医行為は基本的に介護福祉職にはできませんが、条件が整えば実施できる医行為があります。それが経管栄養と喀痰吸引です。
経管栄養
経管栄養は、自分の口から食事を取れなくなった人に対し、鼻や胃、腸から栄養剤を注入する方法です。鼻からチューブを挿入して栄養剤を注入する経鼻経管栄養、腹部の表面に穴を開けチューブを通して栄養剤を注入する胃ろう、腸に栄養剤を注入する腸ろう、があります。
経鼻経管栄養
経鼻経管栄養とは、口から食事をとることが難しい人が鼻から胃までチューブ(管)を通して流動食や薬を直接送り込む栄養補給方法です。このときに鼻から胃に通すチューブのことを経鼻胃管といいます。

胃ろう
胃ろうは胃に直接カテーテルをつないで食事摂取する方法です。
経管栄養の中でも、経鼻経管栄養では咽喉を通るため経口摂取は併用できませんが、胃ろうは経口摂取を併用できます。胃ろうをしていても、口から食べることも、入浴もできます。
腸ろう
胃の切除や形状が適さない、またはがんなどの進行などで胃ろうを作れない方は腸ろうになります。胃ろうも腸ろうも経管栄養が長期間にわたる方が対象です。
喀痰吸引
喀痰吸引とは、吸引装置を用いて口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部などに溜まった痰を吸い出す医療行為です。自力で痰を排出できない方に対して、窒息や誤嚥などを防ぐために行われます。
気管切開後に挿入された気管カニューレに溜まった喀痰を吸引するには、吸引装置とカテーテルを使って体外に排出します。
喀痰吸引は苦痛を伴うため、実施中は利用者の呼吸状態を観察しておかなければなりません。気管カニューレからの吸引では、気道内に痰が溜まったり、吸引中に呼吸ができないことで低酸素状態になる危険性があり注意が必要です。指示された吸引時間よりも長くなった場合は、低酸素状態になっていないか「動脈血酸素飽和度」を確認する必要があります。

カニューレとは管のこと。カテーテルも管のこと。
特に気管切開して挿入する管は気管カニューレっていうことは覚えておいてね。
排泄関連
自己導尿&膀胱留置カテーテル
前立腺肥大などによる尿閉など自力排尿が困難な場合、自己導尿と膀胱留置カテーテルの2つの方法があります。
自己導尿では、尿が膀胱にたまった時にカテーテルを尿道から膀胱に入れて尿を排出します。自己導尿では、感染予防のためカテーテルを清潔に管理する必要があり、使用前後の適切な洗浄と消毒を行うか、あるいは使い捨てが基本となります。
膀胱留置カテーテル(尿道留置カテーテル)は、膀胱内にカテーテルを挿入し、先端の風船を膨らませて尿道から抜けない様に固定します。そのことからバルーンカテーテルとも呼ばれます。尿は自然とカテーテルを通り、膀胱に溜まらず専用の袋の中に溜まる仕組みです。
自己導尿では排尿の度にカテーテルを挿入する手間がありますが、膀胱留置カテーテルは2~4週間で入れ替えるまでは挿入したままです。
オストメイト用設備/オストメイト
オストメイトとは、ストーマと呼ばれる人工肛門や人工膀胱を造設している人のことをいいます。
ストーマには「消化管ストーマ(結腸・回腸などの人工肛門)」と「尿路ストーマ(尿の排泄口)」の2種類があり、腹部に尿や便の出る穴を空けて設置します。
オストメイトマークは、以下のようなマークです。

このマークを身に着けている方は、オストメイトであることを示しています。
また、このマークが貼ってあるトイレは、オストメイトの人が使用するために必要な設備が整っていることを示しています。

ストーマのある人がトイレを使用するときは、汚物流し、腹部洗浄台、ストーマ周囲の皮膚を洗浄するための温水シャワー、手荷物用フック等の設備が必要です。
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オストメイトの人は立ったまま腹部から排泄するので、立ったまま排泄物を流せる「汚物流し」が必要だよ。

在宅医療
在宅酸素療法
在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)とは、慢性呼吸不全や慢性心不全などにより体内の酸素が不足する人が、自宅や外出先で酸素を吸入しながら日常生活を送るための治療法です(酸素流量の設定は医師の指示に基づいています)。自宅に設置した酸素濃縮器が基本ですが、携帯用酸素ボンベを使用することで外出・社会参加が可能です。
在宅中心静脈栄養法
在宅中心静脈栄養法(HPN:Home Parenteral Nutrition)は、口から十分な栄養を摂取できない場合に、中心静脈から高カロリー輸液を投与する在宅医療です。消化管の機能が低下した利用者でも在宅で栄養管理が可能となり、QOLの維持・向上につながります。
中心静脈カテーテルが長期にわたって体内に留置されるため、カテーテルの挿入部や管内から細菌が侵入し、「カテーテル関連血流感染症」などの重篤な感染症を引き起こすリスクがあります。そのため、カテーテル挿入部の清潔管理・定期的な消毒・異常の早期発見が重要です。
腹膜透析
腎臓は血液のろ過や血圧の調整などを担っていますが、糖尿病などが原因で腎臓の機能が低下し、末期腎不全になると体内に老廃物や水分が蓄積してしまうため、人工透析が必要になります。人工透析は腎不全により低下した腎臓の機能(老廃物・余分な水分の除去)を機械で代替する治療法で、血液透析(週3回・1回4時間程度)と腹膜透析の2種類があります。血液透析では静脈を動脈に縫い合わせてつなぐことにより、動脈血を直接静脈に流すシャント手術を行います。静脈に動脈血が流れ込むことで血管が太くなり、透析に必要な大量の血液を確保できます。
腹膜透析(PD:Peritoneal dialysis)は、利用者や家族が在宅で管理できる透析方法です。医師・看護師による十分な指導のもと、バッグ交換などの処置を本人や家族が行います。
人工透析が必要になる最大の原因は糖尿病性腎症ですが、糖尿病は膵臓のインスリン分泌不足や作用低下で発症し、高血糖が続くと腎臓の血管が傷ついて腎機能が低下します。また、糖尿病では膵臓から分泌されるインスリンが不足する場合、外部から補うためにインスリン注射があります。インスリン注射は低血糖を引き起こすリスクのある治療法で、食事量の減少・運動・注射量の誤りなどにより起こる可能性があります。
人工呼吸療法
人工呼吸療法は、呼吸不全や神経・筋疾患などで自力で十分な呼吸ができない患者に対し、人工呼吸器を用いて呼吸を補助または代行する治療法です。
人工呼吸療法には大きく分けて、気管切開や気管挿管を行う「侵襲的人工呼吸療法」と、専用のマスクを装着して行う「非侵襲的人工呼吸療法」の2種類があります。在宅では両方が用いられています。

機器
ネブライザー
ネブライザーとは薬液や水分を霧状(エアロゾル)にして吸入する機器です。気道を加湿することで痰を軟らかくして排出しやすくする目的や、気管支を広げる薬を吸入させるために使用されます。気管支喘息・COPD・気管切開後の患者などに広く使用されます。

パルスオキシメーター
パルスオキシメーターとは、指先などに装着して、採血せずに経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する機器です。正常値は96〜100%程度で、90%以下の場合は医療職への報告・連携が必要なレベルです。心不全・肺炎・COPD・気管支喘息などの在宅管理で広く使用されており、異常値の目安を把握しておくことが重要です。
パルスオキシメーターは、在宅酸素療法を行っている利用者の体調管理などに広く用いられます。
過去問
第23回 問題40
在宅医療管理について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 在宅中心静脈栄養法は、医療処置として栄養を補う方法である。
2 在宅中心静脈栄養法では、長期にカテーテルが体内にあるが、細菌感染を引き起こすことはない。
3 ストーマには、消化管ストーマと尿路ストーマがある。
4 腹膜透析の管理について、利用者や家族が在宅で処置を行うことは禁止されている。
5 在宅酸素療法では、携帯用酸素ボンベを使用して外出することができる。
この問題は、在宅医療管理に関する知識を問う問題です。中心静脈栄養法・ストーマ・腹膜透析・在宅酸素療法など、介護現場で関わる可能性のある医療処置について、正確な知識を持っているかが試されます。
1 在宅中心静脈栄養法は、医療処置として栄養を補う方法である。
これは正解。在宅中心静脈栄養法(HPN)は、口から十分な栄養を摂取できない場合に、中心静脈から高カロリー輸液を投与する在宅医療です。消化管の機能が低下した利用者でも在宅で栄養管理が可能となり、QOLの維持・向上につながります。
2 在宅中心静脈栄養法では、長期にカテーテルが体内にあるが、細菌感染を引き起こすことはない。
これは誤り。中心静脈カテーテルは長期にわたって体内に留置されるため、カテーテルの挿入部や管内から細菌が侵入し、「カテーテル関連血流感染症」などの重篤な感染症を引き起こすリスクがあります。そのため、カテーテル挿入部の清潔管理・定期的な消毒・異常の早期発見が重要です。
3 ストーマには、消化管ストーマと尿路ストーマがある。
これは正解。ストーマとは、疾病や手術によって腹部に造設された排泄口のことで、「消化管ストーマ(結腸・回腸などの人工肛門)」と「尿路ストーマ(尿の排泄口)」の2種類があります。またストーマ保有者を「オストメイト」と呼び、医療職や訪問看護師と連携する上で理解しておくことが重要です。
4 腹膜透析の管理について、利用者や家族が在宅で処置を行うことは禁止されている。
これは誤り。腹膜透析(PD)は、利用者や家族が在宅で管理できる透析方法です。医師・看護師による十分な指導のもと、バッグ交換などの処置を本人や家族が行います。
5 在宅酸素療法では、携帯用酸素ボンベを使用して外出することができる。
これは正解。在宅酸素療法(HOT)では、自宅での酸素供給に据え置き型の酸素濃縮器を使用しますが、外出時には携帯用酸素ボンベを使用することができます。これにより買い物・通院・旅行なども可能となり、利用者のQOLの向上・社会参加の維持につながります。
第24回 問題37
在宅医療管理について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 在宅中心静脈栄養法は、点滴栄養剤を中心静脈に直接入れる方法である。
2 在宅自己注射は、家族以外の訪問介護員も行うことができる。
3 経鼻胃管は、定期的に交換する必要はない。
4 悪性腫瘍疼痛管理では、身体的側面だけでなく、精神的側面からも考えることが重要である。
5 人工呼吸療法には、侵襲的、非侵襲的に行うものの2種類がある。
この問題は、在宅療養生活を支える上で必須となる「在宅医療管理」の基本知識と介護職の業務範囲を問うものです。中心静脈栄養や人工呼吸療法の仕組み、経鼻胃管の管理、がん患者への緩和ケアの視点、および訪問介護員(ヘルパー)による医療行為の制限など、正しく識別する知識が試されます。
1 在宅中心静脈栄養法は、点滴栄養剤を中心静脈に直接入れる方法である。
これは正解。在宅中心静脈栄養法(HPN)は、鎖骨下静脈などの中心静脈にカテーテルを挿入し、高カロリーの栄養輸液(点滴栄養剤)を直接血液中に投与する方法です。消化管が機能しない場合でも在宅での栄養管理が可能となります。医療連携の基礎知識として必ず覚えておきましょう。
2 在宅自己注射は、家族以外の訪問介護員も行うことができる。
これは誤り。在宅自己注射は医療行為であり、訪問介護員(ホームヘルパー)が実施することはできません。このような医療行為と介護行為の区別を理解しておくことが重要です。
3 経鼻胃管は、定期的に交換する必要はない。
これは誤り。経鼻胃管(鼻から胃にチューブを挿入して栄養を補給する方法)は、定期的な交換が必要です。長期間留置すると、チューブの劣化や閉塞、細菌感染を引き起こすリスクがあるため、医療機関の指示に従った定期的な交換・管理が不可欠です。
4 悪性腫瘍疼痛管理では、身体的側面だけでなく、精神的側面からも考えることが重要である。
これは正解。がん等の悪性腫瘍疼痛管理(緩和ケア)では、身体的な痛みを和らげること(身体的側面)はもちろんのこと、不安や孤独感などの精神的苦痛(精神的側面)も同時に考える「全人的苦痛(トータルペイン)」の視点が極めて重要です。利用者のQOL(生活の質)を多面的に支える姿勢を問う重要な問題です。
5 人工呼吸療法には、侵襲的、非侵襲的に行うものの2種類がある。
これは正解。人工呼吸療法には大きく分けて、気管切開や気管挿管を行う「侵襲的人工呼吸療法」と、専用のマスクを装着して行う「非侵襲的人工呼吸療法」の2種類があります。在宅では両方が用いられており、医療機器を扱う利用者の生活支援や居宅サービス計画を策定する際に重要な知識です。
第25回 問題37
次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1 中心静脈栄養法では、静脈炎にならないように末梢静脈を用いる。
2 経鼻胃管の種類には、バルーン型とバンパー型がある。
3 血液透析のためのシャントは、動脈と静脈をつなぎ合わせた部位のことである。
4 ネブライザーは、気道を加湿して痰を出しやすくするために用いる機器である。
5 パルスオキシメーターは、血液中の酸素飽和度を測定する機器である。
この問題は在宅医療で使用される医療機器や処置の知識について問う内容です。中心静脈栄養・経鼻胃管・血液透析・ネブライザー・パルスオキシメーターなど、在宅で実際に関わる処置や機器などの基本知識が問われており、試験ではこれらの機器の知識と医療職との連携に関する理解が必要です。
1 中心静脈栄養法では、静脈炎にならないように末梢静脈を用いる。
これは誤り。中心静脈栄養法(IVH)は、高濃度の栄養剤を投与するため、血流量の多い「中心静脈(鎖骨下や首の太い内頸静脈)」にカテーテルを挿入して行います。末梢静脈(腕などの細い静脈)を用いるのは「末梢静脈栄養」です。末梢静脈に高濃度の液を流すと、むしろ強い静脈炎を起こすリスクがあるため、中心静脈が選択されます。
2 経鼻胃管の種類には、バルーン型とバンパー型がある。
これは誤り。経鼻胃管は鼻からチューブを挿入して胃に栄養を送る方法です。バルーン型・バンパー型というのは胃瘻カテーテルの固定方式の分類であり、経鼻胃管には当てはまりません。経管栄養の種類(経鼻胃管・胃瘻・腸瘻)と胃瘻カテーテルの種類(バルーン型・バンパー型)を混同しないよう整理して覚えましょう。
3 血液透析のためのシャントは、動脈と静脈をつなぎ合わせた部位のことである。
これは正解。「シャント」とは血液透析を行うために前腕などで動脈と静脈を外科的につなぎ合わせた血管アクセスのことです。静脈に動脈血が流れ込むことで血管が太くなり、透析に必要な大量の血液を確保できます。また、シャント部位の閉塞や感染を防ぐため「血流音の確認」や「圧迫禁止」など、利用者や家族へ助言すべき重要事項であるため、知識として覚えておく必要があります。
4 ネブライザーは、気道を加湿して痰を出しやすくするために用いる機器である。
これは正解。「ネブライザー」とは薬液や水分を霧状(エアロゾル)にして吸入する機器です。気道を加湿することで痰を軟らかくして排出しやすくする目的や、気管支を広げる薬を吸入させるために使用されます。気管支喘息・COPD・気管切開後の患者などに広く使用され、機器の管理・吸入方法の確認・訪問看護との連携を把握しておくことが重要です。
5 パルスオキシメーターは、血液中の酸素飽和度を測定する機器である。
これは正解。「パルスオキシメーター」とは、指先などに装着して、採血せずに経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する機器です。正常値は96〜100%程度で、90%以下の場合は医療職への報告・連携が必要なレベルです。心不全・肺炎・COPD・気管支喘息などの在宅管理で広く使用されており、異常値の目安を把握しておくことが必要です。
第27回 問題33
次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1 糖尿病の治療法の一つとして、インスリンの在宅自己注射がある。
2 人工透析は、腎臓の働きを補うために行う。
3 中心静脈栄養法では、必ず腕や手の細い静脈から点滴する。
4 経管栄養法では、胃や腸に管を用いて栄養を注入する。
5 人工呼吸療法は、体内への二酸化炭素の取り込みを促すために行う。
この問題は在宅医療における各種医療処置・治療法の正確な理解を問う出題です。インスリン注射・人工透析・中心静脈栄養・経管栄養・人工呼吸療法と、在宅ケアで実際に関わる医療処置の基本知識が問われており、介護支援専門員として医療職と連携する上で必須の知識です。
1 糖尿病の治療法の一つとして、インスリンの在宅自己注射がある。
これは正解。インスリン療法が必要な糖尿病患者は、自宅でインスリンを注射する自己注射を行うことができます。すい臓から分泌されるインスリンが不足したり働きが悪かったりする場合、外部から補うために本人や家族が注射を行う方法です。ペン型注射器が普及しており、高齢者でも比較的扱いやすくなっています。
2 人工透析は、腎臓の働きを補うために行う。
これは正解。人工透析とは腎不全により低下した腎臓の機能(老廃物・余分な水分の除去)を機械で代替する治療法です。血液透析(週3回・1回4時間程度)と腹膜透析の2種類があり、食事制限や通院支援など、在宅生活への影響が大きく、重要な知識と言えます。
3 中心静脈栄養法では、必ず腕や手の細い静脈から点滴する。
これは誤り。中心静脈栄養(IVH)は、高濃度の栄養液を投与するため、鎖骨下や首などの「太い静脈(中心静脈)」にカテーテルを留置して注入を行います。腕や手の細い静脈から行うのは「末梢静脈栄養」です。中心静脈は血流量が多く、心臓に近い場所で行うという特徴をしっかり区別して覚えることが重要ポイントです。
4 経管栄養法では、胃や腸に管を用いて栄養を注入する。
これは正解。経管栄養法とは口から食事がとれない場合に、チューブを用いて胃や腸に直接栄養を注入する方法です。主な種類として経鼻(鼻からチューブを挿入)・胃瘻(PEG)・腸瘻があります。栄養状態の維持に有効ですが、口腔ケアの継続や誤嚥性肺炎の予防、注入後の体位維持など、介護現場での注意点としてセットで覚える必要があります。
5 人工呼吸療法は、体内への二酸化炭素の取り込みを促すために行う。
これは誤り。人工呼吸器の目的は、「酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する」というガス交換を助けることです。二酸化炭素は体内で産生される不要な老廃ガスであり体外に排出するものです。酸素を取り込み二酸化炭素を排出するという呼吸の基本を押さえておきましょう。
第27回 問題35
次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1 パルスオキシメーターは、一般に手や足の指先に装着する。
2 自己導尿に用いるカテーテルの消毒は不要である。
3 ネブライザーは、薬剤の投与や気道の加湿のために使われる。
4 在宅酸素療法では、携帯用酸素ボンベを使用して外出することができる。
5 ストーマとは、気管切開口のことである。
1 パルスオキシメーターは、一般に手や足の指先に装着する。
これは正解。パルスオキシメーターは指先に装着し、皮膚を通して光を当てることで血液中の酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する機器です。正常値は96〜99%程度とされ、それ以下であれば呼吸不全の目安となります。取扱が簡単で在宅療養者の呼吸状態を把握する重要なツールです。
2 自己導尿に用いるカテーテルの消毒は不要である。
これは誤り。自己導尿とは、自分でカテーテルを尿道に挿入して排尿する処置です。自己導尿では、感染予防のためカテーテルを清潔に管理する必要があり、使用前後の適切な洗浄と消毒を行うか、あるいは使い捨て(単回使用)が基本となります。
3 ネブライザーは、薬剤の投与や気道の加湿のために使われる。
これは正解。ネブライザーは薬液を霧状に噴霧して吸入させる医療機器で、気管支拡張薬・去痰薬などを気道に直接届けることで痰を出しやすくするため、喘息・COPDなどの呼吸器疾患の治療に用いられます。また機器の洗浄を怠るとカビや雑菌が繁殖し、肺に吸い込んでしまう恐れがあるため、衛生管理にも十分気をつける必要があります。
4 在宅酸素療法では、携帯用酸素ボンベを使用して外出することができる。
これは正解。在宅酸素療法(HOT)は自宅に設置した酸素濃縮器が基本ですが、携帯用酸素ボンベを使用することで外出・社会参加が可能です。ただし外出時のボンベの持続時間や残量確認、予備の確保といった安全管理を十分に行う必要があります。また、酸素流量の設定変更は必ず医師の指示に従う必要があります。
5 ストーマとは、気管切開口のことである。
これは誤り。ストーマとは大腸がん・膀胱がんなどの手術により腹壁に造設された消化管または尿路の開口部を指します。一方、選択肢の「気管切開口」は喉の下に作られる気管切開部(カニューレ挿入部)のことです。ストーマ保有者(オストメイト)の排泄管理に関わる支援は、介護支援専門員の重要な役割のひとつです。
第28回 問題34
次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1 在宅医療では、医師、看護師、介護支援専門員など多職種の連携が重要である。
2 腹膜透析は、患者の自宅で行われることはない。
3 胃ろうがある場合には、原則として、入浴は禁止されている。
4 中心静脈栄養法は、点滴栄養剤を中心静脈に入れる方法である。
5 パルスオキシメーターは、血液中の酸素飽和度を測定する機器である。
1 在宅医療では、医師、看護師、介護支援専門員など多職種の連携が重要である。
これは正解。在宅医療では病院と異なり、医師・訪問看護師・薬剤師・理学療法士・介護支援専門員・ヘルパーなどがそれぞれの専門性を発揮しながら連携して利用者を支えます。介護支援専門員はその中心的なコーディネーター役として、情報共有やサービス調整を担う重要な役割があります。
2 腹膜透析は、患者の自宅で行われることはない。
これは誤り。腹膜透析(PD)とは腹腔内に透析液を入れ、腹膜を通じて老廃物や余分な水分を除去する透析方法です。血液透析と異なり、在宅で実施可能な透析方法であり通院回数が少なくて済むなど、生活の質(QOL)を維持しやすい利点があります。
3 胃ろうがある場合には、原則として、入浴は禁止されている。
これは誤り。胃ろうがあっても原則として入浴は禁止されていません。胃ろうは腹部に造設した小さな穴からチューブで直接胃に栄養を注入する処置で、造設後の創部が安定していれば入浴は可能であり、清潔保持にもつながります。
4 中心静脈栄養法は、点滴栄養剤を中心静脈に入れる方法である。
これは正解。中心静脈栄養(IVH/TPN)とは、鎖骨下静脈や頸静脈などの中心静脈にカテーテルを留置し、高カロリー輸液を投与する方法です。経口摂取や経管栄養が困難な場合に用いられます。末梢静脈(腕の血管など)からの点滴よりも高カロリーな栄養補給が可能であることを、医療的ケアの知識として確実に押さえましょう。
5 パルスオキシメーターは、血液中の酸素飽和度を測定する機器である。
これは正解。パルスオキシメーターは、皮膚を通して動脈血の酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する機器です。指先などに装着してSpO2を測定することが可能で、在宅酸素療法を行っている利用者の体調管理などに広く用いられます。
第28回 問題36
次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1 経管栄養法で使用するカテーテルは、定期的な交換は不要である。
2 人工的に造設した便や尿の排泄口のことをストーマという。
3 気管切開を伴った人工呼吸療法では、気管切開部の管理が必要である。
4 患者の自宅で人工呼吸器を使用する場合は、災害時の対応方法を確認しておくことが重要である。
5 インスリンの自己注射をしていれば、低血糖は生じない。
この問題は、在宅医療で導入されることが多い医療ニーズ(経管栄養、ストーマ、人工呼吸器、インスリン注射)に関する基本知識とリスク管理を問う問題です。介護支援専門員は医療職と連携し、在宅療養を安全に支える役割を担うため、各医療処置の特徴や災害対策、緊急時のリスクを正しく理解しているかが問われています。
1 経管栄養法で使用するカテーテルは、定期的な交換は不要である。
これは誤り。経管栄養で使用するカテーテルは種類に応じて定期的な交換が必要であり、交換を怠ると細菌の繁殖や劣化、閉塞などのリスクが高まり、利用者の健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。
2 人工的に造設した便や尿の排泄口のことをストーマという。
これは正解。ストーマとは、手術によって腹部に造設された人工的な排泄口のことです。便の排泄口である人工肛門と、尿の排泄口である尿路ストーマがあります。また、ストーマを造設している利用者をオストメイトと呼び、排泄物をためる「パウチ」の交換や、皮膚トラブルの予防などの対策が必要となります。
3 気管切開を伴った人工呼吸療法では、気管切開部の管理が必要である。
これは正解。気管切開部は感染・出血・カニューレ(管)の閉塞などのリスクがあるため、気管切開部の観察や清潔保持が重要です。在宅での気管切開管理は医療職や家族が行いますが、介護支援専門員の立場として、異常の早期発見のための連携体制の確保が求められます。
4 患者の自宅で人工呼吸器を使用する場合は、災害時の対応方法を確認しておくことが重要である。
これは正解。人工呼吸器は停電時に生命の危険が生じる医療機器です。災害時の電源確保・避難方法・医療機関との連絡体制を確認し、外部バッテリーの確保やアンブバッグ(手動式人工呼吸器)の常備など、具体的な災害対策を整えておくことが重要です。
5 インスリンの自己注射をしていれば、低血糖は生じない。
これは誤り。インスリン注射は低血糖を引き起こすリスクのある治療法で、食事量の減少・運動・注射量の誤りなどにより起こる可能性があります。低血糖では冷や汗・ふるえ・意識障害などがみられるため、ブドウ糖や糖分を摂取するなど、速やかな対応が必要です。
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次は、入退院支援について。



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