることが必要です。
国民年金の第1号被保険者および任意加入被保険者が、希望により付加保険料(月額400円)を納付し老齢基礎年金の受給権を取得したときに老齢基礎年金に上乗せして給付を受けられる付加年金という制度があります。
老齢基礎年金は、原則として 65 歳から受け取ることができますが、受給開始を60歳まで繰上げたり、75歳まで繰下げたりすることもでき、繰上げた場合は受給額が減額され、繰下げた場合は増額されます。
老齢厚生年金は、老齢基礎年金に上乗せして支給される報酬比例年金で、子や配偶者がいる場合は加給年金としてさらに上乗せされます。
60歳以降に厚生年金保険に加入(在職)しながら受ける老齢厚生年金を在職老齢年金といい、賃金と年金額に応じて年金額の一部または全部が支給停止される場合があります。
遺族年金
遺族年金は本人が死亡したときに、その遺族が受け取れる年金です。
受け取れる家族の範囲は以下の通りです。
| 遺族年金 | 対象 |
|---|---|
| 遺族基礎年金 | 「子のある配偶者」または「子」(18歳未満、障害児は20歳未満) |
| 遺族厚生年金 | 配偶者、父母、孫など(ただし子のない妻が30歳未満なら5年で消滅) |
このように遺族基礎年金を受け取れる家族はとても狭く、基本的に「子」と考えてください。
配偶者がいても「子」がいないと受け取れませんから。
それに対して遺族厚生年金は「子のない配偶者」や「祖父母」でも受け取れます。
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遺族厚生年金は、30歳以上なら一生もらえるのに、30歳未満なら5年間しか受けられないんだ。しかも、これは妻のみで、夫が妻に先立たれた場合は、55歳未満だと受給できないんだ。専業主婦が一般的だったころの名残だね。この男女差の是正が進められる予定だよ。
障害年金
障害年金は一定の障害状態になったときに支給される年金です。
障害の程度によって、等級があります。
| 障害年金 | 種類 |
|---|---|
| 障害基礎年金 | 1級、2級 |
| 障害厚生年金 | 1級、2級、3級 |
障害基礎年金2級は老齢基礎年金の満額と同じ額です。
障害基礎年金1級は2級の1.25倍です。
障害基礎年金受給者(と生活保護受給者)は国民年金保険料が法定免除されます。
障害基礎年金という制度は特別な制度で、何が特別かと言うと、普通は保険制度というのは保険に加入している期間中に損害等を被った場合に支給されるものですが、障害基礎年金に限っては例外になっています。
つまり年金制度に加入できるのは20歳以上ですが、例えば先天的に障害を持っている人もいるので、そのような人は20歳になれば障害基礎年金を受給することができます。
保険料を一切払ってないのに。
障害基礎年金はこのように未拠出で受けられる年金ですが、この場合所得制限が設けられており、本人に一定の収入がある場合は全額又は半額が支給停止されます。
障害厚生年金は厚生年金に加入中に負った障害でないと支給されません。
併給について
これら3種類の年金は重複して受け取ることができません。
例えば障害を負って障害年金を受給していた人が、65歳になって老齢年金を受給するようになると障害年金はなくなります(選択できます)。
老齢基礎年金と老齢厚生年金は併給可ですが、老齢基礎年金と障害基礎年金は併給出来ないということです。
を思い出してください。
障害基礎年金2級を受給していた人が老齢基礎年金をもらい始める時に、金額に差がでないようになっています。
まとめ
以下に老齢年金、遺族年金、障害年金を1つ図にまとめました。図を見れば、老齢基礎年金、遺族基礎年金、障害基礎年金は併給できないことがなんとなくわかるでしょう。
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老齢基礎年金、遺族基礎年金、障害基礎年金(2級)は同じ額に揃えられていて、併給出来ない感を醸し出してるね。

医療保険
日本の医療保険制度は、国民健康保険、被用者保険、後期高齢者医療制度の3種類に分けられます。
国民健康保険
国民健康保険は2018年度から財政運営の責任主体は都道府県になり、市町村とともに保険者になっています。なので保険者協議会も都道府県に設置されます。市町村は引き続き保険料の徴収などを担っています。
国民健康保険は市町村国保と国民健康保険組合に分かれます。
市町村国保は一般の個人事業主が加入するものですが、国民健康保険組合は特定の業種(建設業、医師、芸術家など)が加入します。
国民健康保険組合はそれ自体が保険者です。
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日本に住む外国人も国民健康保険に加入しなければならないよ。在留期間が3か月を超える場合は。
被用者保険
被用者保険といえばサラリーマンなどが加入する健康保険ですが、2種類あります。
中小企業等では協会けんぽ、大企業等では組合健保で、協会けんぽの保険者は全国健康保険協会、組合健保の保険者は健康保険組合です。
さらに「船員保険」というものがあります。
これは船員限定の医療保険で、実はもともと1939年に「船員保険法」というのができて、これは船員のための年金、医療保険、労働保険などが含まれた手厚い制度でした。この船員保険法は年金制度としては日本初です。
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戦時中の船員は貴重だったので手厚い社会保障があったよ。
この船員保険法は、1986年に年金部分が厚生年金に統合され、労災や失業保険部分も労災保険と雇用保険に移行したため、現在の医療保険のみの形として残っています。
後期高齢者医療制度
1983年からの老人保健法が2008年に全面改正され、高齢者医療確保法ができたことで後期高齢者医療制度がスタートしました。
75歳以上になると、国民健康保険等に加入していた前期高齢者は、後期高齢者医療制度に加入することになります。
また、65歳以上75歳未満の一定の障害状態にある人も対象です。
年間40兆円という国民医療費のうち、75歳以上の後期高齢者の医療費は3割を占めています。
金額にすると一人当たり年間90万円(65歳未満は年間20万円)なので、75歳以上の医療費がいかに高いかわかるでしょう。
そのために後期高齢者医療制度をスタートさせ、財源の1割を保険料で賄うようになったのです。
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それまでの老人保健法では財源に後期高齢者の保険料は拠出されてなかったんだ。
医療保険の給付内容
様々な医療保険制度を見てきましたが、どの医療保険に入っていても基本的に受けられる以下の給付は同じです。見ていきましょう。
第五十二条 被保険者に係るこの法律による保険給付は、次のとおりとする。
一 療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費及び移送費の支給
二 傷病手当金の支給
三 埋葬料の支給
四 出産育児一時金の支給
五 出産手当金の支給
六 家族療養費、家族訪問看護療養費及び家族移送費の支給
七 家族埋葬料の支給
八 家族出産育児一時金の支給
九 高額療養費及び高額介護合算療養費の支給
療養の給付
我々が最も身近に感じる医療保険の制度はこれですね。
上で挙げたように医療保険には様々な種類がありますが、どれに加入しても療養給付を受けられます。
通院した時に医療費の自己負担額1~3割がありますが、この程度の支払いで済んでいるのは医療保険からの療養給付があるからです。
~小学校入学前:2割
~70歳まで:3割
~75歳まで:2割(現役並所得者は3割)
75歳以上:1割~2割(現役並所得者は3割)

高額療養費制度
療養給付で負担が抑えられている医療費ですが、それでも何度も通院したり大きな手術などをすると高額になってしまいます。
そんなときに、一定期間内に一定額以上となった医療費を返金する仕組みが高額療養費制度です。

グラフを見て分かるように、所得によって自己負担限度額が決められており、例えば年収330万円未満の人であれば、医療費がいくらかかっても約6万円を超えた分は戻ってきます。
年収が1160万円以上の人は、300万円の医療費がかかったら自己負担限度額は27万円程度ですね。
上のグラフは70歳未満の場合で、70歳以上の場合は別のグラフになります。
つまり、自己負担限度額は収入と年齢の2点で決められているということです。
1カ月間にかかった医療費が合算でき、さらに同居していなくても扶養関係にあれば世帯で合算できます。
ただし別の医療保険同士での合算はできません。
請求は2年で時効になります。
医療の現物給付が可能になり、窓口でいったん全額を建て替える必要がなくなりました。
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高額療養費制度は1973年の福祉元年に創設されたんだったね。当時は月3万円を超える自己負担分を医療保険制度から支給する仕組みだったよ。
傷病手当金
傷病手当金は、普段生活をしていてケガをして働けなくなった場合、その日から4日目以降に給与の2/3程度(67%)が支給される手当です。
最長で1年6カ月支給されます(途中で退職しても支給されます)。
この期間は障害年金の初診日から障害認定日までの期間と一致します。
つまり障害を負って働けなくなった時、1年6カ月は傷病手当金、その後は障害年金を受給というケースを想定したものです。
勤務中に負ったケガなどは労災保険なので傷病手当金はもらえません。
出産手当金と出産育児一時金
出産育児一時金は医療保険の被保険者本人と被扶養者の出産の際に50万円支給される一時金です。
健康保険の被保険者が出産した場合は出産育児一時金。
健康保険の被扶養者が出産した場合は、家族出産育児一時金。
出産手当金は被保険者が出産して産前産後(出産前42日、出産後56日を限度として)に仕事ができなかったために給料がもらえない場合に標準報酬月額の2/3程度が支給されます。
出産育児一時金と出産手当金は併給できます。

入院時食事療養費&入院時生活療養費
入院時の食事代は、食事療養標準負担額を患者が負担し、残りを入院時食事療養費として健康保険が負担します。ただし、65歳以上で療養病床に入院した場合は、食事代・居住費(光熱水費)について、生活療養標準負担額を患者が負担し、残りを入院時生活療養費として健康保険が負担します。
雇用保険
雇用保険といえば失業したときにもらえる失業給付(基本手当)を思い浮かべる人が多いかと思いますが、それ以外にも様々な給付があります。
育児で休業した時にもらえる「育児休業給付」や介護休業の時にもらえる「介護休業給付」も雇用保険による給付です。
国家資格取得のための養成校に通う費用の助成は「教育訓練給付」という雇用保険による給付です。
詳しく見てみると雇用保険には大きく分けて2種類の事業があります。
「失業等給付等」と「雇用保険二事業」です。

失業等給付等は「失業等給付」と「育児休業給付」に分けられます。
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失業等給付等って「等」が2回もでてきて変な名前だな。
雇用保険のメインは下の「失業等給付」で以下の4つの給付で構成されています。
求職者給付:失業したときにもらえる失業手当
雇用継続給付:介護休業給付など
教育訓練給付:資格取得のための受講費用などの助成
就職促進給付:失業手当受給中に就職が決まった場合の手当
もう1つ「雇用保険二事業」というのがありますが、これは「雇用安定事業」と「能力開発事業」になります。
労災保険
労災保険(労働者災害補償保険)の給付には、業務災害給付、通勤災害給付、二次健康診断給付の3種類あります。
| 業務災害給付 | 通勤災害給付 |
|---|---|
| 療養補償給付 | 療養給付 |
| 休業補償給付 | 休業給付 |
| 障害補償給付 | 障害給付 |
| 遺族補償給付 | 遺族給付 |
| 介護補償給付 | 介護給付 |
| 傷病補償年金 | 傷病年金 |
このように、勤務中や通勤中にケガをしたり障害を負ったり、それが原因で休業したり介護状態になったりしたときに支給される給付があるのが分かると思います。
「〇〇補償給付」というのが勤務中の災害、「〇〇給付」というのが通勤中の災害に対する給付です。

介護保険
介護保険制度は別記事で詳しく学んでいきます。
各保険の関係
各保険には似たような給付がありますが、それぞれ優先順位があります。例えば社会保障最後の砦である生活保護制度は「他法他施策優先の原則」があり、生活保護を受ける前に他の制度を優先しなければなりません。
医療保険と労災保険
労災保険は業務中や通勤中のケガや病気が対象で、医療保険は業務災害以外のケガや病気が保険給付の対象です。
介護保険と他制度
介護保険法と他制度に定められた給付が同じ場合、以下の優先関係があります。
| 優先順位 | 内容 |
|---|---|
| 1位 | 労災保険の補償的な給付、虐待などによる老人福祉法による措置など |
| 2位 | 介護保険 |
| 3位 | 医療保険、障害者総合支援法 |
| 4位 | 生活保護 |
例えば、訪問看護は介護保険と医療保険の両方にありますが、どちらも対象の場合は介護保険が優先されます。
障害福祉サービスと介護保険サービスの比較では、65歳以上になり介護保険サービスを受けられるようになると介護保険サービスが優先されます。一方で、労災保険の療養給付などは介護保険に優先します。
まとめ
保険者と被保険者は重要なのでまとめておきましょう。
保険者
| 分類 | 保険制度 | 保険者 |
|---|---|---|
| 年金制度 | 国民年金 | 政府 |
| 厚生年金、共済年金 | 政府 | |
| 医療保険 | 国民健康保険 | 市町村&都道府県 |
| 協会けんぽ | 全国健康保険協会 | |
| 組合健保 | 健康保険組合 | |
| 後期高齢者医療制度 | 後期高齢者医療広域連合 | |
| 雇用保険 | 失業給付 | 政府 |
| 雇用保険二事業 | 政府 | |
| 労災保険 | 労災保険 | 政府 |
| 介護保険 | 介護保険 | 市町村(広域連合)&特別区 |
医療保険の保険者は特に複雑なので改めてまとめます。
医療保険は自営業者などが加入する「国民健康保険」と、サラリーマン等が加入する「健康保険」、さらに75歳以上の「後期高齢者医療制度」があります。
国民健康保険はずっと市町村が保険者でしたが、都道府県が加わりました。
自営業の中でも、建設業や医師などの特定の業種の人は「国民健康保険組合」に加入します。
さらに「健康保険」は2種類、中小企業に多い「協会けんぽ」と大企業に多い「組合健保」があります。
医療保険の保険者を改めて以下にまとめます。
| 対象 | 医療保険 | 種類 | 保険者 |
|---|---|---|---|
| 自営業 | 国民健康保険 | 都道府県&市町村 | |
| 国民健康保険組合 | 国民健康保険組合 | ||
| 被用者 | 健康保険 | 協会けんぽ | 全国健康保険協会 |
| 健康保険 | 組合健保 | 健康保険組合 | |
| 後期高齢者 | 後期高齢者医療制度 | 後期高齢者医療広域連合 |

後期高齢者医療制度の保険料は、保険者である都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合が条例で定めるよ。状況により減免も可能だよ。
被保険者
年金制度
国民年金の被保険者は以下の3種類あります。
| 年金制度の被保険者 | 対象 |
|---|---|
| 第1号 | 20~60歳の自営業者、学生など |
| 第2号 | 70歳未満の厚生年金被保険者 |
| 第3号 | 20~60歳の第2号の配偶者 |
サラリーマンなどの被用者が第2号、その配偶者が第3号、それ以外が第1号となります。
国民年金は厚生年金に加入している人も含めて全員が加入しますので、すべての人が上記のいずれかに該当します。
厚生年金に加入して保険料を支払っている人も自動的に国民年金に加入していることになっています。
下の図にあるように、国民年金=「基礎年金」として土台になりその上に厚生年金や共済年金が乗っかっているイメージです。

医療保険
国民健康保険の被保険者は自営業者等、健康保険の被保険者はサラリーマン等の被用者です。
後期高齢者医療制度の被保険者は75歳以上の後期高齢者ですが、さらに65~74歳未満の一定の障害状態にある人も被保険者になります。
雇用保険
雇用保険の被保険者は一定の条件を満たす被用者です。一定の条件とは、一週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあることです。常勤、非常勤、派遣などの雇用形態によらず加入できますが、昼間学生は加入できません。
労災保険
労災保険の被保険者は全ての被用者です。正社員も非正規労働者も、外国人労働者も不法就労の人も全てです。
この点が雇用保険と異なる点ですので覚えてください。さらに被用者だけでなく労働者に準じるような個人事業主等(中小事業主やその家族従事者、個人タクシー業者や大工などの一人親方、農作業などの特定作業従事者、海外派遣者)が加入できる特別加入制度があります。

全ての被用者は労災保険に加入するんだね。
給与明細を見ればわかるけど、労災保険料って天引きされていないよね。
雇用主が全額負担しているからだね。
介護保険
介護保険の被保険者は以下のように二種類あります。
| 介護保険の被保険者 | 対象 |
|---|---|
| 第1号 | 65歳以上 |
| 第2号 | 40~64歳の医療保険加入者 |
サラリーマンは40歳になったら第2号被保険者になり介護保険料を給与から天引きされます。第2号被保険者の自己負担割合は1割です。第1号被保険者の自己負担割合も原則1割ですが、前年度の所得が一定以上あれば2割負担または3割負担になります。
生活保護受給者で医療保険に加入していない場合は第2号被保険者にはなりません。その為、介護保険料も支払うことはなく、介護サービスが必要な場合は介護保険ではなく生活保護の介護扶助で対応されます。

国民皆保険・皆年金というように、年金制度は20歳以上の全国民、医療保険は全国民、介護保険は(医療保険に加入していない生活保護受給者の一部を除いた)40歳以上の全国民に加入義務があるね。
特定疾病
介護保険の介護サービスを利用できるのは、要介護認定を受けた第1号被保険者と、特定疾病により要介護認定を受けた第2号被保険者です。特定疾病は以下の16種類あります。
<16種類の特定疾病>
- がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

有名な覚え方は、
-
パ:パーキンソン病
-
セ:脊髄小脳変性症・脊柱管狭窄症
-
リ:関節リウマチ
-
の:脳血管疾患
-
こ:後縦靭帯骨化症・骨粗鬆症(骨粗しょう症)
-
し:初老期における認知症
-
た:多系統萎縮症
-
が:がん
-
き:筋萎縮性側索硬化症
-
そ:早老症
-
と:糖尿病(合併症)
-
へ:閉塞性動脈硬化症
住所地特例
介護保険制度では原則として居住している市町村の被保険者になります(他の市町村へ転出した場合、転出した当日に市町村の資格を失い、その当日から転入先の市町村の資格を取得。死亡するとその翌日から被保険者資格を喪失)。ただし以下のような住所地特例があります。
住所地特例とは、介護保険の被保険者が、住んでいる市町村から他市町村の介護保険施設や有料老人ホーム等に入所し施設所在地に住民票を移した場合に、引き続き元の市町村の被保険者となる制度です。
| 分類 | 住所地特例対象施設 | 注意点 |
|---|---|---|
| 介護保険施設 | 介護老人福祉施設 | 地域密着型は対象外 |
| 介護老人保健施設 | ||
| 介護医療院 | ||
| 特定施設 ※地域密着型特定施設は対象外 | 有料老人ホーム | 特定施設入居者生活介護の指定を受けていない賃貸借方式のサービス付き高齢者向け住宅は対象外 |
| 軽費老人ホーム | ||
| 養護老人ホーム | ||
| サービス付き高齢者向け住宅 | 状況把握生活相談のみを提供しているなど、有料老人ホームに該当しないものは対象外 |

介護保険では原則として居住している市町村の被保険者となるけど、施設に入所した人を一律に施設所在地の市町村の被保険者にすると、介護保険施設等が集中して建設されている市町村の介護保険給付費が増大してしまうね。このようなことにならないよう、住所地特例があるんだ。
介護保険適用除外施設
例えば、障害者支援施設入所者は、当分の間、介護保険の被保険者としていません。理由は施設が介護に相当するサービスを提供しており、介護保険サービスを受ける可能性が低いからです。
そこで障害者支援施設は介護保険適用除外施設と規定され、40歳以上でも介護保険に加入せず、介護保険料を納める必要もありません。介護保険に加入していないのだから、65歳以上になっても介護保険サービスに移る必要もありません。
介護保険適用除外施設は、障害者支援施設だけでなく以下のような施設が該当します。
| 根拠法 | 介護保険適用除外施設 |
|---|---|
| 生活保護法 | 救護施設 |
| 障害者総合支援法 | 障害者支援施設 |
| 障害者総合支援法 | 療養介護を行う病院 |
| 児童福祉法 | 医療型障がい児入所施設 |
| 児童福祉法 | 内閣総理大臣が指定する医療機関 |
| 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法 | 国立のぞみの園 |
| ハンセン病問題の解決の促進に関する法律 | 国立ハンセン病療養所等 |
| 労働者災害補償保険法 | 労働者災害特別介護施設 |

まあ、当然だよね。入所系施設で暮らしていて65歳になったからといって介護保険に移れって酷だからね。
過去問
第25回 問題5
介護保険の被保険者資格の取得及び喪失について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 医療保険加入者が40歳に達したとき、住所を有する市町村の被保険者資格を取得する。
2 第1号被保険者が生活保護の被保護者となった場合は、被保険者資格を喪失する。
3 入所前の住所地とは別の市町村に所在する養護老人ホームに措置入所した者は、その養護老人ホームが所在する市町村の被保険者となる。
4 居住する市町村から転出した場合は、その翌日から、転出先の市町村の被保険者となる。
5 被保険者が死亡した場合は、その翌日から、被保険者資格を喪失する。
介護保険は市町村が保険者となり、原則として資格条件を満たした当日に取得し、喪失は事由が発生した翌日となります。40歳到達(誕生日前日)や転入日の資格取得、死亡・転出の翌日喪失、そして施設入所時に元の市町村が保険者を維持する「住所地特例」は頻出です。また、転出入が同日の場合は当日喪失・当日取得となり、空白期間を生じさせないことも可能で、整理して理解することが大切です。
1 医療保険加入者が40歳に達したとき、住所を有する市町村の被保険者資格を取得する。
これは正解。第2号被保険者の資格は、「40歳以上に達した日(誕生日の前日)」に取得し、要件は「40歳以上65歳未満の医療保険加入者」であることです。これは、40歳に到達と同時に自動的に資格が発生し、医療保険料と一括して介護保険料の徴収が始まるということです。「誕生日の当日」ではなく「前日」が取得日となる点は、法的な年齢計算のルールとして頻出なので確実に押さえましょう。介護保険以外に、医療保険や年金制度でも、誕生日の前日に資格を取得すると定められています。
2 第1号被保険者が生活保護の被保護者となった場合は、被保険者資格を喪失する。
これは誤り。生活保護を受けていても、65歳以上の者は、介護保険の第1号被保険者の資格を喪失する訳ではありません。一方、40〜64歳の者は「医療保険加入者」であることが第2号被保険者の条件であるため、生活保護受給者で医療保険に加入していない場合は第2号被保険者にはなりません。その為、介護保険料も支払うことはなく、介護サービスが必要な場合は介護保険ではなく生活保護の介護扶助で対応されます。ここは間違い易いポイントです。
3 入所前の住所地とは別の市町村に所在する養護老人ホームに措置入所した者は、その養護老人ホームが所在する市町村の被保険者となる。
これは誤り。養護老人ホームは「住所地特例」の対象施設であるため、入所前とは別の市町村にある施設へ措置入所した場合でも、施設所在地の市町村の被保険者にはなりません。これは、市町村間の財政負担の偏りを防ぐため、引き続き入所前の市町村が保険者となる仕組みであり、措置入所であってもこの特例が適用される点が試験でよく出題される内容です。
4 居住する市町村から転出した場合は、その翌日から、転出先の市町村の被保険者となる。
これは誤り。他の市町村へ転出した場合、転出した当日に市町村の資格を失い、その当日から転入先の市町村の資格を取得します。これは転出入によって無保険の期間を発生させない対応であり、試験でも良く問われる内容です。
5 被保険者が死亡した場合は、その翌日から、被保険者資格を喪失する。
これは正解。被保険者の死亡による資格喪失は、「死亡した日の翌日」です(法第14条第1号)。これにより、死亡当日までのサービス利用が保険給付の対象となります。
第25回 問題17
介護保険における特定疾病として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 関節リウマチ
2 慢性肝疾患
3 潰瘍性大腸炎
4 脳血管疾患
5 骨折を伴う骨粗鬆症
40~64歳の第2号被保険者が介護保険サービスを利用する条件となる「特定疾病(16種類)」については、加齢に伴う心身の変化が関係するとされ、国(厚生労働省)が定めています。試験対策として、各疾病がこの16疾病のリストに含まれているかを判断できることが重要で、基本事項として確実に押さえておく必要があります。
1 関節リウマチ
これは正解。関節リウマチは、自己免疫異常により関節に慢性的な炎症が起こり、進行すると骨や軟骨が破壊されて日常生活動作(ADL)が低下します。そのため介護の必要性が高い疾患とされ、40~64歳の第2号被保険者が介護保険サービスを利用する際の対象疾病に含まれています。
2 慢性肝疾患
これは誤り。慢性肝疾患は、16疾病には含まれていません。特定疾病は、がん(末期)や脳血管疾患など、加齢との関連が強く介護が必要になりやすい疾患に限定されています。そのため、肝硬変など重い肝疾患でも40~64歳では原則として介護保険の対象とはならず、試験でもよく出るので注意が必要です。
3 潰瘍性大腸炎
これは誤り。潰瘍性大腸炎は指定難病ではありますが、介護保険の特定疾病には含まれていません。特定疾病は「加齢に伴う心身の変化」に関連する16疾病に限定されています。試験では「難病」=「特定疾病」と誤解させるひっかけがよく出るため、指定難病であっても16疾病には該当しないものを整理して覚えておきましょう。
4 脳血管疾患
これは正解。脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など)は、介護保険の特定疾病に含まれます。加齢による血管の変化が背景となり、発症後に麻痺や高次脳機能障害が残り、介護が必要になることが多いためです。試験でも頻出であるため、脳血管に関する疾患は特定疾病と整理して覚えておきましょう。
5 骨折を伴う骨粗鬆症
これは正解。骨折を伴う骨粗鬆症は、介護保険の特定疾病に該当します。ただし「骨粗鬆症」だけでは該当せず、実際に骨折を伴っていることが条件となります。加齢により骨がもろくなり、骨折をきっかけに要介護状態になる可能性が高いため指定されているもので、試験では「骨折を伴う」という条件の有無を必ず確認することが重要です。
第26回 問題3
社会保険について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 雇用保険は、含まれない。
2 自営業者は、介護保険の被保険者にならない。
3 医療保険は、労働者災害補償保険法の業務災害以外の疾病、負傷等を保険事故とする。
4 年金保険は、基本的に任意加入である。
5 財源は、加入者や事業主が払う保険料が中心であるが、国・地方公共団体や利用者も負担している。
社会保険は、病気・老齢・失業・労災・介護などの生活上のリスクに備える公的制度で、年金、医療、雇用、労災、介護の5つの保険制度で構成されています。原則として強制加入で、加入者が保険料を出し合い、必要な人に給付を行う仕組みです。財源は主に保険料ですが、公費も一部投入されています。試験対策としては、社会保険の種類と制度の基本的な仕組みを整理して理解することが重要です。
1 雇用保険は、含まれない。
これは誤り。雇用保険は、労働者が失業した場合の失業給付や育児休業給付などを行う制度で、社会保険の一つです。労働保険にも分類されますが、広い意味では社会保険に含まれます。日本の社会保険は、年金、医療、雇用、労災、介護の5つの保険で構成されています。
2 自営業者は、介護保険の被保険者にならない。
これは誤り。介護保険は、(医療保険に加入していない生活保護受給者の一部を除いて)40歳以上のすべての国民が対象となる制度です。自営業者も例外ではなく、40~64歳は医療保険加入者として第2号被保険者、65歳以上になると第1号被保険者になります。多くの自営業者は国民健康保険に加入しているため、その保険料とあわせて介護保険料を負担します。
3 医療保険は、労働者災害補償保険法の業務災害以外の疾病、負傷等を保険事故とする。
これは正解。医療保険と労災保険は、対象となる事故の種類によって役割が分かれています。仕事中や通勤中のけが・病気は労災保険が対象となり、それ以外の日常生活での病気やけが、出産などは医療保険が対象となります。このように両制度は互いに補完し合う関係にあり、この仕分けを理解することで、各制度の役割が明確になります。
4 年金保険は、基本的に任意加入である。
これは誤り。日本の年金制度は国民皆年金制度で、原則として20歳以上60歳未満のすべての人が加入する強制加入制度です。会社員などは厚生年金、自営業者や学生などは国民年金に加入します。一部任意加入制度もありますが、これらの社会保険は基本的に強制加入により国民全体で支え合う仕組みがとられています。
5 財源は、加入者や事業主が払う保険料が中心であるが、国・地方公共団体や利用者も負担している。
これは正解。社会保険の財源は、加入者が納める保険料が基本ですが、制度を安定して運営するために公費(税金)も投入されています。例えば医療保険や介護保険では、国・都道府県・市町村が税金で負担し、さらに利用者も1~3割の自己負担をします。このように、保険料・公費・利用者負担など複数の主体が費用を分担して制度を支える仕組みになっています。
第26回 問題6
65歳以上の者であって、介護保険の被保険者とならないものはどれか。2つ選べ。
1 老人福祉法に規定する養護老人ホームの入所者
2 児童福祉法に規定する医療型障害児入所施設の入所者
3 生活保護法に規定する更生施設の入所者
4 生活保護法に規定する救護施設の入所者
5 児童福祉法に規定する母子生活支援施設の入所者
介護保険は原則として40歳以上の人が被保険者となりますが、特定の施設に入所している場合は「適用除外」とされ、被保険者にならないことがあります。これは施設内で介護保険に相当する公的サービスが提供され、二重の給付や負担を防ぐためです。試験対策としては、どの施設が適用除外施設に該当するかを正確に区別して覚えることが重要です。
1 老人福祉法に規定する養護老人ホームの入所者
これは誤り。養護老人ホームは、経済的・環境的な理由で自宅での生活が困難な高齢者が入所する施設ですが、介護保険の適用除外施設ではありません。入所者のうち要介護認定を受けた人は、外部の介護サービス(特定施設入居者生活介護など)を利用できるため、65歳以上であれば第1号被保険者となります。
2 児童福祉法に規定する医療型障害児入所施設の入所者
これは正解。医療型障害児入所施設は、児童福祉法に基づき医療的ケアと生活支援を一体的に提供する施設で、介護保険の適用除外施設に該当します。そのため、この施設の入所者は原則として介護保険の被保険者にはなりません。仮に経過措置などで65歳以上の者が入所を継続している場合でも、介護保険の被保険者資格は取得しない点がポイントです。
3 生活保護法に規定する更生施設の入所者
これは誤り。更生施設は生活指導や社会復帰、就労などの支援が目的であり、救護施設の様な生活扶助の為の施設ではありません。その為、更生施設に入居する生活保護受給者であっても、65歳以上の者は原則として介護保険の第1号被保険者となります。
4 生活保護法に規定する救護施設の入所者
これは正解。救護施設は生活保護法に基づき、心身に障害があり日常生活が困難な生活保護受給者を入所させ、生活扶助を行う為の施設です。施設内で必要な介護や日常生活の支援が包括的に提供されるため、65歳以上の入所者(および40歳以上64歳以下の医療保険加入者も同じ)であっても介護保険は利用できず、救護施設は介護保険の適用除外施設となっています。
5 児童福祉法に規定する母子生活支援施設の入所者
これは誤り。母子生活支援施設は、配偶者のいない女性と児童(18歳未満)が入所し自立を支援する児童福祉施設です。そもそも65歳以上の高齢者がこの施設の「入所者(母親)」として想定されるケースは極めて稀ですが、法規上の適用除外施設には含まれていないため不正解となります。原則として介護保険の第1号被保険者となります。
第26回 問題7
介護保険と他制度との関係について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 労働者災害補償保険法の療養給付は、介護保険給付に優先する。
2 労働者災害補償保険法の介護補償給付は、介護保険の給付に相当する給付が受けられる限りにおいて、介護保険に優先する。
3 介護保険の訪問看護は、原則として、医療保険の訪問看護に優先する。
4 生活保護の被保護者は、介護保険給付を受給できない。
5 障害者総合支援法の給付を受けている障害者は、要介護認定を受けることができない。
介護保険と他制度の利用には優先関係があります。業務災害や通勤災害による医療については、労災保険の療養給付が優先されます。同じく労災保険の介護補償給付も介護保険に優先します。また、要介護者の訪問看護は原則として介護保険が優先しますが、特別訪問看護指示書などが交付された場合は医療保険が適用されます。その他、生活保護受給者や障害福祉サービス利用者においても条件を満たせば要介護認定を受けることができます。
1 労働者災害補償保険法の療養給付は、介護保険給付に優先する。
これは正解。労災事故による医療については、介護保険や医療保険に優先して労災保険の療養給付が適用されます。労災保険は、業務災害や通勤災害による損害を補償する特別な制度であるため、同じ傷病であれば労災保険が優先適用されます。
2 労働者災害補償保険法の介護補償給付は、介護保険の給付に相当する給付が受けられる限りにおいて、介護保険に優先する。
これは正解。労災保険による介護補償給付は、業務災害や通勤災害による重度障害者に対する給付であり、介護保険の給付対象となる場合であっても、労災保険の給付が優先されます(介護保険法第20条)。試験対策としては「労災保険と介護保険が重なったら労災保険が優先する」と覚えましょう。
3 介護保険の訪問看護は、原則として、医療保険の訪問看護に優先する。
これは正解。要介護者が訪問看護を利用する場合、原則として介護保険が医療保険より優先して適用されます。これは高齢者の医療と介護の役割分担を明確にするための基本ルールです。ただし、急性増悪で特別訪問看護指示書が出た場合や末期がんなど特定の疾病の場合には、例外として医療保険が適用されることがあります。
4 生活保護の被保護者は、介護保険給付を受給できない。
これは誤り。生活保護受給者であっても、65歳以上など介護保険の被保険者であれば介護保険給付を利用できます。この場合は介護保険が優先して適用され、利用者負担については生活保護制度による支援が行われます。つまり、生活保護と介護保険は排他的ではなく、被保護者の介護ニーズに対応するための補完関係にあり、「生活保護でも介護保険は利用可能で、原則は介護保険が優先」となります。
5 障害者総合支援法の給付を受けている障害者は、要介護認定を受けることができない。
これは誤り。障害福祉サービス(障害者総合支援法)を利用していても、条件を満たせば要介護認定を受けることができます。65歳以上になると原則として介護保険が優先して適用されます。また、40~64歳でも加齢に伴う特定疾病が原因で介護が必要になった場合は介護保険の対象となります。両制度は利用者の状態に応じて調整されながら給付されるため、両制度の役割分担を理解することが重要です。
第27回 問題5
介護保険の第1号被保険者について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者をいう。
2 保険給付の対象となるのは、特定疾病を原因として要支援・要介護状態になった者に限られる。
3 保険料は、地域支援事業の任意事業の財源に充当される。
4 居住する市町村から転出した場合は、その翌月から転出先の市町村の被保険者となる。
5 医療保険加入者でなくなった日から、第1号被保険者の資格を喪失する。
第1号被保険者は65歳以上の者で、介護保険制度の中心となる被保険者です。要介護・要支援状態になれば原因を問わず給付を受けられる点が特徴です。一方、第2号被保険者(40~64歳)は特定疾病が原因の場合のみ給付対象となります。試験対策としては、年齢要件や給付条件など、第1号被保険者と第2号被保険者の違いを覚えることが重要です。
1 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者をいう。
これは正解。第1号被保険者は、介護保険法第7条第1項により「市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者」と定められています。つまり①65歳以上であること、②市町村に住所があることの2つを満たせば、外国籍の人や生活保護受給者を含め、原則として自動的に第1号被保険者となります。
2 保険給付の対象となるのは、特定疾病を原因として要支援・要介護状態になった者に限られる。
これは誤り。第1号被保険者(65歳以上)は、要介護・要支援状態となった原因を問わず、認定を受ければ介護保険の給付を受けることができます。加齢による身体機能の低下や病気、事故なども対象となります。これに対し、特定疾病(16疾病)が原因であることが必要なのは、第2号被保険者(40~64歳)の場合です。
3 保険料は、地域支援事業の任意事業の財源に充当される。
これは正解。第1号被保険者の保険料は、地域支援事業のすべての事業(総合事業・包括的支援事業・任意事業)の財源に充当されます。一方、第2号被保険者の保険料が充当されるのは、地域支援事業のうち「総合事業」のみです。「包括的支援事業」や「任意事業」には充当されません。これは、第2号保険料は「要介護状態になることを防ぐための給付(予防給付に準ずるもの)」に限定して使うというルールがあるためです。
4 居住する市町村から転出した場合は、その翌月から転出先の市町村の被保険者となる。
これは誤り。被保険者が月半ばで転居するなどの異動があった場合は、転居した当日から転居先の市町村の被保険者となります。介護保険の資格は、転居日に旧住所地で喪失し、同日に新住所地で取得するのが原則となります。
5 医療保険加入者でなくなった日から、第1号被保険者の資格を喪失する。
これは誤り。第1号被保険者の資格は「65歳以上で市町村に住所があること」で決まり、医療保険の加入の有無は関係ありません。したがって医療保険を脱退しても(生活保護など)資格は喪失しません。資格喪失事由は、死亡や他の市町村への転出などに限ります。一方、医療保険への加入が条件となるのは第2号被保険者で、医療保険の加入者で無くなった場合は、第2号被保険者の資格は喪失します。
第27回 問題60
後期高齢者医療制度について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 保険料は、厚生労働省令で定める。
2 生活保護受給者は、被保険者にならない。
3 被保険者には、65歳以上75歳未満であって、後期高齢者医療広域連合の障害認定を受けた者も含まれる。
4 後期高齢者医療広域連合は、特別の理由がある者に対し、保険料を減免することができる。
5 訪問看護療養費の支給は、給付に含まれない。
後期高齢者医療制度は、75歳以上(または一定の障害がある65~74歳)を対象とする医療保険制度で、都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合が運営します。財源は保険料・公費・現役世代からの支援金で構成され、保険料は広域連合が条例で定め、状況により減免も可能です。給付内容には入院・外来だけでなく訪問看護なども含まれ、高齢者の医療保障を支える大切な制度となっています。
1 保険料は、厚生労働省令で定める。
これは誤り。後期高齢者医療制度の保険料は国(厚生労働省令)ではなく、都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合が条例で定めます。国は基準を示しますが、実際の保険料率は地域の医療費水準や高齢者人口などを踏まえて広域連合が決定するため、地域によって異なります。保険料決定権が広域連合にあることは、制度の分権的な特徴を示しています。
2 生活保護受給者は、被保険者にならない。
これは正解。後期高齢者医療制度(および国民健康保険)は、生活保護を受けている者には適用しないと定められています。生活保護受給者は、医療保険の代わりに生活保護法に基づく「医療扶助」によって10割全額(自己負担なし)の医療提供を受けるため、そもそも医療保険に加入する必要がありません。また、もともと社会保険や国保に加入していた人が75歳になり、かつ生活保護を受けている場合は、後期高齢者医療制度には加入せず、そのまま医療扶助の対象となります。
3 被保険者には、65歳以上75歳未満であって、後期高齢者医療広域連合の障害認定を受けた者も含まれる。
これは正解。後期高齢者医療制度の被保険者は原則75歳以上ですが、65~74歳でも一定の障害があり、後期高齢者医療広域連合の認定を受けた場合は被保険者になります。これは制度上の特例で、重い障害のある人が早期に後期高齢者医療制度の医療給付を受けられるようにするための仕組みです。
4 後期高齢者医療広域連合は、特別の理由がある者に対し、保険料を減免することができる。
これは正解。後期高齢者医療制度では、後期高齢者医療広域連合が条例に基づき保険料の減免や徴収猶予を行うことができます。これは災害や失業、所得の大幅な減少など特別な事情で保険料の負担が困難になった場合に適用される制度です。被保険者の生活状況に配慮したセーフティネットの役割を持っています。
5 訪問看護療養費の支給は、給付に含まれない。
これは誤り。後期高齢者医療制度では、訪問看護療養費は医療給付に含まれます。医師の指示に基づき看護師などが自宅を訪問して行う訪問看護は、入院・外来と同様に医療保険で支給される重要な給付です。在宅療養を支える制度として高齢者の生活維持に大きな役割があります。試験では「訪問看護療養費は後期高齢者医療制度の給付に含まれる」という点を押さえておく必要があります。
第28回 問題10
介護保険の第2号被保険者について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 被保険者資格の取得には、市町村への届出が必要となる。
2 保険給付の対象者は、特定疾病を原因として要支援・要介護状態にある者である。
3 児童福祉法に規定する医療型障害児入所施設の入所者は、被保険者となる。
4 市町村の区域内に住所を有する者の保険料は、介護保険の保険者である当該市町村が徴収する。
5 医療保険加入者でなくなった日から、被保険者資格を喪失する。
介護保険の第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)に関する知識を問う問題です。資格取得・喪失の要件、保険給付の対象、保険料の徴収方法など、第2号被保険者特有のルールを正確に理解しているかが試されます。
1 被保険者資格の取得には、市町村への届出が必要となる。
これは誤り。第2号被保険者の資格取得に、市町村への届出は不要です。40歳に達し、医療保険に加入している者は自動的に第2号被保険者となります。また、第1号被保険者(65歳以上)も同様に届出不要で、65歳に達した日に資格を取得します。
2 保険給付の対象者は、特定疾病を原因として要支援・要介護状態にある者である。
これは正解。第2号被保険者が保険給付を受けられるのは、特定疾病(加齢との関係が認められる16疾病)が原因で要支援・要介護状態になった場合に限られます。第1号被保険者と異なり、原因を問わず給付されるわけではない点が重要ポイントです。
3 児童福祉法に規定する医療型障害児入所施設の入所者は、被保険者となる。
これは誤り。児童福祉法に規定する医療型障害児入所施設は、介護保険の「適用除外施設」に指定されており、介護保険の被保険者にはなりません。医療型障害児入所施設の他、障害者支援施設や救護施設なども介護保険の適用除外施設となります。
4 市町村の区域内に住所を有する者の保険料は、介護保険の保険者である当該市町村が徴収する。
これは誤り。第2号被保険者の保険料は、市町村ではなく医療保険者が医療保険料と一括して徴収します。集められた保険料は、各医療保険者から社会保険診療報酬支払基金を経由して各市町村に交付される仕組みとなっています。
5 医療保険加入者でなくなった日から、被保険者資格を喪失する。
これは正解。第2号被保険者は、医療保険加入者でなくなった日(例:退職後に医療保険を脱退した場合など)、または65歳に達した日の前日に資格を喪失します。なお、65歳に達した場合は第2号被保険者資格を喪失し、その当日に第1号被保険者資格を取得することになります。
第13回 問題3
日本の社会保険制度について正しいものはどれか。3つ選べ。1 介護保険制度の被保険者には、自営業者が含まれる。2 介護保険制度は、被保険者の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行う。3 健康保険法では、業務外の事由による疾病、傷病等を保険事故とする。4 労働者災害補償保険制度は、医療の現物給付も行う。5 労働者災害補償保険制度には、年金給付はない。
1 介護保険制度の被保険者には、自営業者が含まれる。
正しいです。40歳以上65歳未満で医療保険加入者であれば自営業者でも第2号被保険者ですし、65歳以上の自営業者も第1号被保険者です。
2 介護保険制度は、被保険者の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行う。
誤りです。介護保険制度は介護が必要になった人に対する介護保険サービスの現物給付です。
3 健康保険法では、業務外の事由による疾病、傷病等を保険事故とする。
正しいです。健康保険は業務外、労災保険は業務内の疾病や傷病を保険事故としています。
4 労働者災害補償保険制度は、医療の現物給付も行う。
正しいです。労災保険の療養(補償)等給付は、医療の現物給付です。
5 労働者災害補償保険制度には、年金給付はない。
誤りです。労災保険には、傷病(補償)年金、障害(補償)年金、遺族(補償)年金があります。
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高齢者福祉は、介護保険法と老人福祉法の2本立てで構成されていることを学びましょう。



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