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介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護支援専門員(ケアマネジャー) 介護支援分野

介護支援専門員については、介護保険法に規定されています。法律の条文も含めて見ていきましょう。

介護支援専門員

介護支援専門員(ケアマネジャー)になるには、まずは介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の受験資格を得るために実務経験が必要です。

<ケアマネ試験の受験資格>

・医療福祉系の国家資格を保有し実務経験5年以上
・相談援助業務の経験が5年以上

カリスマくん
カリスマくん

医療福祉系の国家資格を取得してから5年の実務経験が必要だよ。介護福祉士をとってから5年の実務経験でケアマネへのルートが一般的だけど、介護福祉士以外にも、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、精神保健福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)でもOK。

登録

介護保険法第69条の2 厚生労働省令で定める実務の経験を有する者であって、都道府県知事が厚生労働省令で定めるところにより行う試験(介護支援専門員実務研修受講試験)に合格し、かつ、都道府県知事が厚生労働省令で定めるところにより行う研修(介護支援専門員実務研修)の課程を修了したものは、厚生労働省令で定めるところにより、当該都道府県知事の登録を受けることができる。

実務経験を満たして介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、介護支援専門員実務研修を修了すれば都道府県知事の登録を受けることができます。登録している都道府県以外で業務に従事する場合は、業務に従事しようとする都道府県の知事に登録の移転を申請することができます。

カリスマくん
カリスマくん

みんなが目指しているケアマネ試験は、正式名称「介護支援専門員実務研修受講試験」というんだね。つまり実務研修を受講するための試験ということ。これに合格すれば実務研修を受講できて登録できるってわけね。

ただし、以下に該当する場合は登録を受けられません。

<ケアマネ欠格事由>
1 心身の故障により介護支援専門員の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
2 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
3 この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
4 登録の申請前5年以内に居宅サービス等に関し不正又は著しく不当な行為をした者
5 第六十九条の三十八第三項の規定による禁止の処分を受け、その禁止の期間中に第六十九条の六第一号の規定によりその登録が消除され、まだその期間が経過しない者
6 第六十九条の三十九の規定による登録の消除の処分を受け、その処分の日から起算して五年を経過しない者
7 第六十九条の三十九の規定による登録の消除の処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に登録の消除の申請をした者(登録の消除の申請について相当の理由がある者を除く。)であって、当該登録が消除された日から起算して5年を経過しないもの

介護支援専門員証

介護支援専門員として業務に従事するためには、都道府県において登録を受けるだけでなく、介護支援専門員証の交付を受けていることが必要です。登録を受けていれば都道府県知事に介護支援専門員証の交付を申請することができます。

介護支援専門員はその業務を行うに当たり、関係者から提示を求められた場合は、介護支援専門員証を提示する義務があります。これは身分を証明し、信頼を得るための法的な義務であるため、常に携帯しておく必要があります。介護支援専門員証の有効期間は5年と定められています(介護保険法第69条の7第3項)。更新を行う場合は、有効期間内に都道府県知事が指定する更新研修を受講する必要があります。

義務等

介護保険法には介護支援専門員の義務等が規定されており、以下に違反すると都道府県知事から登録を削除される可能性があります。登録が消除された場合、速やかに介護支援専門員証を交付した都道府県知事へ返納しなければなりません。

介護保険法条文
第69条の34の1(介護支援専門員の義務)介護支援専門員は、その担当する要介護者等の人格を尊重し、常に当該要介護者等の立場に立って、当該要介護者等に提供される居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス若しくは地域密着型介護予防サービス又は特定介護予防・日常生活支援総合事業が特定の種類又は特定の事業者若しくは施設に不当に偏ることのないよう、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
第69条の34の2(介護支援専門員の義務)介護支援専門員は、厚生労働省令で定める基準に従って、介護支援専門員の業務を行わなければならない。
第69条の35(名義貸しの禁止等)介護支援専門員は、介護支援専門員証を不正に使用し、又はその名義を他人に介護支援専門員の業務のため使用させてはならない。
第69条の36(信用失墜行為の禁止)介護支援専門員は、介護支援専門員の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
第69条の37(秘密保持義務)介護支援専門員は、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。介護支援専門員でなくなった後においても、同様とする。

死亡

登録者が死亡した場合、相続人が都道府県知事に届け出る義務があります。なお、資格は死亡の時点で当然に消滅するものであり、届出はその事実を行政に知らせるためのものです。また、死亡以外にも、失踪宣告、欠格事由該当などの場合にも届出義務が生じます。

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準

居宅介護支援事業所の運営基準の中でも第13条は、介護支援専門員の業務内容や守るべき遵守事項が規定されています。

第13条(指定居宅介護支援の具体的取扱方針)

 指定居宅介護支援の方針は、第一条の二に規定する基本方針及び前条に規定する基本取扱方針に基づき、次に掲げるところによるものとする。
一 指定居宅介護支援事業所の管理者は、介護支援専門員に居宅サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。
二 指定居宅介護支援の提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、利用者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行う。
二の二 指定居宅介護支援の提供に当たっては、当該利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他利用者の行動を制限する行為(身体的拘束等)を行ってはならない。
二の三 前号の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。
三 介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に当たっては、利用者の自立した日常生活の支援を効果的に行うため、利用者の心身又は家族の状況等に応じ、継続的かつ計画的に指定居宅サービス等の利用が行われるようにしなければならない。
四 介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に当たっては、利用者の日常生活全般を支援する観点から、介護給付等対象サービス(法第二十四条第二項に規定する介護給付等対象サービス)以外の保健医療サービス又は福祉サービス、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて居宅サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
五 介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成の開始に当たっては、利用者によるサービスの選択に資するよう、当該地域における指定居宅サービス事業者等に関するサービスの内容、利用料等の情報を適正に利用者又はその家族に対して提供するものとする。
六 介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、利用者について、その有する能力、既に提供を受けている指定居宅サービス等のその置かれている環境等の評価を通じて利用者が現に抱える問題点を明らかにし、利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握しなければならない。
七 介護支援専門員は、前号に規定する解決すべき課題の把握(アセスメント)に当たっては、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。この場合において、介護支援専門員は、面接の趣旨を利用者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。
八 介護支援専門員は、利用者の希望及び利用者についてのアセスメントの結果に基づき、利用者の家族の希望及び当該地域における指定居宅サービス等が提供される体制を勘案して、当該アセスメントにより把握された解決すべき課題に対応するための最も適切なサービスの組合せについて検討し、利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、提供されるサービスの目標及びその達成時期、サービスの種類、内容及び利用料並びにサービスを提供する上での留意事項等を記載した居宅サービス計画の原案を作成しなければならない。
九 介護支援専門員は、サービス担当者会議(介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために、利用者及びその家族の参加を基本としつつ、居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者を招集して行う会議(テレビ電話装置等)を活用して行うことができるものとする。ただし、利用者又はその家族が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない。)の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る)の心身の状況等により、主治の医師又は歯科医師の意見を勘案して必要と認める場合その他のやむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。
十 介護支援専門員は、居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等について、保険給付の対象となるかどうかを区分した上で、当該居宅サービス計画の原案の内容について利用者又はその家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得なければならない。
十一 介護支援専門員は、居宅サービス計画を作成した際には、当該居宅サービス計画を利用者及び担当者に交付しなければならない。
十二 介護支援専門員は、居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス事業者等に対して、訪問介護計画等指定居宅サービス等基準において位置付けられている計画の提出を求めるものとする。
十三 介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む)を行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更、指定居宅サービス事業者等との連絡調整その他の便宜の提供を行うものとする。
十三の二 介護支援専門員は、指定居宅サービス事業者等から利用者に係る情報の提供を受けたときその他必要と認めるときは、利用者の服薬状況、口腔くう機能その他の利用者の心身又は生活の状況に係る情報のうち必要と認めるものを、利用者の同意を得て主治の医師等又は薬剤師に提供するものとする。
十四 介護支援専門員は、第十三号に規定する実施状況の把握(モニタリング)に当たっては、利用者及びその家族、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。
イ 少なくとも一月に一回、利用者に面接すること。
ロ イの規定による面接は、利用者の居宅を訪問することによって行うこと。ただし、次のいずれにも該当する場合であって、少なくとも二月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接するときは、利用者の居宅を訪問しない月においては、テレビ電話装置等を活用して、利用者に面接することができるものとする。
(1) テレビ電話装置等を活用して面接を行うことについて、文書により利用者の同意を得ていること。
(2) サービス担当者会議等において、次に掲げる事項について主治の医師、担当者その他の関係者の合意を得ていること。
(i) 利用者の心身の状況が安定していること。
(ii) 利用者がテレビ電話装置等を活用して意思疎通を行うことができること。
(iii) 介護支援専門員が、テレビ電話装置等を活用したモニタリングでは把握できない情報について、担当者から提供を受けること。
ハ 少なくとも一月に一回、モニタリングの結果を記録すること。
十五 介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催により、居宅サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。
イ 要介護認定を受けている利用者が法第二十八条第二項に規定する要介護更新認定を受けた場合
ロ 要介護認定を受けている利用者が法第二十九条第一項に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合
十六 第三号から第十二号までの規定は、第十三号に規定する居宅サービス計画の変更について準用する。
十七 介護支援専門員は、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが総合的かつ効率的に提供された場合においても、利用者がその居宅において日常生活を営むことが困難となったと認める場合又は利用者が介護保険施設への入院又は入所を希望する場合には、介護保険施設への紹介その他の便宜の提供を行うものとする。
十八 介護支援専門員は、介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、居宅における生活へ円滑に移行できるよう、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする。
十八の二 介護支援専門員は、居宅サービス計画に厚生労働大臣が定める回数以上の訪問介護(厚生労働大臣が定めるものに限る)を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該居宅サービス計画に訪問介護が必要な理由を記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならない。
十八の三 介護支援専門員は、その勤務する指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画に位置付けられた指定居宅サービス等に係る居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、地域密着型介護サービス費及び特例地域密着型介護サービス費の総額が法第四十三条第二項に規定する居宅介護サービス費等区分支給限度基準額に占める割合及び訪問介護に係る居宅介護サービス費がサービス費の総額に占める割合が厚生労働大臣が定める基準に該当する場合であって、かつ、市町村からの求めがあった場合には、当該指定居宅介護支援事業所の居宅サービス計画の利用の妥当性を検討し、当該居宅サービス計画に訪問介護が必要な理由等を記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならない。
十九 介護支援専門員は、利用者が訪問看護、通所リハビリテーション等の医療サービスの利用を希望している場合その他必要な場合には、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めなければならない。
十九の二 前号の場合において、介護支援専門員は、居宅サービス計画を作成した際には、当該居宅サービス計画を主治の医師等に交付しなければならない。
二十 介護支援専門員は、居宅サービス計画に訪問看護、通所リハビリテーション等の医療サービスを位置付ける場合にあっては、当該医療サービスに係る主治の医師等の指示がある場合に限りこれを行うものとし、医療サービス以外の指定居宅サービス等を位置付ける場合にあっては、当該指定居宅サービス等に係る主治の医師等の医学的観点からの留意事項が示されているときは、当該留意点を尊重してこれを行うものとする。
二十一 介護支援専門員は、居宅サービス計画に短期入所生活介護又は短期入所療養介護を位置付ける場合にあっては、利用者の居宅における自立した日常生活の維持に十分に留意するものとし、利用者の心身の状況等を勘案して特に必要と認められる場合を除き、短期入所生活介護及び短期入所療養介護を利用する日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。
二十二 介護支援専門員は、居宅サービス計画に福祉用具貸与を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該計画に福祉用具貸与が必要な理由を記載するとともに、必要に応じて随時サービス担当者会議を開催し、継続して福祉用具貸与を受ける必要性について検証をした上で、継続して福祉用具貸与を受ける必要がある場合にはその理由を居宅サービス計画に記載しなければならない。
二十三 介護支援専門員は、居宅サービス計画に特定福祉用具販売を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該計画に特定福祉用具販売が必要な理由を記載しなければならない。
二十四 介護支援専門員は、利用者が提示する被保険者証に、法第七十三条第二項に規定する認定審査会意見又は法第三十七条第一項の規定による指定に係る居宅サービス若しくは地域密着型サービスの種類についての記載がある場合には、利用者にその趣旨(同条第一項の規定による指定に係る居宅サービス若しくは地域密着型サービスの種類については、その変更の申請ができることを含む。)を説明し、理解を得た上で、その内容に沿って居宅サービス計画を作成しなければならない。
二十五 介護支援専門員は、要介護認定を受けている利用者が要支援認定を受けた場合には、指定介護予防支援事業者と当該利用者に係る必要な情報を提供する等の連携を図るものとする。
二十六 指定居宅介護支援事業者は、法第百十五条の二十三第三項の規定に基づき、地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者から指定介護予防支援の業務の委託を受けるに当たっては、その業務量等を勘案し、当該指定居宅介護支援事業者が行う指定居宅介護支援の業務が適正に実施できるよう配慮しなければならない。
二十七 指定居宅介護支援事業者は、法第百十五条の四十八第四項の規定に基づき、同条第一項に規定する会議から、同条第二項の検討を行うための資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力の求めがあった場合には、これに協力するよう努めなければならない。

カリスマくん
カリスマくん

通所リハビリテーション(デイケア)や訪問看護は医療サービスなので、必ず主治医の意見を求めなければならないよ。そのときは利用者の同意を得て行うことになってるよ。

主任介護支援専門員

主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)になるには、ケアマネジャーとしての実務経験5年以上(または認定ケアマネジャー取得等の場合は3年以上)を満たした上で、各都道府県等が実施する「主任介護支援専門員研修」を修了する必要があります。

過去問

第23回 問題20

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第13条の具体的取扱方針のうち介護支援専門員に係るものとして正しいものはどれか。3つ選べ。
1 要介護認定を受けている利用者が要支援認定を受けたときは、指定介護予防支援事業者と当該利用者に係る必要な情報を提供する等の連携を図るものとする。
2 被保険者証に認定審査会意見の記載があるときは、利用者の理解を得た上で、その内容に沿って居宅サービス計画を作成しなければならない。
3 継続して居宅サービス計画に福祉用具貸与を位置付けるときは、貸与が必要な理由を記載しなくてもよい。
4 居宅サービス計画に地域ケア会議で定めた回数以上の訪問介護を位置付けるときは、それが必要な理由を居宅サービス計画に記載しなければならない。
5 利用者が通所リハビリテーションの利用を希望しているときは、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めなければならない。

指定居宅介護支援等の運営基準 第13条(具体的取扱方針)については、介護支援専門員が行う業務についての一連のルールが規定されています。この条文は、アセスメントから計画作成、モニタリング、他機関との連携まで、実務に直結する内容が規定されているため、試験でも頻出で重要なポイントとされています。

1 要介護認定を受けている利用者が要支援認定を受けたときは、指定介護予防支援事業者と当該利用者に係る必要な情報を提供する等の連携を図るものとする。
これは正解。要介護から要支援になった場合、居宅介護支援事業所の介護支援専門員から地域包括支援センター等へ引き継ぐことになります。その際、スムーズにサービスを継続させるため「当該利用者に係る必要な情報を提供する等の連携を図るものとする」ことが明記されています。

2 被保険者証に認定審査会意見の記載があるときは、利用者の理解を得た上で、その内容に沿って居宅サービス計画を作成しなければならない。
これは正解。介護認定審査会が「サービスの種類の指定」や「利用上の留意点」などの意見を付している場合、利用者の確認と同意を得た上で、その意見に沿ったケアプランを策定しなければなりません。これは、審査会における専門機関の判断を尊重し、適正な給付を行うための規定となっています。

3 継続して居宅サービス計画に福祉用具貸与を位置付けるときは、貸与が必要な理由を記載しなくてもよい。
これは誤り。居宅サービス計画に福祉用具貸与を位置付けるときは必ず貸与が必要な理由を計画に記載することが求められています。「継続だから記載しなくて良い」というのは明らかに誤りで、必要性の根拠を明確にすることが求められています。

4 居宅サービス計画に地域ケア会議で定めた回数以上の訪問介護を位置付けるときは、それが必要な理由を居宅サービス計画に記載しなければならない。
これは誤り。「地域ケア会議で定めた回数」ではなく、正しくは「厚生労働大臣が定める回数」です。また、この定められた回数を超える場合には、理由を記載し市町村への届出が必要となります。なお、理由を居宅サービス計画に記載すること自体は正しく、誤りは「地域ケア会議」という部分のみです。

5 利用者が通所リハビリテーションの利用を希望しているときは、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めなければならない。
これは正解。通所リハビリテーション(デイケア)や訪問看護は医療サービスに該当するため、必ず主治医の意見を求めなければなりません。また、その際は利用者の同意を得て行うこととされています。

第23回 問題24

特別養護老人ホーム入所中のAさん(98歳、女性)は、食事摂取量が激減し、全身衰弱が進行している。発語も困難で、意思疎通も難しい。嘱託医の判断では、Aさんはターミナル期の状態であるとのことであった。Aさん及びその家族の入所時の意思は、「最期まで施設で暮らしたい」とのことであった。この場合の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 看護職員が作成した看取り介護計画があるため、施設サービス計画は作成しない。
2 Aさんと家族の意向は明らかなので、改めて面接をせずに、介護支援専門員が単独でターミナル期の施設サービス計画を作成する。
3 看取りに対する家族の意思を確認するため、介護支援専門員がAさんの家族、嘱託医、生活相談員等との面談の日程調整を行う。
4 Aさんの意思を尊重し、最期まで介護職員が単独で看取りの介護を行った場合は、看取り介護加算を算定できる。
5 終末期の身体症状の変化や介護の状況等を記録し、医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員等による情報の共有に努める。

介護保険施設(特別養護老人ホーム)における看取り(ターミナルケア)に関する事例問題で、昨今、超高齢社会において施設における看取りの役割は重要な課題になっています。施設に所属する介護支援専門員は、看取り期において、施設サービス計画の作成・多職種連携・看取り介護加算の要件など、看取りに際して行うべき実務的な知識が問われます。

1 看護職員が作成した看取り介護計画があるため、施設サービス計画は作成しない。
これは誤り。看護師が作成する看取り介護計画がある場合でも、施設サービス計画を作成しなければなりません。介護支援専門員は、生活全般を支える総合的な計画を作成し、各専門職が連携して看取りが進められるような体制を整える必要があります。

2 Aさんと家族の意向は明らかなので、改めて面接をせずに、介護支援専門員が単独でターミナル期の施設サービス計画を作成する。
これは誤り。ターミナル期において介護支援専門員が単独で判断し、施設サービス計画を作ることは不適切といえます。またこの事例においては「食事摂取量が激減し、全身衰弱が進行している」と変化が認められているため、介護支援専門員は改めてサービス担当者会議を開催するなどして、本人と家族の意向の確認や、医師、看護職員等の多職種と協議した上で施設サービス計画を作成する必要があります。

3 看取りに対する家族の意思を確認するため、介護支援専門員がAさんの家族、嘱託医、生活相談員等との面談の日程調整を行う。
これは正解。ターミナル期へ移行する際に、家族や医師、生活相談員等が話合う場を設けることは介護支援専門員として正しい判断です。あらかじめ看取りの相談ができていたとしても、事例のような急激な悪化の局面では、家族の気持ちや心理状態が変化する場合もあります。改めて家族の意向を確認し、多職種による合意形成を図ることが重要です。

4 Aさんの意思を尊重し、最期まで介護職員が単独で看取りの介護を行った場合は、看取り介護加算を算定できる。
これは誤り。看取り介護加算を算定するには、医師・看護職員・介護職員・介護支援専門員等の多職種が連携して看取りを行うことが要件です。介護職員が単独で行った場合は算定の対象にはなりません。また、本人または家族等の同意のもとターミナルについての計画を策定することも算定条件に含まれています。

5 終末期の身体症状の変化や介護の状況等を記録し、医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員等による情報の共有に努める。
これは正解。看取りにおいては、終末期の身体状況の変化や介護の状況等を詳細に記録し、医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員等が情報を共有し連携することが非常に大切です。情報の共有は加算の算定要件にも含まれ、利用者の尊厳ある最期を支えるという基本的な姿勢が必要です。

第23回 問題25

Aさん(80歳、女性、要介護2)は、長女(51歳)、長女の夫(50歳)、孫(17歳、女性、高校生)と同居しており、通所介護を週3回利用している。長女及び長女の夫はフルタイムで働いており、平日は孫が介護を担っている。長女から、「最近娘の学校の成績が下がってきたが、介護が負担なのではないか」との相談を受けた。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 長女に対し、仕事を辞めて介護や家事に専念すべきであると説得する。
2 家族と介護支援専門員で、家事や介護の家庭内での分担及び介護サービス利用の見直しについて話し合う場を設ける。
3 長女及び長女の夫に勤務先の介護に関する支援制度を確認するよう依頼する。
4 孫のため、直ちにAさんの短期入所生活介護の手配をする。
5 孫の話を傾聴し、必要に応じて若年介護者(ヤングケアラー)としての悩みを持つ者同士の懇談会などに関する情報を提供する。

現代の大きな社会問題である「ヤングケアラー(若年介護者)」への支援をテーマにした事例問題で、高校生の孫が祖母の介護を担い、学業に支障が出ているという状況に対し、介護支援専門員が家族全体のバランスをどのように調整すべきかが問われています。利用者本人だけでなく、家族・特にヤングケアラーへの配慮や、介護負担軽減のための多角的なアプローチが実務では求められます。

1 長女に対し、仕事を辞めて介護や家事に専念すべきであると説得する。
これは誤り。長女に対し仕事を辞めて介護に専念するよう促すことは不適切な対応です。介護支援専門員は仕事と介護を両立(ワークライフバランス)するための支援を行う必要があり、家族に介護を理由に離職を求めてはいけません。

2 家族と介護支援専門員で、家事や介護の家庭内での分担及び介護サービス利用の見直しについて話し合う場を設ける。
これは正解。孫の負担軽減のため、家族全員との話し合いの場を設けることは、介護支援専門員として適切な対応です。また、家族の負担だけでなく週3回の通所介護が適切かどうか、ショートステイの検討など居宅サービス計画の見直しが必要です。特にこのような事例では、利用者のみでなく家族全体を支援の対象ととらえる視点が重要です。

3 長女及び長女の夫に勤務先の介護に関する支援制度を確認するよう依頼する。
これは正解。長女とその夫がフルタイムで働いているため、勤務先で介護休業制度や介護休暇、短時間勤務制度などの法律に基づく支援制度が受けられる場合があります。それらを利用することで、家族が介護に充てる時間を確保することができ、介護負担の軽減につながる可能性があります。

4 孫のため、直ちにAさんの短期入所生活介護の手配をする。
これは誤り。この事例において介護負担の軽減として、短期入所生活介護(ショートステイ)の利用を検討すること自体は適切ですが「直ちに手配する」という介護支援専門員の判断は適切とはいえません。緊急やむを得ない場合を除きき、十分な話し合いやアセスメントを行わずに利用することは利用者自身のためにも避けるべき判断です。まずは家族との相談の機会を設け話合うことが大切です。

5 孫の話を傾聴し、必要に応じて若年介護者(ヤングケアラー)としての悩みを持つ者同士の懇談会などに関する情報を提供する。
これは正解。ヤングケアラー本人は介護負担について自覚していないことが多く、この事例においても孫が介護の負担を背負い困っていると言い出せない環境にあると推測されます。介護支援専門員は、孫自身の声に傾聴し心理的なサポートや社会的なつながりを作ることが若年層の支援においては必要です。長女(保護者)の理解と協力を得た上で、選択肢のように同じ悩みを持つ者同士の懇談会等の提案は適切です。

第24回 問題10

介護支援専門員について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 その業務を行うに当たり、関係者から請求があったときは、介護支援専門員証を提示しなければならない。
2 他の都道府県へ登録を移転する場合には、移転先の都道府県知事が実施する介護支援専門員実務研修を受講しなければならない。
3 介護支援専門員証の有効期間は、5年である。
4 その業務のために正当な理由がある場合に限り、その名義を他人に使用させることができる。
5 介護支援専門員であった者は、退職後においても、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。

介護支援専門職として働くための資格の維持や秘密保持の義務、名義貸しの禁止など、プロフェッショナルとしての倫理と法的な知識が問われます。試験では毎年のように出題されるため、絶対に落とせない得点源のセクションです。

1 その業務を行うに当たり、関係者から請求があったときは、介護支援専門員証を提示しなければならない。
これは正解。介護支援専門員はその業務を行うに当たり、関係者から提示を求められた場合は、介護支援専門員証を提示する義務があります。これは身分を証明し、信頼を得るための法的な義務であるため、常に携帯しておく必要があります。

2 他の都道府県へ登録を移転する場合には、移転先の都道府県知事が実施する介護支援専門員実務研修を受講しなければならない。
これは誤り。転居等により移転する際は、改めて実務研修等を受ける必要はありません。現在の登録地を経由して移転先に申請する方法で、新たな介護支援専門員証が交付されます。

3 介護支援専門員証の有効期間は、5年である。
これは正解。介護支援専門員証の有効期間は5年と定められています(介護保険法第69条の7第3項)。更新を行う場合は、有効期間内に都道府県知事が指定する更新研修を受講する必要があります。

4 その業務のために正当な理由がある場合に限り、その名義を他人に使用させることができる。
これは誤り。名義を他人に使用させる行為は、いかなる理由があっても認められません。違反した場合は登録の取消し処分の対象となります(介護保険法第69条の35)。

5 介護支援専門員であった者は、退職後においても、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。
これは正解。介護支援専門員は、本人のみでなく家族の情報も扱うことがあるため、厳重な守秘義務があり、業務上知り得た個人の秘密を漏らすことは法律で禁じられています(介護保険法第69条の34)。また、その効力は退職後や資格喪失後も継続し、試験ではよく問われるポイントです。

第24回 問題23

生活保護世帯のAさん(78歳、要介護3)は、夫(84歳、要支援2)との二人暮らしである。Aさんは日常的に居宅サービスを利用しているが、夫自身は介護保険のサービスの利用を望んでいない。Aさんから電話があり、「自宅での生活が厳しくなってきたので、二人で施設に入所したいのですが、福祉事務所のケースワーカーからは夫の介護度では二人一緒の入所はできないと言われてしまいました。どうしたらいいでしょうか」との相談があった。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 福祉事務所のケースワーカーに発言の意図を確認する。
2 直ちにAさんへの居宅サービスの追加を調整する。
3 Aさんとの面談日を調整する。
4 地域包括支援センターに、夫がサービスを利用するように説得を依頼する。
5 Aさんが利用している居宅サービス事業所に連絡し、最近のAさんの様子等に関する情報を収集する。

生活保護受給世帯における夫婦の施設入所をめぐる相談対応を問う事例問題です。要介護3の妻と要支援2の夫という身体状況の差、さらに福祉事務所(ケースワーカー)との連携が必要となる事例です。相談を受けた介護支援専門員の対応として、他者の発言を鵜呑みにせず、まずは自ら事実確認とアセスメントを行う基本姿勢が試されています。

1 福祉事務所のケースワーカーに発言の意図を確認する。
これは正解。Aさんからの「夫の介護度では二人一緒の入所はできないと言われてしまいました」という情報は、実際のケースワーカーがどのような説明をしたのかを確認する必要があります。Aさんからの話のみを聞いて、すぐに対策を考えることはこの事例では不適切です。優先順位として、まずはケースワーカーに連絡し、どのような意図があったのかを確認すべきです。

2 直ちにAさんへの居宅サービスの追加を調整する。
これは誤り。Aさんは現段階では「自宅での生活が厳しくなった」と限界を感じていますが、「直ちに」サービスの追加を行うことは不適切です。サービスの追加を行う前に、本人の意向や状況の把握(アセスメント)を行う必要があります。また、Aさんは生活保護受給者であり、サービスの追加や変更には福祉事務所(ケースワーカー)の承認(介護券の発行)が必要になるため、ケアマネが独断で「直ちに」調整することは手続き上も不適切です。

3 Aさんとの面談日を調整する。
これは正解。電話での相談に対し、後日、改めて面談の機会を作ることは非常に有効な手段であり、事例のような場面では適切です。まずは面談日を設定した後、ケースワーカーから情報提供を受け、Aさん夫婦の真のニーズは何かをアセスメントすることが大切です。

4 地域包括支援センターに、夫がサービスを利用するように説得を依頼する。
これは誤り。介護保険のサービスを望んでいない夫に対して、関係機関に「説得」を依頼することは自立支援や自己決定を尊重する上でも不適切です。まずは本人や夫の意向を確認することが重要であり、何が阻害要因になっているのか、その環境や背景を利用者の立場で考える姿勢が求められます。

5 Aさんが利用している居宅サービス事業所に連絡し、最近のAさんの様子等に関する情報を収集する。
これは正解。Aさんの「自宅での生活が厳しくなってきた」という相談に対して、現在利用している居宅サービス(ヘルパーなど)の担当者に、最近のAさんの状況を聞くことは適切な方法です。電話相談の内容と合わせて多角的に情報収集することで、より正確なアセスメントが可能になります。

第24回 問題24

要介護1の認定を受けた一人暮らしのAさん(80歳、女性)から依頼を受け、アセスメントのために訪問した。Aさんの希望は、区分支給限度基準額の範囲内で、気の合う友人が利用するBデイサービスに一緒に通うこと、及び、腰や膝の痛みで掃除や買い物などが面倒になってきたのでなるべく多く訪問介護を使うことであり、アセスメントは必要ないと拒絶されてしまった。自立支援・重度化防止の観点に立った介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 十分なアセスメントなしではケアプランを作成できないので、ケアプランの依頼を断る。
2 Aさんの希望どおり、Bデイサービスを利用する目標を「友人と楽しく過ごすことができる」として、ケアプランを作成する。
3 Bデイサービスの体験利用を提案するなど、アセスメントが行えるようAさんとの関係性の構築に努める。
4 腰や膝の痛みについて主治の医師と相談して適切な対応を検討しようとAさんに提案する。
5 区分支給限度基準額の上限までのサービス利用が保険者に認められるよう、理由を一緒に考えたいとAさんに伝える。

この事例は、アセスメントを拒絶する利用者に対して「自立支援」と「重度化防止」をテーマにした問題です。利用者の希望をどのようにとらえ、信頼関係を構築するのか。また専門職としての役割(課題分析や重度化防止)との葛藤が描かれています。単に「本人の言う通りにする」のが正解ではなく、いかに信頼関係を築き、医学的・専門的な視点を取り入れるかという実務能力が問われています。

1 十分なアセスメントなしではケアプランを作成できないので、ケアプランの依頼を断る。
これは誤り。アセスメントを拒否されたことで、すぐにケアプランの依頼を断ることは不適切です。アセスメントはケアプランを作成する上で重要な業務ですが、依頼自体を断ることは利用者の支援を放棄することになります。介護支援専門員の対応としては、アセスメントができるように粘り強く関係構築に努めることが大切です。

2 Aさんの希望どおり、Bデイサービスを利用する目標を「友人と楽しく過ごすことができる」として、ケアプランを作成する。
これは誤り。「友人と楽しく過ごす」というAさんの希望を尊重することは大切ですが、アセスメントを行わずにケアプランを作成することは運営基準違反に該当します。また、Aさんの希望をそのまま受け入れ対応することは、自立支援や重度化防止の観点から専門職としての役割を果たしていません。腰や膝の痛みがどのような状態であるのか、医学的観点からも検討が必要です。

3 Bデイサービスの体験利用を提案するなど、アセスメントが行えるようAさんとの関係性の構築に努める。
これは正解。Bデイサービスの体験利用というAさんの希望に寄り添った提案は、Aさんとの信頼関係を築くためのチャンスとなり非常に適切です。また、体験利用の前後でアセスメントが行える機会が生じ、より自然な状態で情報収集が可能です。アセスメントは一度で完結するものではなく、信頼関係を築きながら継続的に行うことが重要です。

4 腰や膝の痛みについて主治の医師と相談して適切な対応を検討しようとAさんに提案する。
これは正解。Aさんの腰や膝の痛みで生活動作に支障をきたしていることに対して、医師に相談して医学的な観点から指示を得ることは、Aさんの重度化の防止に対して適切です。また、腰や膝の身体的な苦痛を緩和することでADLが改善する可能性があります。自立支援の観点からも非常に適切です。

5 区分支給限度基準額の上限までのサービス利用が保険者に認められるよう、理由を一緒に考えたいとAさんに伝える。
これは誤り。区分支給限度基準額の上限ありきでサービス利用を考えることは、自立支援や重度化防止の理念に反し不適切です。介護支援専門員の役割は、限度額いっぱいまでサービスを利用できるようにするのではなく、アセスメントに基づいた「真に必要なサービス」をケアプランに組み入れることが重要です。

第24回 問題25

夫(75歳)と二人暮らしのAさん(72歳、要介護4、パーキンソン病)について、最近、夫が「妻は他人が来ると具合が悪いふりをする」と話しており、夫による介護の仕方が乱暴になってきているようで心配だとの報告が訪問介護事業所からあった。この場合の介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 改めてAさんの状態についてアセスメントを行う。
2 訪問診療を行う医師に、夫に対してAさんの病状についてより詳しく説明するように依頼する。
3 市町村に虐待案件として通報する。
4 夫の介護負担について具体的に夫から話を聞く。
5 夫が自宅で介護を続けるのは難しいので、Aさんに施設入所を勧める。

パーキンソン病は65歳以上の高齢者に多く、特定疾病にも含まれる疾患です。特有の症状として日内変動があり、夫が正しく理解出来ておらず、介護負担から不適切なかかわりが生じている事例です。介護支援専門員は虐待防止の法的義務を果たしつつ、家族の孤立や知識不足を解消するための多角的なアプローチが求められます。

1 改めてAさんの状態についてアセスメントを行う。
これは正解。まずは、Aさんの健康状態が悪化しているのではないかと再アセスメントを行うのは適切です。Aさんはパーキンソン病により日内変動があるため、時間によって体調が変わり「妻は他人が来ると具合が悪いふりをする」と誤解している夫の話の真意を確認する必要があります。同時に、訪問介護の担当者から詳しく情報提供を受けることも、再アセスメントとしては有効なアプローチです。

2 訪問診療を行う医師に、夫に対してAさんの病状についてより詳しく説明するように依頼する。
これは正解。 夫が「妻は他人が来ると具合が悪いふりをする」と発言していることは、パーキンソン病の症状への理解不足が原因である可能性があります。医師から病状の詳しい説明を受けることで夫の誤解が解け、乱暴な態度の改善につながる可能性があります。医療職との連携による介護者支援として非常に適切です。

3 市町村に虐待案件として通報する。
これは誤り。「夫の介護の仕方が乱暴になってきているようだ」との報告を受けたことで、すぐに虐待案件と決めつけ通報することは不適切です。介護支援専門員は、高齢者虐待防止法に基づき、虐待の疑いがある場合は速やかに市町村等へ通報(届出)する義務がありますが、虐待と断定できる十分な情報がまだ得られていない段階での対応としては不適切です。ただし、今後のアセスメントにより虐待が疑われる状況が確認された場合は、速やかに市町村へ通報する義務があることを忘れてはいけません。

4 夫の介護負担について具体的に夫から話を聞く。
これは正解。介護の仕方が乱暴になってきている背景には、夫自身の介護疲れや精神的限界、情報不足などがある可能性があります。夫の訴えを否定せずに傾聴し、何に困り、どのような負担を感じているのかを具体的に聞き取ることは、虐待の根本原因を解決し、家族関係を修復するために適切です。利用者本人だけでなく、家族の介護負担を軽減することも、介護支援専門員に求められる重要な視点です。

5 夫が自宅で介護を続けるのは難しいので、Aさんに施設入所を勧める。
これは誤り。事例の状況から、Aさんの在宅生活が困難であると判断するのは時期尚早です。まずはアセスメントを行い、家族の介護負担やサービス利用状況を把握したうえで、在宅生活の継続の可能性を検討する必要があります。また、本人の意向を尊重せずに施設入所を前提とした支援を行うことは不適切です。

第25回 問題6

介護支援専門員について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 登録を受けている者が死亡した場合には、その相続人はその旨を届け出なければならない。
2 登録の申請の10年前に居宅サービスにおいて不正な行為をした者は、登録を受けることができない。
3 都道府県知事は、信用を傷つけるような行為をした介護支援専門員の登録を消除することができる。
4 介護支援専門員証の交付を受けていなくても、業務に従事することができる。
5 更新研修を受けた者は、介護支援専門員証の有効期間を更新することができる。

介護支援専門員の登録・資格管理に関する法令知識を問う問題で、登録の届出義務・欠格事由・登録消除・介護支援専門員証の交付と有効期間の更新など、資格制度の基本ルールについて正確な条文の知識が求められます。

1 登録を受けている者が死亡した場合には、その相続人はその旨を届け出なければならない。
これは正解。登録者が死亡した場合、相続人が都道府県知事に届け出る義務があります。なお、資格は死亡の時点で当然に消滅するものであり、届出はその事実を行政に知らせるためのものです。また、死亡以外にも、失踪宣告、欠格事由該当などの場合にも届出義務が生じることは頻出ポイントなので確実に覚えましょう。

2 登録の申請の10年前に居宅サービスにおいて不正な行為をした者は、登録を受けることができない。
これは誤り。登録の申請前における「不正な行為」による欠格期間は、原則として「5年間」と定められています(介護保険法第69条の2)。10年前に不正行為をした者は、登録を受けることが可能です。

3 都道府県知事は、信用を傷つけるような行為をした介護支援専門員の登録を消除することができる。
これは正解。介護支援専門員が、信用を傷つけるような行為をした場合、都道府県知事はその者の登録を消除することができます。これは専門職としての高い倫理観が求められるため、重大な不祥事に対しては厳しい処分が下されます。

4 介護支援専門員証の交付を受けていなくても、業務に従事することができる。
これは誤り。介護支援専門員として業務に従事するためには、都道府県において登録を受けるだけでなく、介護支援専門員証の交付を受けていることが必須です。登録と専門員証の交付をセットで覚えましょう。

5 更新研修を受けた者は、介護支援専門員証の有効期間を更新することができる。
これは正解。介護支援専門員証には5年の有効期間がありますが、期間内に都道府県知事が指定する「更新研修」を修了することで、有効期間を更新することができます。更新を怠ると専門員証が失効し、業務ができなくなる点も重要です。

第25回 問題19

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第13条の具体的取扱方針のうち、介護支援専門員に係るものとして正しいものはどれか。3つ選べ。
1 利用者の心身又は家族の状況等に応じ、継続的かつ計画的に指定居宅サービス等の利用が行われるようにしなければならない。
2 その地域における指定居宅サービス事業者等に関するサービスの内容、利用料等の情報を適正に利用者又はその家族に対して提供するものとする。
3 居宅サービス計画の原案の内容について利用者やその家族に対して説明し、口頭で利用者の同意を得るものとする。
4 作成した居宅サービス計画は、利用者から求めがなければ、利用者に交付しなくてもよい。
5 介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする。

1 利用者の心身又は家族の状況等に応じ、継続的かつ計画的に指定居宅サービス等の利用が行われるようにしなければならない。
これは正解。居宅介護支援の基本原則として、利用者の状況変化に対応しながら継続的かつ計画的にサービスを提供することが義務づけられています(運営基準 第13条第3号)。これはすぐ目の前の問題を解決するだけでなく、中長期的な視点をもって支援を行うことが明記されています。また、常に利用者の全体像を把握した上で計画的に支援することが介護支援専門員の基本的責務です。

2 その地域における指定居宅サービス事業者等に関するサービスの内容、利用料等の情報を適正に利用者又はその家族に対して提供するものとする。
これは正解。介護支援専門員は、利用者や家族が適切にサービスを選択できるよう、地域で利用するサービスの情報を公正中立な立場で提供する義務があります。特定の事業者に誘導するような行為は禁止されており、利用者の自由選択と意思決定支援が求められます。

3 居宅サービス計画の原案の内容について利用者やその家族に対して説明し、口頭で利用者の同意を得るものとする。
これは誤り。居宅サービス計画の原案を作成した場合、利用者や家族に内容を説明し、必ず「文書」による同意を得る必要があります(第13条第10号)。口頭での説明では、同意したかどうかの証拠が残らず、後のトラブルの原因になりかねません。

4 作成した居宅サービス計画は、利用者から求めがなければ、利用者に交付しなくてもよい。
これは誤り。作成した居宅サービス計画は、利用者からの請求の有無にかかわらず、必ず利用者及びサービス担当者に交付しなければなりません(第13条第11号)。居宅サービス計画は、利用者にとっては生活の指針となる重要な書類のため「求めがなければ交付しなくても良い」という任意的なものではありません。必ず説明を行い交付する必要があります。

5 介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする。
これは正解。介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする(第13条第18号)。これは、退院・退所に先立って(在宅復帰前の段階から)居宅サービス計画の作成援助を開始することが義務づけられています。また「あらかじめ」という点が重要で、退院後ではなく退院前からの準備支援が求められます。

第25回 問題23

Aさん(58歳 男性)は、会社の管理職をしていたが、仕事中に突然怒り出すことが多くなり、受診の結果、若年性認知症と診断された。Aさんは、まだ働けるという認識はあったが、退職せざるを得なくなった。夫婦二人暮らしで、妻(55歳)はパートで働いている。Aさんは要介護1の認定を受け、通所介護を週2回利用することとなった。サービス利用開始1か月後に介護支援専門員がAさん夫婦と面談したところ、Aさんは、高齢者ばかりの環境に馴染めないことと、妻のために我慢して通っていることが分かった。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 妻からAさんに我慢して通所介護に通うよう説得してもらう。
2 通所介護の場でAさんが役割を実感できるように、通所介護事業所に通所介護計画を再検討してもらう。
3 地域の中でAさんが参加したいと思うような活動や場所を探す。
4 通所介護の利用をやめて、Aさんが一人で自宅で過ごすことを夫婦に勧める。
5 若年性認知症に対応する社会資源開発を地域ケア会議で提案する。

若年性認知症の利用者に対するサービス提供や社会資源の課題などが問われた事例で、個別事例を通して地域の課題を発見し、どのように解決してゆくかを取り上げた問題です。地域ケア会議の役割を理解し、困惑する利用者に対してどのような社会資源を開発すれば良いか、本人の意向・尊厳を尊重しながら介護支援専門員がとるべき適切な対応が問われています。

1 妻からAさんに我慢して通所介護に通うよう説得してもらう。
これは誤り。Aさんは「妻のために我慢している」という精神的に辛い状態であり、さらに我慢させることはAさんの立場に立った支援ではなく不適切です。また、妻からの説得は、症状の悪化や家族関係への悪影響につながる行為です。Aさんが前向きになれるような方法を家族も含めて検討する必要があります。

2 通所介護の場でAさんが役割を実感できるように、通所介護事業所に通所介護計画を再検討してもらう。
これは正解。Aさんは、まだ働けるという認識があり、会社での管理職の経歴や能力を活かし、現在利用している通所介護でも役割を実感できるように介護計画を再検討してもらうのは適切です。Aさんが役割や生きがいを感じることができれば、意欲向上や環境に馴染めるようになる可能性が高まります。

3 地域の中でAさんが参加したいと思うような活動や場所を探す。
これは正解。高齢者サービスのみではなく、若年性認知症の方でも参加しやすい認知症カフェや就労支援事業所、ボランティア活動など、Aさんが行きたいと感じられるような場所を探すことも有効です。介護支援専門員はフォーマルサービスだけでなく、インフォーマルサービスについても日頃から情報収集を行い、積極的にケアプランに位置付けるように心がける必要があります。

4 通所介護の利用をやめて、Aさんが一人で自宅で過ごすことを夫婦に勧める。
これは誤り。通所介護が合わないから利用をやめることは、Aさんが自宅で過ごす時間が増えることになり、社会的孤立や認知症の進行、妻の介護負担増加などのリスクを高めるため不適切です。また、この選択肢の誤りは前述の孤立リスクだけでなく、本人の意向の確認をせず通所介護の中止を勧める点が問題です。Aさんは「我慢している」とは言っていますが、通所介護の中止を希望しているわけではなく、自己決定を尊重していない点でも不適切です。

5 若年性認知症に対応する社会資源開発を地域ケア会議で提案する。
これは正解。若年性認知症に対応したサービスや社会資源は全国的に不足しています。地域ケア会議においてAさんの事例を取り上げ、地域の社会資源の開発を提案することは介護支援専門員にとって重要な役割で、個別課題を地域課題へ転換する地域ケア会議の機能に基づく対応です。

第25回 問題24

Aさん(80歳、女性、要介護2)は、長女(50歳、障害支援区分3)との二人暮らしである。Aさんは、変形性股関節症の悪化に伴い、自宅の浴槽で入浴することが難しくなり、通所介護での入浴を希望している。しかし、長女はAさんの姿が見えなくなると不穏になるので、「長女を一人にするのが不安だ」とAさんから介護支援専門員に相談があった。この時点における介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 Aさんと長女の同意を得て、長女を担当する相談支援専門員に現状を伝える。
2 浴室の改修のため、直ちに施工業者を訪問させる。
3 Aさんと長女が一緒に通所利用できる共生型サービス事業所の情報を収集する。
4 Aさんがすぐに入所できる特別養護老人ホームを探す。
5 Aさんの変形性股関節症の症状の改善の可能性について、本人の同意を得て主治医に意見を求める。

この事例は高齢で要介護の母親と、障害を持つ長女が互いに依存し合って同居している状況で、一方のサービス利用が他方に与える影響を考慮しなければならないといった困難事例にあたります。特にこの事例のような介護保険制度と障害福祉制度の「制度の壁」を越えた連携や、共生型サービスの利用といった介護保険以外の法制度との関連性も理解しておく必要があります。

1 Aさんと長女の同意を得て、長女を担当する相談支援専門員に現状を伝える。
これは正解。Aさんの長女は障害支援区分3を受けており、障害福祉サービスを利用している可能性があります。Aさんへのサービス提供が長女の精神状態に影響を及ぼすため、長女の担当である相談支援専門員と情報を共有することは家族全体を支える視点として適切です。また、個人情報保護の観点から「同意を得て」という手順も適切で重要なポイントです。

2 浴室の改修のため、直ちに施工業者を訪問させる。
これは誤り。「直ちに施工業者を訪問させる」という対応は、アセスメントやケアプランの見直し手順を無視した強引なもので不適切です。現時点でAさんは通所介護での入浴を希望しており、浴室の住宅改修を希望されているわけではありません。

3 Aさんと長女が一緒に通所利用できる共生型サービス事業所の情報を収集する。
これは正解。共生型サービスは介護保険と障害福祉のサービスを同一事業所で提供できる仕組みです。Aさんと長女が同じ通所介護事業所を利用できれば、長女の不安が緩和され、同時にAさんの入浴も可能になるため、共生型サービス事業所を探すことは両者のニーズに応える適切な対応です。

4 Aさんがすぐに入所できる特別養護老人ホームを探す。
これは誤り。Aさんは特別養護老人ホームへの入所を希望しているわけではないので不適切です。またAさんは要介護2の認定を受けており、特別養護老人ホームの入所要件である「要介護3以上」という知識が伴っていません。また、Aさんが入所すると長女が一人で生活しなければならず重大な問題を引き起こします。安易に施設入所を検討するのは不適切です。

5 Aさんの変形性股関節症の症状の改善の可能性について、本人の同意を得て主治医に意見を求める。
これは正解。Aさんの入浴困難の主な原因は「変形性股関節症」の悪化です。本人の同意を得た上で主治医に意見を求めることは、医学的観点から入浴方法や生活上の留意点、サービス利用の可否等について助言を得るために重要であり適切です。

第25回 問題25

一人暮らしのAさん(84歳、男性、要介護1)は、訪問介護を週1回利用している。認知症と診断されており、片付けができなくなったことに加え、先日は外出先で道に迷って警察に保護された。遠方に住む妹からは、「迷惑をかけるようなら施設に入るよう説得してほしい」との要望があった。Aさんは、「このまま家で気楽に暮らし続けたいが、銀行手続等の金銭管理が不安なので、介護支援専門員に管理をお願いしたい」と話している。この時点における介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 Aさんとの信頼関係を大切にするため、金銭管理を引き受ける。
2 Aさんと妹の同意を得て、民生委員にAさんの最近の状況を説明し、見守りに関する対応を相談する。
3 Aさんに日常生活自立支援事業についての情報提供を行う。
4 妹の要望に応え、施設サービスの利用手続を始める。
5 Aさんの認知症の状態や生活状況についての再アセスメントを行う。

地域で暮らす一人暮らしの認知症対象者の事例で、片付けができなくなったことに加え、外出先で道に迷って警察に保護されたエピソードがあります。「迷惑をかける様であれば施設入所を勧めてほしい」と遠方の妹から相談があり、このような状況において介護支援専門員の判断が問われています。ケアマネジメントの基本的な原則は、たとえどのような状況にあっても利用者の意思を尊重し、住み慣れた地域で長く暮らせるような支援を行うことが大切です。

1 Aさんとの信頼関係を大切にするため、金銭管理を引き受ける。
これは誤り。利用者の金銭管理は権利擁護や財産管理の領域にあり、介護支援専門員が行うことは利益相反、不正リスク、責任問題など様々なリスクを伴うため不適切です。一般的には、成年後見制度や日常生活自立支援事業など、公的なサービスにつなぐのが介護支援専門員の役割です。

2 Aさんと妹の同意を得て、民生委員にAさんの最近の状況を説明し、見守りに関する対応を相談する。
これは正解。地域住民や民生委員などの協力を得るなど、インフォーマルな資源を活用した見守り体制の構築は、住み慣れた地域で暮らしていくために適切な対応です。また、情報を共有するにあたり、本人や家族の同意を得た上で進めることが非常に大切です。

3 Aさんに日常生活自立支援事業についての情報提供を行う。
これは正解。金銭管理に不安がある認知症の方には、社会福祉協議会が実施する「日常生活自立支援事業」の利用が適しています。この事業の利用には判断能力がある程度必要(契約能力が必要)という前提条件がありますが、Aさんが不安を抱えている銀行手続等について、通帳の預かりや支払代行などを安価に依頼できるため、介護支援専門員が社会資源として紹介することは適切で有効な手段です。

4 妹の要望に応え、施設サービスの利用手続を始める。
これは誤り。Aさんは「このまま家で気楽に暮らし続けたい」と話しており、遠方に住む妹から「迷惑をかけるようなら施設に入るよう説得してほしい」という要望のみを受け入れ、施設サービスの利用手続きを行うことは不適切です。たとえ認知症の診断を受けていても、利用者の意思を尊重し自己決定を促すような基本的な関わりが介護支援専門員には常に求められます。

5 Aさんの認知症の状態や生活状況についての再アセスメントを行う。
これは正解。Aさんは、片付けができなくなったことに加え、先日は外出先で道に迷って警察に保護されています。現在の様子では認知症状の悪化を示すようなエピソードが見られ、再アセスメントを行いその結果に基づいてケアプランの見直しを検討する必要があります。

第26回 問題23

Aさん(72歳、男性、要介護2、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲa)は、妻(63歳)と二人暮らしで、小規模多機能型居宅介護事業所に登録し、週2回の通いサービスと週3回の訪問サービスを利用している。Aさんは、若い頃より散歩が趣味であったが、最近、散歩に出かけると自宅に戻れなくなることが増え、警察に保護されることがあった。妻は日中就労(週5日)のため、見守ることができずに困っている。この時点における計画作成担当者である介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 徘徊感知機器の情報を収集し、Aさんと妻に情報提供を行う。
2 Aさんや妻の同意を得ないで、Aさんの立ち寄りそうな店舗などに、Aさんの写真と妻の携帯電話番号を掲示してもらう。
3 Aさんの心身の状況や自宅周辺の環境をアセスメントし、自宅に戻れなかった理由を探る。
4 通いサービスの利用日以外は外出をしないように、Aさんを説得する。
5 近隣住民等による見守り体制が取れるかどうか民生委員に相談する。

小規模多機能型居宅介護を利用中のAさんが、趣味の散歩で道に迷うようになった現状に対し、本人の楽しみを奪わずに、いかに安全を確保するかが問われた問題です。本人の意思決定の尊重や身体拘束・行動制限の禁止の原則などは認知症ケアにおける原則でもあり、フォーマルな支援のみでなくインフォーマルな支援を活用することで、地域全体で支える仕組みが求められています。

1 徘徊感知機器の情報を収集し、Aさんと妻に情報提供を行う。
これは正解。GPS機器や徘徊感知センサーなどは、身体拘束によらず安全を確保できる手段であり適切です。最新の福祉用具の情報を収集し、Aさんと妻に情報提供することで、Aさんの自由を制限することなく安全性を高めることは専門的なアプローチとして適切です。

2 Aさんや妻の同意を得ないで、Aさんの立ち寄りそうな店舗などに、Aさんの写真と妻の携帯電話番号を掲示してもらう。
これは誤り。本人や家族の同意を得ずに個人情報を提供することは、個人情報保護および自己決定の尊重の観点から不適切です。たとえ安全確保が目的であっても、本人や家族の同意を得る必要があります。

3 Aさんの心身の状況や自宅周辺の環境をアセスメントし、自宅に戻れなかった理由を探る。
これは正解。Aさんが散歩から自宅へ戻れなくなった原因について再アセスメントすることは適切です。目印の変化や体力低下など、原因を検討することで今後の対策が変わります。問題行動への対処療法ではなく根本的な原因究明が求められます。

4 通いサービスの利用日以外は外出をしないように、Aさんを説得する。
これは誤り。散歩はAさんが若い頃から続けている大切な趣味であり、外出を一律的に制限することは著しく生活の質を低下させるため不適切です。安全に配慮した代替手段を検討することが重要です。

5 近隣住民等による見守り体制が取れるかどうか民生委員に相談する。
これは正解。妻が日中就労している間、Aさんの見守りを地域で支える体制が取れるかどうかを相談することは適切です。民生委員を通じて近隣住民・商店・地域団体などと連携し、Aさんの生活を地域全体で支える体制を整えることは、地域包括ケアシステムの理念に沿った適切な対応といえます。

第26回 問題24

Aさん(80歳、女性)は、最近、閉じこもりがちになり、体力が低下してきた。同居する娘は心配になって市役所に相談し、要支援1の認定を受けた。地域包括支援センターから委託を受けて、介護支援専門員が訪問したところ、娘は「母にはいつまでも元気でいてもらいたいが特に希望するサービスはない」と言う。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 特に希望するサービスがないので、今のところ支援の必要がないと考え、しばらく様子を見るよう娘に伝える。
2 指定訪問介護の生活援助を紹介する。
3 指定認知症対応型共同生活介護を紹介する。
4 Aさんの社会参加の状況や対人関係を把握する。
5 地域ケア会議などにおいて生活機能の改善のために必要な支援を検討する。

要支援の認定を受けた利用者に対する支援に関する事例です。介護予防支援では、閉じこもりによる体力低下(フレイルの兆候)や利用者の生活機能を維持し要介護状態への悪化を防ぐための支援が必要です。また事例のように本人・家族に具体的なサービス希望がない場合も多く、介護支援専門員がいかに潜在的な課題を見つけ出し、重度化防止につなげる介護予防の視点が求められます。

1 特に希望するサービスがないので、今のところ支援の必要がないと考え、しばらく様子を見るよう娘に伝える。
これは誤り。希望するサービスがないことで支援の必要がないと判断することは不適切です。Aさんは閉じこもりがちになっており体力の低下が見られるため、今後は要支援から要介護への悪化が見込まれます。介護支援専門員として、本人が気づいていない生活課題をアセスメントし、介護予防の観点から積極的にアセスメントと支援を行う必要があります。「様子を見る」という消極的対応では、介護予防支援の役割を果たしていないと言えます。

2 指定訪問介護の生活援助を紹介する。
これは誤り。要支援1のAさんに安易に生活援助を導入することは、Aさんが今持っている力を奪い、さらなる体力低下を招く恐れがあります。また、要支援1の方への訪問介護は、介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスが基本であり、指定訪問介護の生活援助は原則対象外です。

3 指定認知症対応型共同生活介護を紹介する。
これは誤り。指定認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、要支援2から利用できるサービスで、要支援1のAさんは対象外なので不適切です。また「閉じこもりがち」であることに対してグループホームの入所を提案することは、明確な根拠がなく不適切です。制度の基本的な利用要件を正確に把握しておくことが重要です。

4 Aさんの社会参加の状況や対人関係を把握する。
これは正解。閉じこもりの原因を探すため、これまでの社会参加や友人関係を把握することは非常に重要です。Aさんが閉じこもりになった背景には、社会的孤立や対人関係など様々な要因が考えられるため、まずは適切なアセスメントを行い、Aさん本人の意向も含めて外出の機会を増やすような「介護予防計画」の検討が必要です。

5 地域ケア会議などにおいて生活機能の改善のために必要な支援を検討する。
これは正解。地域ケア会議は、個別課題の解決だけでなく、地域課題の把握や資源開発にもつながる重要な仕組みであり、多職種が連携して生活機能の改善にむけた支援を検討することが推奨されています。医療・福祉・地域の専門職が集まって個別事例を検討することで、より包括的で効果的な介護予防支援につながります。

第26回 問題25

特別養護老人ホームに入所しているAさん(80歳、女性、要介護4)は、がんの末期で余命1か月程度と医師から告げられている。Aさんは自宅で最期を迎えたいと希望している。自宅で一人暮らしをしている夫は、Aさんの希望に沿いたいと考えているが、自宅での介護や看取りに不安を抱いている。Aさんの居宅介護支援の依頼を受けた介護支援専門員がAさんや夫との面談を進めるに当たっての対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 夫が何を不安に感じているのかを聴き取る。
2 施設の嘱託医に居宅療養管理指導を依頼する。
3 夫の負担を考慮し、施設での看取りを依頼する。
4 Aさんが自宅でどのように過ごしたいのかを聴き取る。
5 Aさんの自宅がある地域で看取りに対応している診療所の情報を収集する。

がん末期の利用者の在宅看取り支援については、地域で24時間対応などの訪問診療を行う医療機関との連携が不可欠です。事例では在宅での看取りを希望している妻に対して、夫の不安に寄り添い、具体的な支援を速やかに行う調整能力が必要になります。また、どのような身体状況になっても利用者の意思や希望を尊重する姿勢が求められます。

1 夫が何を不安に感じているのかを聴き取る。
これは正解。夫はAさんの希望に沿って自宅で介護や看取りたいという意欲はあるものの「不安」を感じており、心情を丁寧に聴き取ることが最優先です。何が不安かを把握することで、必要なサービスや情報提供の方向性が定まります。介護者支援の観点からも重要な対応です。

2 施設の嘱託医に居宅療養管理指導を依頼する。
これは誤り。居宅療養管理指導は在宅で生活する利用者に対して行われるものであり、施設の嘱託医に依頼するのではなく、在宅療養を支える地域の医療機関と新たに連携する必要があります。Aさんが退所して在宅に戻った後は、自宅のある地域で在宅医療・訪問診療に対応できる医師・診療所との連携が必要となります。

3 夫の負担を考慮し、施設での看取りを依頼する。
これは誤り。夫の負担を考慮する姿勢は必要ですが、Aさんの「自宅で最期を迎えたい」という意思や希望を尊重せず、施設での看取りを勧めることは不適切です。本人の意思を最大限尊重しつつ、実現の可能性を多職種で検討する体制を築くことが重要です。

4 Aさんが自宅でどのように過ごしたいのかを聴き取る。
これは正解。「自宅で最期を迎えたい」というAさんの希望に対し、今後どのように過ごしたいのかを聴き取ることは、がん末期の利用者においては非常に重要です。残りの時間をどう生きたいかというAさんの意向を把握することで、本人中心の在宅看取り支援計画を作成する基盤が整います。

5 Aさんの自宅がある地域で看取りに対応している診療所の情報を収集する。
これは正解。在宅での看取りを実現するためには、24時間対応や訪問診療、看取りに対応している地域の医療機関との連携が必要であり適切です。余命1か月という切迫した状況の中で、早急に地域の医療資源を把握し、Aさんと夫に情報提供することは介護支援専門員が最優先で行うべき対応です。

第27回 問題24

Aさん(80歳、女性、要介護2、認知機能は低下していない)は、長男と二人暮らしで、通所介護を利用している。その通所介護事業所の職員から、入浴時にAさんの体に直径3cmくらいのあざが数か所あることを見つけ、Aさんが「長男に怒鳴られて、叩かれた」と話していたことについての相談があった。高齢者虐待防止法を踏まえた介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 一時的なものと考え、しばらく様子を見ることにする。
2 速やかに市町村に通報する。
3 直ちにAさんが長期間養護を受けるために必要となる居室を確保するための措置を決める。
4 長男がいない場で、Aさんと今後の介護サービスや対応について話をする機会を設ける。
5 長男に対し、なぜ怒鳴ったり叩いたりしたのかを厳しく問いただす。

高齢者虐待防止法に基づく虐待対応に関する事例問題で、通所介護職員が発見した「あざ」と本人の証言から、身体的・心理的虐待の疑いが極めて高い状況が描かれています。介護支援専門員は日頃から高齢者に関わる機会が多く、より身近な存在であることから虐待を発見した場合、または耳にした場合は、その状況を把握し速やかに市町村へ通報する法的義務を負っています。

1 一時的なものと考え、しばらく様子を見ることにする。
これは誤り。Aさんは体に複数のあざがあり「長男に怒鳴られて、叩かれた」と話しています。これを「一時的なもの」として放置することは絶対に許されません。また虐待行為は放置すればエスカレートする危険性があり、速やかに事実確認と公的機関への通報を行い、さらなる被害を防ぐのが介護支援専門員の法的な責務です。

2 速やかに市町村に通報する。
これは正解。高齢者虐待防止法により、養護者による虐待を発見した者には市町村への通報義務があります。介護支援専門員は福祉専門職として高齢者に関わる機会が多いため、速やかな通報義務を負っています。Aさんの証言と体にあざも確認されている以上、速やかに市町村へ通報する法的義務(努力義務ではない)が発生します。

3 直ちにAさんが長期間養護を受けるために必要となる居室を確保するための措置を決める。
これは誤り。高齢者の保護や分離措置(やむを得ない事由による措置)は市町村の権限であり、介護支援専門員が独断で決定することはできません。緊急性の判断や措置の決定はあくまで行政(市町村)の役割で、介護支援専門員は通報や情報提供、本人への支援を行い、具体的な対策などは市町村の判断に委ねる必要があります。

4 長男がいない場で、Aさんと今後の介護サービスや対応について話をする機会を設ける。
これは正解。加害者(長男)がいない場所でAさんから直接情報収集することは、本人の意向確認や安全の確保、正確な状況把握のために非常に重要です。長男の目を気にせず本音を話せる場所の確保と、支援関係の構築が重要です。

5 長男に対し、なぜ怒鳴ったり叩いたりしたのかを厳しく問いただす。
これは誤り。加害者である長男に対し厳しく問いただすことは、かえって感情を逆なでし長男のAさんへの報復や虐待がエスカレートする危険性があります。事実確認や家族への指導、行政や専門機関の役割も含めて慎重に行うべきであり、介護支援専門員が単独で行うことは不適切です。

第27回 問題25

Aさん(85歳、女性)は、長女と二人暮らしである。Aさんは自宅で転倒して腰椎を圧迫骨折し、1か月入院した。退院後、筋力低下が著しく、要支援2の認定を受けた。介護支援専門員が訪問したところ、Aさんは以前のように自分で家事や入浴をしたいと希望しているが、長女は転倒を心配してデイサービスでの入浴介助を希望していて折り合わない。自立支援・重度化防止の観点に立った介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 長女の希望だけに沿ったケアプランを作成する。
2 筋力低下の原因や回復方法等の確認のため、医師、理学療法士、管理栄養士などに相談する。
3 自宅での転倒リスクを軽減し、できるだけ自宅での自立した生活を営めるように、生活環境全般を把握する。
4 様子を見るため、あえて目標や期間を定めずに介護予防通所リハビリテーションの利用を位置付ける。
5 Aさんと長女を交えて、自立支援・重度化防止に向けた話し合いの場を設ける。

圧迫骨折で入院したAさんの退院後のケアプラン作成に関する事例で、「自分でやりたい」というAさんの自立への意欲と、長女の「転倒を心配してデイサービスを」という、両者の考え方のズレを調整する能力が求められています。ケアプランは「利用者の意思の尊重」を基本としつつ、安全性や専門的判断を踏まえて作成するものですが、事例では長女の心配する気持ちにも寄り添う必要があります。このような家族で意向が相反する場合、介護支援専門員は自立支援や重度化防止の専門的観点から、両者の意向の調整(合意形成)を図らなければなりません。

1 長女の希望だけに沿ったケアプランを作成する。
これは誤り。ケアプランは本人の意向を尊重しつつ、安全性や専門的判断を踏まえて作成するものであり、長女の希望だけに沿ったプランを作成することは不適切です。また、Aさんは自分で家事や入浴をしたいという明確な意思を持っており、その希望を無視することは自立支援の観点からも適切とはいえません。ただし、安全を心配する長女の気持ちに寄り添うことは大切で、このような場合、本人と家族の意向を調整することが介護支援専門員の役割です。

2 筋力低下の原因や回復方法等の確認のため、医師、理学療法士、管理栄養士などに相談する。
これは正解。Aさんは以前のように自分で家事や入浴をしたいと希望しているため、自立支援や重度化防止の観点から、筋力低下の原因究明と回復の可能性を専門職に確認することは重要です。また、医師や理学療法士、管理栄養士などの多職種と連携することで、Aさんの機能回復にむけた科学的根拠に基づく支援計画を立てることができます。

3 自宅での転倒リスクを軽減し、できるだけ自宅での自立した生活を営めるように、生活環境全般を把握する。
これは正解。Aさんが自宅において、自立した生活を継続するためには、転倒リスクのある環境(段差・手すりの有無・床の状態など)を把握し改善することが重要です。住宅改修や福祉用具の利用を検討するために行うアセスメントは、自立支援・重度化防止の具体的な取り組みとして非常に適切です。

4 様子を見るため、あえて目標や期間を定めずに介護予防通所リハビリテーションの利用を位置付ける。
これは誤り。介護予防サービスを位置付ける際、目標や期間を設定せずサービスのみを位置付けることは運営基準違反に該当するため不適切です。介護予防プランにおいて「目標」や「期間」の設定は義務づけられており、自立支援・重度化防止の理念にも反します。目標のない漫然としたサービス利用は介護予防の効果を損ない、依存につながる可能性もあります。

5 Aさんと長女を交えて、自立支援・重度化防止に向けた話し合いの場を設ける。
これは正解。Aさんと長女の意見が食い違っているため、両者が話し合う機会を設け、自立支援や重度化防止の観点から、自立へ向けた目標のもとで合意形成を図ることが重要です。その際、介護支援専門員はファシリテーターとなり、Aさんや長女が納得できる支援の方向性を導き出すことが重要な役割となります。

第28回 問題5

介護支援専門員について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 介護支援専門員証の有効期間は、10年である。
2 登録をしている都道府県以外の指定居宅介護支援事業者の業務に従事するときは、登録の移転の申請をすることができる。
3 その業務を行うに当たり、関係者から請求があったときは、介護支援専門員証を提示しなければならない。
4 理由がある場合には、その名義を他人に使用させることができる。
5 登録が消除された場合には、速やかに、介護支援専門員証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。

介護支援専門員の資格や登録、専門員証に関する法令における知識を問う問題です。試験に頻出なキーワードとしては、専門員証の有効期限や登録の移転、名義貸しの禁止、登録消除時の返納義務など、毎年形を変えて出題される必須知識であり、正確な数字や手続き、義務規定(提示義務・返納義務など)を押さえているかが合否のポイントとなります。

1 介護支援専門員証の有効期間は、10年である。
これは誤り。介護支援専門員証の有効期間は5年です。5年ごとに更新研修を受講し、更新手続きを行わなければ、介護支援専門員の実務を行うことができなくなります。

2 登録をしている都道府県以外の指定居宅介護支援事業者の業務に従事するときは、登録の移転の申請をすることができる。
これは正解。登録している都道府県以外で業務に従事する場合には、業務に従事しようとする都道府県の知事に登録の移転を申請することができます。

3 その業務を行うに当たり、関係者から請求があったときは、介護支援専門員証を提示しなければならない。
これは正解。介護支援専門員は業務を遂行するに当たり、利用者や家族、サービス事業者からの請求があったときは、介護支援専門員証を提示する義務があります。

4 理由がある場合には、その名義を他人に使用させることができる。
これは誤り。いかなる理由があっても、自分の名義を他人に使用させる「名義貸し」は、登録消除等の処分を受ける可能性がある重大な違反行為です。資格は試験と研修を経て個人に与えられたものであり、他人に使用させる行為は一切禁止されています。

5 登録が消除された場合には、速やかに、介護支援専門員証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。
これは正解。登録が消除された場合、速やかに介護支援専門員証を交付した都道府県知事へ返納する義務があります。「速やかに」という時間的な要件と、返納先が「交付を受けた都道府県知事」である点の両方を正確に押さえることが重要です。

第28回 問題21

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第13条の具体的取扱方針のうち、介護支援専門員に係るものとして正しいものはどれか。3つ選べ。
1 利用者の心身又は家族の状況等に応じ、継続的かつ計画的に指定居宅サービス等の利用が行われるようにしなければならない。
2 住民による自発的な活動によるサービス等の利用も居宅サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
3 介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする。
4 利用者が介護保険施設へ入院又は入所することが必要になった場合には、介護保険施設への紹介を市町村に依頼しなければならない。
5 居宅サービス計画に特定福祉用具販売を位置付ける場合にあっては、それが必要な理由を記載する必要はない。

この問題は、指定居宅介護支援の運営基準第13条「具体的取扱方針」についての知識を問うものです。運営基準の中でも第13条は、介護支援専門員の業務内容や守るべき遵守事項が規定されています。出題頻度も高いため、条文の細部の正確な理解が必要となります。

1 利用者の心身又は家族の状況等に応じ、継続的かつ計画的に指定居宅サービス等の利用が行われるようにしなければならない。
これは正解。運営基準の第13条3項には、「介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に当たっては、利用者の自立した日常生活の支援を効果的に行うため、利用者の心身又は家族の状況等に応じ、継続的かつ計画的に指定居宅サービス等の利用が行われるようにしなければならない」と定められており、目標に向かって「継続的」かつ「計画的」にサービスが提供されるようマネジメントすることが定められています。

2 住民による自発的な活動によるサービス等の利用も居宅サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
これは正解。運営基準の第13条4項に「居宅サービス計画の作成に当たっては、介護給付等対象サービス以外の保健医療サービス又は福祉サービス、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて居宅サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない」とされており、介護保険サービスだけでなく、ボランティアや近隣の支え合いといった「インフォーマルサービス」も位置付けるよう努める必要があります(努力義務)。地域全体の資源を活用して利用者の生活を支える「地域包括ケア」の視点が反映されています。

3 介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする。
これは正解。施設・病院から在宅に戻る際の移行支援として、依頼があった場合には退院・退所前から居宅サービス計画の作成等の援助を行うことが義務づけられています(運営基準第13条の規定に基づく)。これは、スムーズな在宅復帰を支えるための重要なプロセスであり、退院後からの支援でなく「あらかじめ」退院前から支援を行うことがポイントとなります。

4 利用者が介護保険施設へ入院又は入所することが必要になった場合には、介護保険施設への紹介を市町村に依頼しなければならない。
これは誤り。利用者が介護保険施設へ入所することが必要になった場合、介護支援専門員は利用者に対して介護保険施設の紹介その他の便宜を供与しなければならないと定められています。市町村に依頼するのではなく、介護支援専門員自身が直接対応する義務があるため誤りとなります。

5 居宅サービス計画に特定福祉用具販売を位置付ける場合にあっては、それが必要な理由を記載する必要はない。
これは誤り。特定福祉用具販売(ポータブルトイレや入浴椅子など)をプランに位置付ける場合は、必ず「必要な理由」を記載する必要があります。特定福祉用具販売についても必要性の根拠を明示することが(運営基準第13条の規定により)義務付けられています。

第28回 問題24

Aさん(84歳、女性、要介護2)は一人暮らしをしており、近隣に住む長女が働きながらAさんに支援を行っている。Aさんは、長女の負担を軽減するため、短期入所療養介護を利用しようとして、長女を通じて居宅介護支援事業所の介護支援専門員に相談をした。相談内容は、Aさんの収入が公的年金に限られ、それが低額であることから、利用料金を減額する方法がないかというものであった。この場合における介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 Aさんが生活に困窮する者として、生活保護を直ちに申請するよう促す。
2 Aさんの公的年金の受給状況について、改めて確認する。
3 費用負担やその軽減の仕組みについて説明する。
4 長女がより高い所得を得られるよう、ハローワークに相談することを強く勧める。
5 長女が同居して全面的に介護を行うことを勧める。

低所得で一人暮らしの高齢者(Aさん)が、介護を担う長女の負担軽減のために短期入所療養介護(ショートステイ)の利用を希望している事例ですが、Aさんは利用料の支払いに不安を感じており長女を通じて制度に基づく費用軽減策の提案を依頼しています。介護支援専門員は、利用者や家族の経済状況を把握し、どのような提案ができるのか、実務として関わる際の重要なポイントなどが問われています

1 Aさんが生活に困窮する者として、生活保護を直ちに申請するよう促す。
これは誤り。事例ではAさんの公的年金が低額で支払いに困る様子は読み取れますが、「直ちに」生活保護の申請をするのは不適切です。生活保護の申請を行う前に、Aさんの年金額や資産の状況、長女の支援など、まずは経済面のアセスメントをしっかり行う必要があります。また、生活保護は他法優先の原則があるため、まずは介護保険制度内の軽減策(特定入所者介護サービス費や社会福祉法人等による利用者負担軽減制度など)を検討するのが先決です。

2 Aさんの公的年金の受給状況について、改めて確認する。
これは正解。Aさんが長女を通して経済的に厳しい現状を訴えていることから、この機会にAさんの年金額と資産の状況、また、普段のお金の使い道など、改めて確認することは適切な判断です。利用者の金銭管理や経済状況などは、なかなかお互いが口に出しにくいものですが、利用者の経済状況を知ることは、今後のサービス利用や生活について重要です。介護支援専門員は、普段の何気ない話から、ある程度の経済状況を把握するように努める必要があります。

3 費用負担やその軽減の仕組みについて説明する。
これは正解。短期入所療養介護では、所得に応じて食費・居住費などが減額される負担限度額認定などの仕組みがあります。利用者の所得に応じて段階区分があり、Aさんの状況では、特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)が適用される可能性があります。介護支援専門員は、利用者の経済状況を把握し、利用可能な制度を説明・調整する役割を担っています。

4 長女がより高い所得を得られるよう、ハローワークに相談することを強く勧める。
これは誤り。介護支援専門員の立場でこの選択肢のように、長女の働き方にまで介入し指示を出すことは家族に対する支援の範囲を逸脱しており不適切です。介護支援専門員は家族の思いにも寄り添いながら、介護負担の軽減や、仕事に差し支えないようにサービスを調整する必要があります。

5 長女が同居して全面的に介護を行うことを勧める。
これは誤り。長女にAさんの介護すべてを行わせる事は、Aさんと長女が共倒れになる可能性があり極めて不適切です。Aさんの気持ちに寄り添いながら、家族の負担軽減を図らなければなりません。介護支援専門員は、家族一人に介護負担が集中することのないよう、家族の就労の状況や介護力などサービス担当者間で必要な情報を共有することが求められます。 

第28回 問題25

Aさん(80歳、女性、要介護3、認知症はない)は訪問介護を利用している。同居している長男から「母は自宅で暮らし続けることを望んでいるが、入浴や夜間の排泄に関する介護の負担が重くなって困っている」との相談があった。そのときの介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 Aさんの意向を尊重するために、Aさんと長男との話し合いの機会を設ける。
2 長男と相談し、特別養護老人ホームに入所するようAさんを説得する。
3 夜間の排泄について、薬の影響はないか、Aさんの同意を得てかかりつけの医師に意見を求める。
4 近所の認知症対応型共同生活介護に照会し、空室があれば、速やかに予約する。
5 Aさんの希望を改めて確認したところ、他者との交流も望んでいたので、通所介護の利用を提案する。

在宅生活を望む要介護3の高齢女性(認知症なし)と、入浴や夜間排泄の介護負担に悩む同居長男の事例で、本人の希望と家族の介護負担の解消について、介護支援専門員の多角的なアセスメント力と適切なサービス調整など、介護支援専門員として実践的な判断力を問われる問題です。

1 Aさんの意向を尊重するために、Aさんと長男との話し合いの機会を設ける。
これは正解。介護支援専門員は利用者と家族との話し合いの機会を設け、合意点を見つけ出さなければなりません。そのような場合でも、介護の基本は自立支援と意思決定支援であることを両者に伝え、専門職としての判断基準でより効果的な提案を行う必要があります。

2 長男と相談し、特別養護老人ホームに入所するようAさんを説得する。
これは誤り。Aさんは要介護3ですが、認知症もなくサービスをうまく活用することで、今後も自宅での生活が継続できる状態なので、施設入所を勧めることは不適切です。また、長男のみの意向を聞いて、Aさん本人が希望していない施設入所について説得することは、自立支援を阻害する上に、意思決定支援の原則から大きく外れる行動です。たとえどのような状況であっても、介護支援専門員は利用者本人の意思を尊重し、粘り強く適切な支援方針を検討する必要があります。

3 夜間の排泄について、薬の影響はないか、Aさんの同意を得てかかりつけの医師に意見を求める。
これは正解。長男は夜間排泄等の負担増加の訴えがあるため、夜間の排泄が利尿作用のある薬の影響によるものではないかなど、Aさんの同意を得た上で医師に意見を求めることは適切です。また、医師から適切な指示を受けることで、医学的観点からの助言が得られます。ただし、トラブルを回避するため、必ず利用者から同意を得ることを忘れてはいけません。

4 近所の認知症対応型共同生活介護に照会し、空室があれば、速やかに予約する。
これは誤り。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に照会し、速やかに予約をするという判断は不適切です。Aさんは要介護3ですが認知症ではないため、グループホームには原則として入居できません。また、利用者の意見を聞かず空室を確認し予約することは、利用者の意思に反する行動で、介護支援専門員の理念にも反する行動です。

5 Aさんの希望を改めて確認したところ、他者との交流も望んでいたので、通所介護の利用を提案する。
これは正解。Aさんの希望を改めて確認し(再アセスメント)、「他者との交流を望んでいる」という情報を得たことで、通所介護を提案することは適切です。また、長男から「入浴」に手がかかるとの情報もあり、週に数回利用することで通所介護での入浴が可能になれば、長男の介護負担軽減にも有効な手段です。

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次は、ケアプランについて。

【ケアプラン】居宅サービス計画、施設サービス計画、介護予防サービス計画
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