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【介護保険法】法律の条文を覚えよう!

介護保険法 未分類

ここでは介護保険法の法律条文で出題される内容を覚えていきましょう。

介護保険法

第1条(目的)

まずは介護保険法の目的を読んでみましょう。

この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

第2条(介護保険)

第2条に規定される「介護保険の保険給付の基本的考え方」はよく出題されますので、覚えておきましょう。

介護保険は、被保険者の要介護状態又は要支援状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。
2 前項の保険給付は、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない。
3 第一項の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。
4 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。

第4条(国民の努力及び義務)

第4条の「国民の努力及び義務」の内容もよく出題されています。

国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。
2 国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。

第5条(国及び地方公共団体の責務)

第5条の「国と地方公共団体の責務」にも目を通しておきましょう。

国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。
2 都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。
3 都道府県は、前項の助言及び援助をするに当たっては、介護サービスを提供する事業所又は施設における業務の効率化、介護サービスの質の向上その他の生産性の向上に資する取組が促進されるよう努めなければならない。
4 国及び地方公共団体は、被保険者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、保険給付に係る保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策を、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならない。
5 国及び地方公共団体は、前項の規定により同項に掲げる施策を包括的に推進するに当たっては、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るよう努めるとともに、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現に資するよう努めなければならない。

過去問

第23回 問題6

介護保険法第2条に示されている保険給付の基本的考え方として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 要介護状態等の維持又は悪化の予防に資するよう行われる。
2 被保険者の選択に基づく。
3 総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。
4 快適な日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。
5 被保険者の要介護状態等に関し、必要な保険給付を行う。

介護保険の保険給付の基本的考え方は、介護保険法第2条に規定されており、制度は単なる介護の提供ではなく、利用者の尊厳の保持と自立した日常生活の支援を理念とし、心身の状況に応じて必要な保健医療サービスや福祉サービスを総合的に受けられるようにすることを目的とされています。また、サービスの提供は利用者本人の意思と選択を尊重して行われることが原則であり、試験ではこの理念と条文の趣旨の理解ができているかを問われます。

1 要介護状態等の維持又は悪化の予防に資するよう行われる。
これは誤り。介護保険法第2条第2項では、保険給付は要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行うと定められています。つまり給付は単なる現状維持ではなく、介護予防と自立支援の視点から心身機能の維持・改善を図ることを目指すものであり、介護支援専門員はこの理念に基づき、悪化防止や生活機能の向上を目的としたケアマネジメントを行うことが求められます。

2 被保険者の選択に基づく。
これは正解。介護保険法第2条第2項において、介護保険サービスは被保険者の意思を尊重して提供されると定められており、行政が決定するような措置制度ではなく、利用者の自己決定を基本に、多様な事業者や施設から適切なサービスを受けられる仕組みとなっています。ただし無制限の自由選択ではなく、保険給付の範囲内で意思を尊重する点は忘れてはいけません。

3 総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。
これは正解。介護保険法第2条第2項において、介護保険の保険給付は、保健・医療・福祉に関する各種サービスが相互に連携し、総合的かつ効率的に提供されることを基本として規定されています。これは要介護者の多様なニーズに対応するため、各サービスを個別ではなく一体的に活用する考え方であり、限られた社会資源を有効に活用する視点が重視されています。

4 快適な日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。
これは誤り。介護保険法第2条第3項では、保険給付は利用者の尊厳を保持しつつ、その能力に応じて自立した日常生活を営めるよう支援することと規定されています。選択肢のような「快適な日常生活」という表現はなく、重要なのは「尊厳の保持」と「自立支援」であり、条文の正確な表現を理解しておく必要があります。

5 被保険者の要介護状態等に関し、必要な保険給付を行う。
これは正解。介護保険法第2条第1項において、介護保険の保険給付は、被保険者の要介護状態等に応じて必要な給付を行うとともに、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われることが定められています。単に給付を実施するだけでなく、状態の改善や悪化防止という目的を伴う点が重要です。

第26回 問題4

介護保険法第2条に示されている保険給付の基本的考え方として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われなければならない。
2 被保険者の置かれている環境に配慮せず提供されなければならない。
3 可能な限り、被保険者の有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮
れなければならない。
4 医療との連携に十分配慮して行われなければならない。
5 介護支援専門員の選択に基づき、サービス提供が行われなければならない。

介護保険法第2条に規定されている保険給付の基本的な考え方について、介護保険制度が高齢者の自立支援を目的とし、利用者の自己決定の尊重を前提に、保健・医療・福祉の連携のもとでサービスが提供されることが原則として定められています。ケアプラン作成や給付管理の根拠となる条文であり、試験でも繰り返し出題されていますので、制度全体の理念を理解するうえでの基本条文として、確実に押さえておく必要があります。

1 要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われなければならない。
これは正解。介護保険法第2条第1項では、保険給付は要介護状態等の軽減または悪化の防止に資するよう行われなければならないと規定されています。これは単に介護サービスを提供することが目的ではなく、利用者の状態の改善や維持を図る自立支援の理念を示す重要な原則です。介護支援専門員はこの考え方を踏まえ、介護予防や自立支援を重視したケアプランを作成する必要があります。

2 被保険者の置かれている環境に配慮せず提供されなければならない。
これは誤り。介護保険法第2条第3項では、保険給付は被保険者の心身の状況や置かれている環境等に応じて行われなければならないと規定されています。利用者の生活環境や家族状況、住宅条件などを考慮したサービス提供が原則であり、「環境に配慮せず」とする記述は条文の趣旨に反するため誤りとなります。個別の状況に応じたケアを行うという基本原則を理解しておくことが重要です。

3 可能な限り、被保険者の有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。
これは正解。介護保険法第2条第4項では、保険給付は被保険者が有する能力に応じて、可能な限り自立した日常生活が営めるよう配慮して行うことと定められています。これは残存能力を活かした自立支援を重視する介護保険の根本的な原則で、介護支援専門員はこの理念に基づき、過度な支援を避け、本人のできる力を活かしたケアマネジメントを行うことが大切です。

4 医療との連携に十分配慮して行われなければならない。
これは正解。介護保険法第2条第2項では、保険給付は医療との連携に十分配慮して行われなければならないと規定されています。要介護者は慢性疾患などを抱える場合が多く、質の高い支援には主治医や看護師等の医療職との連携が不可欠です。医療と介護が協力し、リハビリや服薬管理などを含めた総合的な支援体制を整えることが求められています。

5 介護支援専門員の選択に基づき、サービス提供が行われなければならない。
これは誤り。介護保険法第2条第3項では、保険給付は被保険者の選択に基づき提供されることが原則とされています。したがって、サービスを決定する主体は介護支援専門員ではなく利用者本人です。介護支援専門員は専門的助言を行い、複数の選択肢を提示して利用者の意思決定を支援する立場にあります。介護支援専門員の独断によるサービス決定は認められていません。

第24回 問題5

「国民の努力及び義務」として介護保険法第4条に規定されているものはどれか。3つ選べ。
1 介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
2 加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努める。
3 可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営む。
4 要介護状態となった場合においても、その有する能力の維持向上に努める。
5 認知症に対する理解を深めるよう努める。

介護保険法第4条では、介護保険制度が国民の共同連帯の理念に基づく制度であることを前提に、国民の努力及び義務が定められています。国民は、加齢に伴う心身の変化を自覚し、健康の保持増進や要介護状態の予防に努めるとともに、制度を支えるために必要な保険料などの負担を行うことが求められています。試験では、第2条の保険給付の原則や第5条の国の責務と混同を問う問題が出やすいため、各条文の適切な理解が求められます。

1 介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
これは正解。介護保険法第4条第2項では、介護保険制度は共同連帯の理念に基づき、国民は介護保険事業に要する費用を公平に負担するものと定めています。これは被保険者が保険料を納めて制度を支えるという相互扶助の考え方を示した規定であり、介護保険制度の財源を支える基本原則とされています。

2 加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努める。
これは正解。介護保険法第4条第1項では、国民は加齢による心身の変化を自覚し、健康の保持増進に努めることが定められています。これは要介護状態となることをできるだけ防ぐという介護予防の考え方を示した規定であり、国民の努力義務として健康管理と介護予防に取り組むことが求められています。

3 可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営む。
これは誤り。選択肢の内容は、介護保険法第5条(国及び地方公共団体の責務)の規定として示されている内容であり、第4条の「国民の努力及び義務」で規定された内容ではありません。試験対策としては、各条文の対象や位置づけの違いを区別して理解しておく必要があります。

4 要介護状態となった場合においても、その有する能力の維持向上に努める。
これは正解。介護保険法第4条において「要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする」とされています。これは、介護を受ける立場になっても主体的に機能の維持・向上を目指すという国民の努力義務を示しています。

5 認知症に対する理解を深めるよう努める。
これは誤り。認知症への理解を深めることは重要な社会的課題ですが、介護保険法第4条(国民の努力及び義務)には直接規定されていません。認知症施策の推進は介護保険法第5条の国や地方公共団体の責務、または共生社会の実現を推進するための認知症基本法などに規定されている内容で、他法との位置付けの違いを理解する必要があります。

第27回 問題4

介護保険法に定める都道府県の責務として正しいものはどれか。2つ選べ。
1 介護報酬の算定基準を適切に設定しなければならない。
2 介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。
3 介護保険事業が効率的に行われるように、年金保険者を指導・監督しなければならない。
4 認知症に関する知識の普及及び啓発に努めなければならない。
5 高齢者が経済活動に参加することを促さなければならない。

この問題は、介護保険法第5条等に基づく各行政機関の「責務」を問うものです。これらの理解としては、「市町村は運営主体(保険者)」、「都道府県は広域支援者」、「国は制度設計者」という、三者の役割を明確に区別して覚える必要があります。特に都道府県は、市町村の運営が円滑に進むよう「助言・援助」を行うほか、財政安定化基金の設置や事業者の指定・監督など、後方支援を担います。試験では、この三者の業務が入れ替えられて出題されるため、それぞれの権限範囲を正確に把握しておく事が必要です。

1 介護報酬の算定基準を適切に設定しなければならない。
これは誤り。介護報酬(サービスの公定価格)の算定基準を定める権限は、都道府県ではなく国(厚生労働大臣)にあります。介護報酬は全国統一の基準で設定され、介護保険法第77条に基づき、厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会の意見を聴いて定めます。都道府県には独自に報酬基準を設定する権限はありません。

2 介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。
これは正解。都道府県は、介護保険法第4条および第5条第2項に基づき、介護保険事業が健全かつ円滑に運営されるよう、市町村に対して必要な助言や適切な援助を行う責務があります。保険者は市町村ですが、都道府県は後方支援や指導を行い、市町村が円滑に制度運営できるよう支える役割を担っています。

3 介護保険事業が効率的に行われるように、年金保険者を指導・監督しなければならない。
これは誤り。都道府県には、日本年金機構などの年金保険者を指導・監督する権限はありません。年金保険者は厚生労働省の所管で、介護保険では保険料の特別徴収など限定的な役割のみを担います。都道府県が指導・監督する対象は、介護サービス事業者や指定居宅介護支援事業者などです。

4 認知症に関する知識の普及及び啓発に努めなければならない。
これは正解。都道府県は、介護保険法第5条に基づき、認知症に関する知識の普及や啓発に努める責務があります。これは国や市町村とともに認知症施策を推進する役割を示したものです。高齢化の進展に伴い、認知症対策は重要な課題とされ、都道府県には広域的な立場から普及啓発や施策推進を行う役割が求められています。

5 高齢者が経済活動に参加することを促さなければならない。
これは誤り。介護保険法では、高齢者の「経済活動への参加」を促進する責務は定められていません。制度の目的は、要介護高齢者が自立した日常生活を営めるよう支援することです。就労などの経済活動の促進は、主に高年齢者雇用安定法など他の法律の分野となります。

第28回 問題3

介護保険法第4条に定める「国民の努力及び義務」として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 高齢者の福祉の増進のため、その生活を支える事業を営むよう努める。
2 自ら要介護状態となることを予防するよう努める。
3 要介護状態となった場合においても、その有する能力の維持向上に努める。
4 介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
5 認知症に関する知識の普及及び啓発に努める。

介護保険法第4条「国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。」

第4条2「国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。」とされています。

1 高齢者の福祉の増進のため、その生活を支える事業を営むよう努める。
これは誤り。介護保険法第4条にこのような規定は存在しません。第4条では「常に健康の保持増進に努める」や「有する能力の維持向上に努める」とあり、介護予防や能力の維持・向上が努力義務と定められています。

2 自ら要介護状態となることを予防するよう努める。
これは正解。冒頭、介護保険法第4条を参照。

3 要介護状態となった場合においても、その有する能力の維持向上に努める。
これは正解。冒頭、介護保険法第4条を参照。

4 介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
これは正解。第4条第2項では、「介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする」とし共同連帯の理念に基づき、費用を公平に負担する旨が定められています。

5 認知症に関する知識の普及及び啓発に努める。
これは誤り。これは第5条第2項に規定されている「認知症に関する施策の総合的な推進等」の内容ですので、第4条には規定されていません。また、第5条第2項における「知識の普及及び啓発」は国及び地方公共団体の責務とされています。

第25回 問題1

介護保険制度の考え方として適切なものはどれか。3つ選べ。
1 要介護者の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことを目指す。
2 高齢者の介護を社会全体で支える。
3 認知症高齢者の施設入所を促進する。
4 要介護者へのサービスを画一的な内容にする。
5 保険給付は、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的にサービスが提供されるよう配慮する。

介護保険法第1条(目的)および第2条(基本理念)において、介護保険制度は従来の家族介護や行政措置中心の制度から、社会全体で支える仕組みへ転換し、利用者が自らサービスを選択し、要介護状態になっても自立した生活が営めるよう「利用者本位」と「自立支援」の基本的理念が規定されています。

1 要介護者の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことを目指す。
これは正解。介護保険法第1条(目的)に示された制度の基本理念を問う問題です。介護保険の目的は、被保険者の尊厳を保持しつつ、その能力に応じて自立した日常生活を営めるよう支援することにあります。単なる身の回りの世話ではなく、本人の残存能力を活かし、その人らしい生活が継続できるよう支えることであり、ケアマネジメントの基本となる考え方を示しています。

2 高齢者の介護を社会全体で支える。
これは正解。介護保険法第2条(基本理念)に基づき、介護保険制度は介護を国民共通のリスクとして捉え、被保険者が保険料を負担し合いながら必要な人を支え合う相互扶助の仕組みが示されています。かつて家族が中心となって担っていた介護を、社会全体で支える「介護の社会化」を実現した点が制度の大きな特徴とされています。

3 認知症高齢者の施設入所を促進する。
これは誤り。介護保険法第2条(基本理念)において、介護保険制度は施設入所を促進するものではなく、可能な限り住み慣れた地域で自立した生活を続けられるよう支援することを目的とされています。認知症や重度要介護状態であっても、在宅サービスや地域の支援を活用し、地域で最期まで暮らせるようにする「地域包括ケアシステム」の考え方が制度の基本となります。

4 要介護者へのサービスを画一的な内容にする。
これは誤り。介護保険法第2条(基本理念)において、介護保険制度は画一的なサービスではなく、利用者本位を原則とし、心身の状況や生活環境、本人・家族の希望に応じた個別的なサービス提供を重視するとされています。ケアプランに基づき、多様なサービスを総合的かつ効率的に組み合わせて提供することが制度の基本理念です。

5 保険給付は、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的にサービスが提供されるよう配慮する。
これは正解。介護保険法第2条第3項の規定によって、民間企業やNPOなど多様な事業者・施設が参入し、利用者がそれらのサービスを組み合わせて利用できる仕組みが整えられています。サービスは多様な主体の連携により、総合的かつ効率的に提供されることが求められるため、介護支援専門員のサービス調整機能(コーディネート)の根拠となっています。

第25回 問題3

介護保険法第5条に規定されている「国及び地方公共団体の責務」として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 国は、保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策を講じなければならない。
2 国及び地方公共団体は、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るように努めなければならない。
3 都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。
4 市町村は、要介護者等の医療に要する費用の適正化を図るための施策を実施しなければならない。
5 市町村は、地域において医療及び介護が総合的に確保されるよう指針を定めなければならない。

介護保険法第5条では、国・都道府県・市町村の責務が規定されています。介護保険制度は三層の行政構造で運営され、それぞれの役割が明確に分担されています。国は制度の基盤整備や必要な体制の確保、都道府県は市町村への助言・援助や広域的調整、市町村は保険者として介護保険事業の運営を担います。試験では「誰がその責務を負うのか」という問題が頻出です。

1 国は、保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策を講じなければならない。
これは正解。介護保険法第5条第1項に基づく責務において、国は保健医療サービスや福祉サービスが適切に提供される体制を確保するため、制度の基盤整備や施策の推進を行う役割を担うとされています。全国的な方針の策定や制度運営の枠組みづくりが国の重要な責務です。

2 国及び地方公共団体は、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るように努めなければならない。
これは正解。介護保険法第5条第5項の規定に基づき、国および地方公共団体は、介護保険制度だけでなく、障害福祉サービスなど他の福祉施策と有機的に連携しながら、高齢者を支える体制を整えるよう努めるとされています。これは、制度が分断されないよう総合的に運用することが求められ、複数制度を利用する場合の連携の重要性を示しています。

3 都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。
これは正解。介護保険法第5条第3項に基づく責務において、都道府県は保険者である市町村の介護保険事業が健全かつ円滑に運営されるよう、必要な助言や適切な援助を行う役割を担います。広域的な立場から市町村を支援し、人材確保や体制整備などを行うことが求められています。

4 市町村は、要介護者等の医療に要する費用の適正化を図るための施策を実施しなければならない。
これは誤り。医療費の適正化は、市町村の介護保険上の責務ではありません。市町村は介護保険法第5条に基づき、保険者として介護保険事業を適正に運営する役割を担います。一方、医療費の適正化は主に「高齢者の医療の確保に関する法律」など医療制度に関する施策で扱われる事項です。試験では、介護保険と医療保険の責務の違いを区別して理解しておきましょう。

5 市町村は、地域において医療及び介護が総合的に確保されるよう指針を定めなければならない。
これは誤り。「医療及び介護の総合的な確保に関する基本方針」を定めるのは市町村ではなく国の役割です。これは「医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」に基づき厚生労働大臣が策定します。市町村はその方針に基づき、介護保険法により介護保険事業計画の策定や地域包括支援センターの設置など具体的施策を実施します。

第26回 問題9

介護保険法に定める指定居宅サービス事業者の責務として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 医師の診断書に基づき居宅サービス計画を作成しなければならない。
2 要介護者のため忠実に職務を遂行しなければならない。
3 自らサービスの質の評価を行うこと等により常に利用者の立場に立ってサービスを提供するように努めなければならない。
4 利用者が居宅において心身ともに健やかに養護されるよう、利用者の保護者を支援しなければならない。
5 法令遵守に係る義務の履行が確保されるよう、業務管理体制を整備しなければならない。

これは、介護保険法に基づく指定居宅サービス事業者の責務を問う重要な問題です。特に第74条などでは、事業者は単にサービスを提供するだけでなく、利用者の立場に立った適切な運営を行い、法令遵守のための業務管理体制を整備することが求められています。介護支援専門員は、居宅サービス事業者と連携して支援を行うため、これらの法的責務を理解しておくことが不可欠になります。また試験対策としては、介護支援専門員と指定居宅サービス事業者の役割との混同を狙った出題も多いため、事業者固有の義務を正確に整理して覚えておきましょう。

1 医師の診断書に基づき居宅サービス計画を作成しなければならない。
これは誤り。居宅サービス計画(ケアプラン)を作成するのは、介護保険法に基づく指定居宅介護支援事業者の介護支援専門員であり、訪問介護などの指定居宅サービス事業者の責務ではありません。また、計画は医師の診断書のみに基づくものではなく、利用者の心身の状況や生活環境、本人の希望を踏まえたアセスメントを基に作成されます。したがって、居宅サービス事業者が診断書に基づき作成するという記述は誤りとなります。

2 要介護者のため忠実に職務を遂行しなければならない。
これは正解。介護保険法第74条第6項では、指定居宅サービス事業者は要介護者のため忠実に職務を遂行しなければならないと定められています。これは事業者や職員が誠実かつ高い倫理観をもって業務を行い、常に利用者の利益を優先するべきことを示す基本的責務です。営利性が関わる場合でも、利用者本位のサービス提供を徹底することが求められる重要な原則です。

3 自らサービスの質の評価を行うこと等により常に利用者の立場に立ってサービスを提供するように努めなければならない。
これは正解。介護保険法第73条では、指定居宅サービス事業者は自らサービスの質の評価を行うなどして、常に利用者の立場に立ったサービス提供に努めなければならないと規定されています。事業者は自己評価(セルフチェック)を通じてサービスの質を継続的に改善し、利用者本位の支援を実現する努力義務を負っています。サービスの質の向上を図るための重要な規定として理解しておくことが大切です。

4 利用者が居宅において心身ともに健やかに養護されるよう、利用者の保護者を支援しなければならない。
これは誤り。介護保険法における指定居宅サービス事業者の責務は、利用者本人に対する適切なサービス提供であり、「保護者を支援する」という規定はありません。また、「養護」や「保護者」という表現は主に児童福祉法で用いられる概念で、介護保険制度には適さない用語です。家族の介護負担軽減は配慮されますが、条文上の責務として保護者支援が定められているわけではない点に注意して下さい。

5 法令遵守に係る義務の履行が確保されるよう、業務管理体制を整備しなければならない。
これは正解。介護保険法では、介護サービス事業者は法令遵守を確保するための業務管理体制を整備する義務が定められています(第115条の32等)。事業者は単にサービスを提供するだけでなく、組織としてコンプライアンスを確保する体制を整える必要があります。具体的には、職員研修、内部監査、相談窓口の設置などを通じて、不正請求や不適切運営を防止する仕組みを構築することが求められます。

次の記事

次も同じく介護保険法に規定される福祉計画である「介護保険事業計画」について学んでいきます。

【福祉計画】介護保険事業計画&介護保険事業支援計画
福祉計画の中でもケアマネ試験で重要な「介護保険事業計画」と「老人福祉計画」はしっかり覚えておきましょう。さらに医療介護総合確保推進法にもとづく「都道府県計画」も重要です。地域福祉関係地域福祉(支援)計画根拠法:社会福祉法市町村:努力義務都道...

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