居宅介護支援やケアマネジメントも、介護支援専門員の仕事として試験に頻出です。しっかり理解しましょう。
居宅介護支援
居宅介護支援は介護保険サービスを受ける要介護者の在宅介護に関する相談や計画、連絡・調整などのケアマネジメントを実施するサービスです。ケアプランを作成するサービスが含まれるため居宅介護支援事業所をケアプランセンターと呼ぶこともあります。
居宅介護支援事業を行うためには、株式会社、NPO法人、社会福祉法人などの法人格を有し、市町村から事業所の指定を受ける必要があります。指定を受けるためには以下の人員基準と運営基準を満たさなければなりません。
人員基準
指定居宅介護支援事業所の人員基準では、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)である常勤の管理者1名と、利用者35人に対して介護支援専門員(ケアマネジャー)を1人以上配置する必要があります。
| 職種 | 資格 | 条件など |
|---|---|---|
| 管理者 | 主任介護支援専門員 | 常勤1名、業務に支障がない場合は介護支援専門員等と兼務可 |
| 職員 | 介護支援専門員 | 利用者35人に対して1人以上 |
運営基準
運営基準としては、利用者や家族に対する重要事項の説明、正当な理由なくサービス提供を拒否できない等がありますが、その中に記録の保存があります。
記録には居宅サービス計画、アセスメント記録、サービス担当者会議の記録、モニタリング記録、従業者に関する記録、会計の記録、事故の記録、苦情の記録など様々ありますが、その保存は国の基準(省令)で2年間と定められています。ただし、多くの自治体(市区町村)では、条例で「5年間」と定められています。
対象者
居宅介護支援事業所が作成するケアプランの対象者は、要介護1〜5の認定を受けた人です。さらに、介護予防支援の指定を受けた事業所の場合は、要支援1~2の認定を受けた人も対象となります。

要支援者を対象とした介護予防サービスは、もともと地域包括支援センターのみで実施してたけど、2024年度から指定を受けた居宅介護支援事業所でも介護予防支援の提供が可能になったね。地域包括支援センターはたいへんだからね。
居宅介護支援事業所の利用料は介護保険から給付されるため、自己負担はありません。ただし、利用者の希望により通常の実施地域外でサービスを提供する場合においては、交通費の請求が認められています。
サービス担当者会議
サービス担当者会議とは、介護支援専門員が作成したケアプランの内容を各サービスの担当者が集まって検討する会議です。ケアプランを作成した介護支援専門員が中心となり、会議を進めていきます。
会議の参加者は、利用者、家族、介護支援専門員、主治医、サービス提供責任者、福祉用具専門相談員などになりますが、サービス担当者会議の参加は強制するものではなく、参加できない場合は介護支援専門員はサービス担当者への照会等により、あらかじめ意見を求めることができます。感染症対策や移動の困難さなどに対応するため、テレビ電話等のICT機器を活用した開催も認められています。
サービス担当者会議で利用者やその家族等の個人情報を使用する場合、事前に本人や家族から文書による同意を得ることが義務付けられています。これは運営基準に明記されている厳格なルールで、口頭ではなく文書により同意を得ることが必要です。
介護予防支援
介護予防の基本は「自立支援」です。利用者が主体的に取り組み、生活機能の維持・向上に対する意欲を引き出すような支援が求められます。介護予防支援においては単にサービスを提供するような計画ではなく、本人の自立心や向上心を高めるような配慮が必要です。
要支援者は状態変化により要介護に移行する可能性もあるため、介護給付や地域支援事業との連続性・一貫性を持った支援を行うよう配慮することが求められます。
人員基準
介護予防支援は主として地域包括支援センターで実施されますが、地域包括支援センターに配置しなければならない職員は、①保健師(または経験ある看護師)、②社会福祉士(またはこれに準ずる者)、③主任介護支援専門員の3職種です。指定介護予防支援事業所であれば、介護支援専門員です。

2024年から、居宅介護支援事業所も介護予防支援事業所の指定を受けられるようになったね。
ケアマネジメント
ケアマネジメントは以下のような流れで展開していきます。
| 順番 | プロセス | 内容 | 記録保存 |
|---|---|---|---|
| 1 | アウトリーチ | ニーズの発見、掘り起し | |
| 2 | インテーク | 受理面接、エンゲージメント(契約) | |
| 3 | アセスメント | 介護保険給付以外にも、医療系サービスや障害者サービス、インフォーマルサービスなど、様々な社会資源について把握する | 2年 |
| 4 | プランニング | ケアプランの立案、作成 | 2年 |
| 5 | インターベンション | 介入 | |
| 6 | モニタリング | 居宅への訪問によるモニタリングは月に1回以上実施、利用者への継続的アセスメントや目標の達成度の把握など | 2年 |
| 7 | エバリュエーション | 事後評価 | |
| 8 | ターミネーション | 終結 | |
| 9 | フォローアップ | 終結後の支援 |

過去問
第23回 問題21
指定居宅介護支援事業者について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、複数の指定居宅サービス事業者を必ず紹介しなければならない。
2 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、利用者に入院する必要が生じたときは、介護支援専門員の氏名と連絡先を入院先の病院又は診療所に伝えるよう、あらかじめ利用者や家族に求めなければならない。
3 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、要介護認定申請が行われていない場合は、利用申込者の意思にかかわらず、速やかに申請が行われるよう援助を行わなければならない。
4 通常の事業の実施地域等を勘案し、自ら適切な指定居宅介護支援を提供することが困難なときは、他の指定居宅介護支援事業者を紹介するなど必要な措置を講じなければならない。
5 利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域で指定居宅介護支援を行うときは、要した交通費の支払を利用者から受けることができる。
指定居宅介護支援事業者の運営基準については、利用者への説明義務や医療機関との連携、事業所の受諾義務、そして交通費などの費用徴収ルールなどが正しく理解できているかが問われます。また、介護支援専門員が守るべき遵守事項については、実務に直結する重要な規定が多いため整理して理解する必要があります。
1 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、複数の指定居宅サービス事業者を必ず紹介しなければならない。
これは誤り。運営基準では、利用者が複数の事業者を比較・選択できるよう情報提供に努めることが求められていますが、これは努力義務にとどまります。「必ず複数紹介しなければならない」という義務規定は存在しないため、「必ず」という表現が誤りのポイントです。
2 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、利用者に入院する必要が生じたときは、介護支援専門員の氏名と連絡先を入院先の病院又は診療所に伝えるよう、あらかじめ利用者や家族に求めなければならない。
これは正解。医療機関への入院が必要となった場合、介護支援専門員は速やかに医療機関へ情報提供を行わなければなりません。そのため、あらかじめ利用者・家族に対して、介護支援専門員の氏名と連絡先を入院先に伝えるよう求めることが義務付けられています。
3 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、要介護認定申請が行われていない場合は、利用申込者の意思にかかわらず、速やかに申請が行われるよう援助を行わなければならない。
これは誤り。要介護認定の申請が行われていない場合は、必要な援助を行うことは大切ですが、「利用申込者の意思にかかわらず」という考え方は、利用者の自己決定を阻害し、利用者本位の原則に反します。介護支援専門員は利用申込者の意思に基づいて支援を行う姿勢が大切です。
4 通常の事業の実施地域等を勘案し、自ら適切な指定居宅介護支援を提供することが困難なときは、他の指定居宅介護支援事業者を紹介するなど必要な措置を講じなければならない。
これは正解。通常の実施地域や事業所の状況から、自ら適切なサービス提供が困難と判断した場合は、他の指定居宅介護支援事業者を紹介するなど、必要な措置を講じることが義務付けられています。これは利用者が不利益を被らないための必要な措置と判断されています。
5 利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域で指定居宅介護支援を行うときは、要した交通費の支払を利用者から受けることができる。
これは正解。居宅介護支援は原則として利用者負担はありませんが、利用者の希望により通常の実施地域外でサービスを提供する場合においては、交通費の請求が認められています。あくまでも利用者が希望した場合に限り行われ、必要な交通費などの説明を行った上で提供する必要があります。
第23回 問題22
指定居宅介護支援におけるサービス担当者会議について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 家庭内暴力がある場合には、必ずしも利用者や家族の参加を求めるものではない。
2 開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により参加が得られなかったときは、サービス担当者への照会等により意見を求めることができる。
3 末期の悪性腫瘍の利用者について、日常生活上の障害が1か月以内に出現すると主治の医師が判断した場合には、その助言を得た上で、サービス担当者への照会等により意見を求めることができる。
4 サービス担当者会議の記録は、要介護認定の有効期間に合わせて最長3年間保存しなければならない。
5 要介護更新認定の結果、要介護状態区分に変更がなかった場合には、サービス担当者会議を開催する必要はない。
1 家庭内暴力がある場合には、必ずしも利用者や家族の参加を求めるものではない。
これは正解。サービス担当者会議の参加は、利用者や家族以外に、主治医や看護師、利用するサービス事業者の担当者などに加え、地域の方や利用者の友人など、ケアプランを策定するにあたり協力するメンバーを募ります。ただし、選択肢のような家庭内暴力など、参加させることで利用者の安全が脅かされるおそれがある場合は、利用者の安全確保や適切な意思決定の疎外の防止の観点から、例外的に参加を求めないことができます。
2 開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により参加が得られなかったときは、サービス担当者への照会等により意見を求めることができる。
これは正解。サービス担当者会議の参加は強制するものではなく、参加者の都合上、どうしても参加できない場合は、選択肢の通り介護支援専門員はサービス担当者への照会等により、あらかじめ意見を求めることができます。
3 末期の悪性腫瘍の利用者について、日常生活上の障害が1か月以内に出現すると主治の医師が判断した場合には、その助言を得た上で、サービス担当者への照会等により意見を求めることができる。
これは正解。主治医が末期であると判断した場合には、その助言を得た上で照会等により意見を求めることが認められています。これは、末期の悪性腫瘍は状態の変化が非常に早く、短期間でADL低下や症状悪化が起こるため、通常の手順を待っていては支援が間に合わない可能性があります。そのため主治医の医学的判断を踏まえつつ、サービス担当者から迅速に意見を集め、必要なサービスを早期に調整できるよう特例的に認められています。
4 サービス担当者会議の記録は、要介護認定の有効期間に合わせて最長3年間保存しなければならない。
これは誤り。介護支援専門員の書類上の保存期間については、国の基準(省令)によれば、ケアプランに関する業務の完結の日から2年間とされていますが、多くの自治体(市区町村)では、条例で「5年間」と定められています。選択肢のサービス担当者会議の記録も同じ扱いとなり「最長3年間」という内容は誤りです。
5 要介護更新認定の結果、要介護状態区分に変更がなかった場合には、サービス担当者会議を開催する必要はない。
これは誤り。要介護更新認定の結果、要介護状態区分に変更がなかった場合でも、必要に応じてサービス担当者会議を開催するため、「開催する必要はない」と断定している点が誤りです。要介護状態区分に変更がない場合でも、再アセスメントや必要に応じてサービス担当者会議を実施し、利用者や家族等の希望や新たなニーズの確認、サービス担当者からの状況の聞き取りなど行いケアプランを見直す必要があります。
第24回 問題19
指定居宅介護支援事業について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 利用者の数が20人の場合には、常勤の介護支援専門員を1人以上置かなければならない。
2 通常の事業の実施地域を越えて、指定居宅介護支援を行ってはならない。
3 サービス担当者会議には、利用者及びその家族を必ず参加させなければならない。
4 提供した指定居宅介護支援の質の評価に関する事項を保険者に報告しなければならない。
5 サービス担当者会議において利用者の個人情報を用いる場合には、あらかじめ本人の同意を文書により得ておかなければならない。
指定居宅介護支援事業所の運営基準に関する問題で、人員配置・実施地域・サービス担当者会議のルール・報告義務・個人情報の取り扱いなど、試験では遵守すべき基準の細かな知識を問われるため整理して覚える必要があります。
1 利用者の数が20人の場合には、常勤の介護支援専門員を1人以上置かなければならない。
これは正解。指定居宅介護支援事業所の人員基準では、利用者35人に対して介護支援専門員を1人以上配置する必要があり、事業所には常勤の管理者を置かなければなりません。選択肢のように利用者20人の場合でも常勤の介護支援専門員を1人以上配置する必要があります。
2 通常の事業の実施地域を越えて、指定居宅介護支援を行ってはならない。
これは誤り。通常の事業の実施地域を越えて業務を行ってはならないという規定はありません。実施地域を越えて業務を行う場合であっても、事業所が適切にサービスの提供が可能であれば実施することができます。ただし、交通費などの自己負担が発生することなどは、事前に利用者に説明する必要があります。
3 サービス担当者会議には、利用者及びその家族を必ず参加させなければならない。
これは誤り。サービス担当者会議には、原則として本人および家族の参加を求める必要がありますが、家族から虐待を受けていて利用者に危険が及ぶ場合など「必ず参加させなければならない」という義務はありません。ただし不参加の場合であっても、会議の内容を丁寧に説明するなどして同意を得る必要があります。
4 提供した指定居宅介護支援の質の評価に関する事項を保険者に報告しなければならない。
これは誤り。提供したサービスの質の評価について保険者(市町村)に報告する義務はありません。事業所には記録の保存・管理義務はありますが、サービスの質の評価を保険者に報告する義務は運営基準上定められていないため誤りとなります。
5 サービス担当者会議において利用者の個人情報を用いる場合には、あらかじめ本人の同意を文書により得ておかなければならない。
これは正解。サービス担当者会議で利用者やその家族等の個人情報を使用する場合、事前に本人や家族から文書による同意を得ることが義務付けられています。これは運営基準に明記されている厳格なルールで、口頭ではなく文書により同意を得ることが必要です。
第24回 問題20
指定居宅介護支援におけるアセスメントについて正しいものはどれか。2つ選べ。
1 利用者との初回面接から居宅サービス計画の作成・交付までの一連の流れを指す。
2 現在利用しているサービスの状況について、介護保険給付以外のものを含めて把握する。
3 いかなる場合であっても必ず利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。
4 課題分析標準項目には、地域の社会資源に関する項目が含まれる。
5 アセスメントの結果の記録は、2年間保存しなければならない。
アセスメントとは、ケアマネジメントを行う上で必要な情報を収集し課題解決のための手がかりを探す「分析」を行うことを指します。介護支援専門員の知識としては、アセスメントの定義や訪問面接の義務、把握すべき情報の範囲や課題分析標準項目の内容・記録の保存期間など、実務に関わる細かな知識が必要となります。
1 利用者との初回面接から居宅サービス計画の作成・交付までの一連の流れを指す。
これは誤り。利用者との初回面接(インテーク)から、居宅サービス計画の作成・交付までの一連の流れを指す言葉はケアマネジメントです。アセスメントとは利用者の状況を把握し、解決すべき課題を抽出する「情報収集・分析」の段階を指します。
2 現在利用しているサービスの状況について、介護保険給付以外のものを含めて把握する。
これは正解。アセスメントの対象範囲は介護保険給付以外にも、医療系サービスや障害者サービス、インフォーマルサービスなど、様々な社会資源について把握することが求められます。
3 いかなる場合であっても必ず利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。
これは誤り。アセスメントは原則的に自宅を訪問して行うものですが、入院・入所中などやむを得ない場合には例外もあるため「いかなる場合であっても必ず」という表現は誤りになります。このように「必ず~しなければならない」という表現は、例外規定がある場合には誤りとなることが多いため注意が必要です。
4 課題分析標準項目には、地域の社会資源に関する項目が含まれる。
これは誤り。課題分析標準項目には生活環境や社会資源の活用状況に関連する視点は含まれますが、「地域の社会資源」そのものは項目に含まれていません。社会資源は生活する上での環境や手段に該当するため、課題分析標準項目とは区別されています。
5 アセスメントの結果の記録は、2年間保存しなければならない。
これは正解。アセスメントの結果も含めて、国の基準(省令)によれば、ケアプランに関するサービス提供が終了した日から「2年間」保存するとされています。また、これに加えて多くの自治体(市区町村)では、条例で「5年間」と定められているところも多く注意が必要ですが、試験対策としては「2年間保存する」という国の原則を覚えると良いでしょう。
第25回 問題20
指定居宅介護支援事業者の記録の整備について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 居宅介護支援台帳は、書面による記録と電磁的記録の両方を整備しなければならない。
2 事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録を整備しなければならない。
3 従業者に関する記録を整備しておかなければならない。
4 会計に関する記録を整備しておかなければならない。
5 サービス担当者会議等の記録は、その完結の日から5年間保存しなければならない。
指定居宅介護支援事業者が適切に事業運営を行うために、どのような記録を整備し保存すべきかという「運営基準」を問う問題です。介護支援専門員には、単にケアプランを策定するだけでなく、事故対応、従業者の管理、会計の透明性、そしてそれらの記録をどの程度の期間保存するかといった、事務的な管理責任も求められており、正確な理解が必要です。
1 居宅介護支援台帳は、書面による記録と電磁的記録の両方を整備しなければならない。
これは誤り。書面記録または電磁的記録のどちらか一方で良いと定められています。
2 事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録を整備しなければならない。
これは正解。サービス提供の際に事故が発生した場合は、速やかに市町村、利用者の家族等に連絡・報告し「事故の状況」や「採った処置」について記録として残しておくことが義務付けられています。また、事故の経緯を究明し責任の所在を明らかにすることで、再発予防に努める必要があります。
3 従業者に関する記録を整備しておかなければならない。
これは正解。運営基準において、従業者に関する記録の整備が義務付けられています。従業者の氏名や資格、勤務状況などの記録を整備することは、運営基準に沿った事業運営を行っているかを確認する上で重要な資料となります。
4 会計に関する記録を整備しておかなければならない。
これは正解。事業運営の健全性と透明性を確保するため、運営基準において、会計に関する記録の整備が義務付けられています。
5 サービス担当者会議等の記録は、その完結の日から5年間保存しなければならない。
これは誤り。国の基準(省令)によれば、ケアプランに関する書類の保管は、「完結の日から2年間」とされています。また、多くの自治体(市区町村)では、条例で「5年間」と定められているところもありますが、試験対策としては国の省令に定められた「2年間」と条例による「5年間」が基本であることを覚えておきましょう。
第25回 問題21
指定居宅介護支援に係るモニタリングについて正しいものはどれか。3つ選べ。
1 利用者についての継続的なアセスメントは、含まれる。
2 目標の達成度の把握は、含まれる。
3 指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行う。
4 少なくとも1月に1回、主治の医師に意見を求めなければならない。
5 地域ケア会議に結果を提出しなければならない。
モニタリング業務については、原則として少なくとも利用者の自宅を月1回以上訪問し、得られた結果を記録として保存しなければなりません。どのような視点で評価を行い、関係機関とどう連携すべきかなど、実務上での知識が問われます。
1 利用者についての継続的なアセスメントは、含まれる。
これは正解。モニタリングは、ケアプランに沿ったサービスが提供され利用者に効果が得られているか、新たな課題が発生していないかなど、単なる現状確認ではなく利用者の状況の変化を把握し、必要に応じてケアプランの見直しにつなげる継続的なアセスメントが含まれます。
2 目標の達成度の把握は、含まれる。
これは正解。モニタリングの目標は、ケアプランに設定した長期目標や短期目標がどの程度達成されているかが重要なポイントになります。モニタリングにより目標が未達成であった場合は、プランの修正・変更を検討する根拠となります。
3 指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行う。
これは正解。介護支援専門員は、居宅サービス事業者等と連絡をとり、利用者の状況やサービスの実施状況などの情報収集を積極的に行い、得られた情報を他のサービス事業者と共有する姿勢が大切です。指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うことは、モニタリングの一環として求められる業務です。
4 少なくとも1月に1回、主治の医師に意見を求めなければならない。
これは誤り。主治医への意見照会は、ケアプラン原案作成時や医療系サービスを位置付ける際に行うものであり、毎月行う義務はありません。なお、居宅への訪問によるモニタリングは、少なくとも1月に1回実施することが義務づけられているので、混同しないよう注意が必要です。
5 地域ケア会議に結果を提出しなければならない。
これは誤り。地域ケア会議とは、市町村や地域包括支援センターが主催する、多職種が協働して個別事例の検討を通じて、地域課題の把握や課題解決に向けた会議です。必要に応じてモニタリングの結果を活用することはありますが「地域ケア会議へ提出しないといけない」などの義務規定はありません。
第26回 問題20
指定居宅介護支援について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 介護支援専門員は、居宅サービス計画書の作成に当たっては、地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて居宅サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
2 事業者は、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため必要な体制の整備を行わなければならない。
3 指定居宅介護支援の提供に当たっては、公正中立に行われなければならない。
4 介護支援専門員の連絡調整の対象は、指定居宅サービス事業者に限定される。
5 事業者の連携の対象には、障害者総合支援法の指定特定相談支援事業者は含まれない。
指定居宅介護支援の運営基準から出題される問題は、ケアプランへのインフォーマルサービスの位置づけ、人権擁護・虐待防止体制、公正中立の原則、連絡調整の対象範囲、連携先の範囲など、幅広い知識が問われます。運営基準の内容を確認しながら、その根拠となる考え方を理解するようにしましょう。
1 介護支援専門員は、居宅サービス計画書の作成に当たっては、地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて居宅サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
これは正解。居宅サービス計画書(ケアプラン)は、介護保険サービスのみではなく、地域の住民によるボランティア活動なども、インフォーマルサービスとして位置付けるよう努めなければなりません(努力義務)。
2 事業者は、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため必要な体制の整備を行わなければならない。
これは正解。令和3年度の運営基準改正により、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため必要な体制の整備が介護事業者に義務付けられました。現在でも、利用者が安心してサービスを利用できるよう、事業所として組織的に取り組むことが強く求められています。
3 指定居宅介護支援の提供に当たっては、公正中立に行われなければならない。
これは正解。介護支援専門員は、特定のサービス事業所に偏ることなく、利用者のニーズに対して中立公正な立場でケアプランを策定しなければなりません。これは運営基準上の重要な原則となっています。
4 介護支援専門員の連絡調整の対象は、指定居宅サービス事業者に限定される。
これは誤り。運営基準では連絡調整の対象を「指定居宅サービス事業者等」と規定しており、「等」は医療機関やインフォーマルサービス提供者なども含まれます。指定居宅サービス事業者のみに限定されるわけではありません。
5 事業者の連携の対象には、障害者総合支援法の指定特定相談支援事業者は含まれない。
これは誤り。運営基準において、連携の対象として障害者総合支援法の指定特定相談支援事業者が明記されています。介護保険と障害福祉サービスを併用する利用者への対応として、両制度間の連携は制度上も求められており、「含まれない」とする選択肢は誤りです。
第27回 問題20
指定居宅介護支援におけるケアマネジメント業務として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 課題分析標準項目に基づくアセスメントの実施
2 利用者によるサービスの選択に資するための情報提供
3 地域ケア会議の主催
4 住民による自発的活動の開発
5 モニタリングの実施
介護支援専門員が行うケアマネジメントの基本プロセスは、アセスメントから計画作成、モニタリングへと続く一連の流れ(PDCAサイクル)で構成されています。試験対策としては、介護支援専門員自身の業務と、行政や地域包括支援センターが担う業務(地域ケア会議や資源開発など)を明確に区別できるかどうかが問われます。
1 課題分析標準項目に基づくアセスメントの実施
これは正解。アセスメントはケアプラン作成前に必ず実施する業務で、厚生労働省が示す「課題分析標準項目」に基づきアセスメントを実施することが求められています。得られた内容から利用者の自立の妨げとなっている要因や解決すべき課題(ニーズ)を明らかにする作業を行います。
2 利用者によるサービスの選択に資するための情報提供
これは正解。ケアマネジメントの原則である「利用者本位」の理念に基づいて、介護支援専門員は利用者の意思決定や選択する権利を尊重する必要があります。そのため複数の事業所を紹介し、地域の資源や各事業所の特徴を分かりやすく説明する姿勢が必要です。
3 地域ケア会議の主催
これは誤り。地域ケア会議は、市町村または地域包括支援センターが主催するものであり、介護支援専門員が行う業務ではありません。介護支援専門員は必要に応じて事例提供や会議に参加し協力する立場です。
4 住民による自発的活動の開発
これは誤り。住民による自発的活動の開発(ボランティア活動など)は介護支援専門員の業務には含まれません。これは地域ケア会議を通じた地域課題の把握・資源開発の一環として行われ、地域で不足しているサービスの開発や新たなコミュニティの立ち上げなど、地域住民が主体となって活動できるよう地域包括支援センターなどが支援します。
5 モニタリングの実施
これは正解。ケアプランを策定後、位置付けたサービスが適切に行われているか、十分な効果が得られているかなど、原則として少なくとも月1回利用者の居宅を訪問し、モニタリングを実施することが義務付けられています。
第27回 問題22
指定居宅介護支援事業者の記録について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 居宅介護支援経過は、時系列で誰もが理解できるように記載する。
2 サービス担当者会議の記録は、支援が完結すればその時点で廃棄してもよい。
3 自ら提供した指定居宅介護支援とは明らかに関係がない苦情を受け付けた場合でも、すべて記録し保存しなければならない。
4 指定居宅介護支援の提供により発生した事故の状況及び事故に際して採った処置について、記録しなければならない。
5 不正の行為によって保険給付を受けた利用者については、市町村に遅滞なく通知するとともに、その記録を整備しなければならない。
1 居宅介護支援経過は、時系列で誰もが理解できるように記載する。
これは正解。支援経過(第5表)は、支援の経緯や利用者、家族とのやり取り、判断の根拠など時系列で記録するものです。記録の内容は客観的かつ誰もが理解できるよう記載することが求められており、第三者が読んでも支援の流れが把握できるような記録の質の確保が重要です。
2 サービス担当者会議の記録は、支援が完結すればその時点で廃棄してもよい。
これは誤り。サービス担当者会議の要点(第4表)は、運営基準上、支援が完結してからも「2年間(自治体によっては5年間)」保存することが義務づけられています(第25回 問題20 選択肢5の解説参照)。
3 自ら提供した指定居宅介護支援とは明らかに関係がない苦情を受け付けた場合でも、すべて記録し保存しなければならない。
これは誤り。記録・保存が義務づけられているのは、自ら提供した居宅介護支援に関するものに限られるため、「すべて記録しなければならない」とする点は誤りです。明らかに関係がない苦情については、実務上は適切に対応する必要はありますが、記録の義務は伴いません。保存義務が発生する苦情の内容は、自らの業務のみと覚えましょう。
4 指定居宅介護支援の提供により発生した事故の状況及び事故に際して採った処置について、記録しなければならない。
これは正解。居宅介護支援の提供により発生した事故については、事故の状況や原因、および実施した処置、関係機関への連絡内容など詳細に記録し、保管する義務が発生します。事故記録の整備は運営基準で厳格に定められており、実地指導でも必ず確認される内容のため、適切に対応する必要があります。
5 不正の行為によって保険給付を受けた利用者については、市町村に遅滞なく通知するとともに、その記録を整備しなければならない。
これは正解。不正な行為によって保険給付を受けたことを知った場合、介護支援専門員は遅滞なく市町村に通報する義務を負います。これは介護保険制度の健全な運営を守るため、中立・公正な立場で業務を遂行しなければなりません。
第27回 問題23
指定介護予防支援について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 地域支援事業及び介護給付と連続性及び一貫性を持った支援を行うように配慮する。
2 介護予防通所リハビリテーションを介護予防サービス計画に位置付ける場合には、当該サービスに係る主治の医師の指示は必要ない。
3 介護予防サービス計画の策定に当たっては、利用者の個別性を重視した効果的なものとする。
4 利用者による主体的な取組を支援し、常に利用者の生活機能の向上に対する意欲を高めるよう支援する。
5 介護福祉士を配置しなければならない。
指定介護予防支援とは、要支援の認定を受けた者が介護予防サービスを適切に利用できるよう、地域包括支援センターが行うケアマネジメントのことです。自立支援の理念に基づき、利用者が主体的に生活機能を維持・向上できるよう、地域支援事業と連携し、利用者一人ひとりの状況に合わせて効果的な計画策定が必要とされます。
1 地域支援事業及び介護給付と連続性及び一貫性を持った支援を行うように配慮する。
これは正解。地域支援事業とは、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送れるよう市町村が行う事業で、介護予防支援を行う際にはこれらの事業の活用や、要支援者は状態変化により要介護に移行する可能性もあるため、介護給付との連続性・一貫性を持った支援を行うよう配慮することが求められます。
2 介護予防通所リハビリテーションを介護予防サービス計画に位置付ける場合には、当該サービスに係る主治医師の指示は必要ない。
これは誤り。介護予防通所リハビリテーションは「医療系サービス」に含まれるため、介護予防サービス計画に位置付ける際には、必ず主治医の指示が必要となります。介護予防サービスであっても医療系サービスを利用する際は、すべて主治医の指示が必要です。
3 介護予防サービス計画の策定に当たっては、利用者の個別性を重視した効果的なものとする。
これは正解。介護予防サービス計画は、利用者一人ひとりの状態や生活環境、本人の意向を踏まえ、個別性を重視し自立に向けた効果的な計画を策定する必要があります。運営基準においても、利用者の個別性を重視し、自立に向けて効果的な計画を策定することが求められています。
4 利用者による主体的な取組を支援し、常に利用者の生活機能の向上に対する意欲を高めるよう支援する。
これは正解。介護予防の基本は「自立支援」です。利用者が主体的に取り組み、生活機能の維持・向上に対する意欲を引き出すような支援が求められます。介護予防支援においては単にサービスを提供するような計画ではなく、本人の自立心や向上心を高めるような配慮が必要です。
5 介護福祉士を配置しなければならない。
これは誤り。地域包括支援センターに配置しなければならない職員は、①保健師(または経験ある看護師)、②社会福祉士(またはこれに準ずる者)、③主任介護支援専門員の3職種です。指定介護予防支援事業所であれば、介護支援専門員です。介護福祉士は配置要件に含まれておらず、前記の3職種は確実に覚えましょう。
第28回 問題20
指定居宅介護支援におけるサービス担当者会議について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 主治の医師の出席が必須である。
2 家庭内暴力がある場合には、必ずしも利用者及び家族の参加を求めるものではない。
3 指定居宅サービス等の担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。
4 テレビ電話装置等を活用して行うことができる。
5 会議の記録は、その完結の日から10年間保存しなければならない。
1 主治の医師の出席が必須である。
これは誤り。ケアプランを策定するにあたり、主治医の意見は重要ですがサービス担当者会議の出席は「必須」ではなく「照会で意見を求めることができる」とされています。また、その他の参加者も出席が義務付けられた職種などはありません。
2 家庭内暴力がある場合には、必ずしも利用者及び家族の参加を求めるものではない。
これは正解。家庭内暴力がある場合など、利用者の安全確保等の観点から、やむを得ない場合には参加を求めないことができるとされています。介護支援専門員はそのような利用者と家族の関係性も配慮して柔軟にサービス担当者会議を開催する必要があります。
3 指定居宅サービス等の担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。
これは正解。サービス担当者会議の開催の目的の一つは、各担当者が専門的な見地から意見交換を行い共有することが挙げられます。介護支援専門員はサービス担当者会議を通してチームケアのアプローチを学ぶことも大切です。
4 テレビ電話装置等を活用して行うことができる。
これは正解。感染症対策や移動の困難さなどに対応するため、テレビ電話等のICT機器を活用した開催が認められています。ただし、利用者等の同意を得た上での活用が可能で、適切に意思疎通ができることが前提条件になります。ICT活用は近年の法改正で認められた重要ポイントです。
5 会議の記録は、その完結の日から10年間保存しなければならない。
これは誤り。前述した通り、ケアプランに関する書類の保管は、原則として「完結の日から2年間」と厚生労働省の基準で定められています。また、多くの自治体(市区町村)では、条例で「5年間」と定められています。「10年間」という根拠はありません。
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