介護サービス情報公表制度は、事業者からはとても不評ですが、毎年報告義務があるので、嫌でも報告しなければなりません。試験にも頻出なのでしっかり押さえましょう。
介護サービス情報公表制度
介護保険法第115条の35第1項の規定に基づき、介護サービス事業者は毎年1回、その提供する介護サービスに係る介護サービス情報を都道府県知事に報告しなければなりません。これを受けて都道府県知事は情報の公表を行います。
報告を行わない場合や虚偽の報告があった場合などに、都道府県知事から是正命令が出され、命令に従わない場合は指定の取消し等の行政処分を受けることがあります。
都道府県や指定都市は、社会福祉協議会等を情報公表センターに指定して、介護サービス情報の報告の受理や公表などを行わせることができます。
公表される事業所情報
公表情報として以下の基本情報と運営情報は必須、事業所の特色と独自項目(処分・指導に関する情報など)は任意となっています。以下の内容に加えて「緊急時の連絡先」も必須情報となっています。
運営情報のうち、各サービスに独自の項目があり、例えば居宅介護支援(ケアマネジメント)に特有の項目として、サービス担当者会議の開催、医療機関との連携などがあります。施設サービスでは、身体拘束の排除への取組、ターミナルケア(看取り)における質の確保などがあります。
| 基本情報 | 運営情報 |
|---|---|
| 事業所の名称、所在地等 | 利用者の権利擁護の取組 |
| 従業者に関するもの | サービスの質の確保への取組 |
| 提供サービスの内容 | 相談・苦情等への対応 |
| 利用料等 | 外部機関等との連携 |
| 法人情報 | 事業運営・管理の体制 |
| 安全・衛生管理等の体制 | |
| 従業者の研修の状況等 | |
| 財務諸表 |

職種別の従業員数とか、従業者の労働時間とかも公表内容に含まれるね。
過去問
第25回 問題14
介護サービス情報の公表制度について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 原則として、介護サービス事業者は、毎年、介護サービス情報を報告する。
2 指定居宅介護支援事業者は、介護サービス情報をその事業所の所在地の市町村長に報告する。
3 介護サービス情報の公表は、事業所又は施設の所在地の国民健康保険団体連合会が行う。
4 職種別の従業者の数は、公表すべき事項に含まれる。
5 指定居宅サービス事業者が報告内容の是正命令に従わないときには、指定を取り消されることがある。
介護保険法に基づく「介護サービス情報の公表制度」は、利用者が適切にサービスを選択できるよう、事業者が介護サービスの情報を報告・公表する仕組みです。報告先・公表主体・内容・義務違反時の措置が試験の頻出ポイントです。
1 原則として、介護サービス事業者は、毎年、介護サービス情報を報告する。
これは正解。介護保険法により、原則として毎年1回、都道府県知事への報告が義務付けられています。これにより、常に最新の事業所情報が利用者に提供される仕組みになっており、「毎年」報告と「義務」である点を押さえましょう。
2 指定居宅介護支援事業者は、介護サービス情報をその事業所の所在地の市町村長に報告する。
これは誤り。介護サービス情報は市町村ではなく、管轄する都道府県に報告しなければならないため誤りです。2018年の法改正により居宅介護支援の指定権者は市町村に移りましたが、情報公表制度の報告先はあくまで都道府県知事であるという点が重要であり、試験で狙われやすいポイントです。
3 介護サービス情報の公表は、事業所又は施設の所在地の国民健康保険団体連合会が行う。
これは誤り。介護サービス情報の公表を行うのは都道府県知事です。一方、国民健康保険団体連合会は、介護報酬の審査・支払等を担う機関であり、情報公表制度については管轄外です。国保連の役割と混同しないよう整理しておきましょう。
4 職種別の従業者の数は、公表すべき事項に含まれる。
これは正解。介護サービス情報の公表においては、基本情報として職種別の従業者数・勤務形態などが含まれます。利用者がサービスの質を比較・選択するために職員配置や職種などは重要な情報です。また人員体制の透明性を確保することも制度の趣旨といえます。
5 指定居宅サービス事業者が報告内容の是正命令に従わないときには、指定を取り消されることがある。
これは正解。指定居宅サービス事業者が報告を行わない場合や虚偽の報告があった場合などに、都道府県知事から是正命令が出され、命令に従わない場合は指定の取消し等の行政処分を受けることがあります。非常に厳しい行政処分の対象となる点を押さえておきましょう。
第24回 問題15
介護サービス情報の公表制度における居宅介護支援に係る公表項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 サービス担当者会議の開催等の状況
2 入退院に当たっての支援のための取組の状況
3 ターミナルケアの質の確保のための取組の状況
4 利用者のプライバシーの保護のための取組の状況
5 身体的拘束等の排除のための取組の状況
介護サービス情報の公表制度における「運営情報」のうち、特に居宅介護支援(ケアマネジメント)に特有の項目を問う問題です。公表項目には全サービス共通のものと、サービスごとに異なるものがあり、居宅介護支援ではサービス担当者会議の開催や、医療機関との連携、個人情報保護などが公表項目となっています。その他の事業との項目の違いを押さえる必要があります。
1 サービス担当者会議の開催等の状況
これは正解。居宅介護支援においてサービス担当者会議は、利用者のケアプランを適切に作成し、関係事業所と連携してサービスを提供するための中核的なプロセスです。これは利用者が事業所を選ぶ際の重要な判断基準となるため、「会議が適切に開催されているか」「記録が残されているか」などが公表項目に含まれています。
2 入退院に当たっての支援のための取組の状況
これは正解。近年の介護保険制度では、医療と介護の連携強化が重視されています。利用者が入院・退院する際に、介護支援専門員が病院と情報を共有し、切れ目のない支援を行っているか(入退院時連携)は、居宅介護支援事業所の質の評価として公表項目に含まれます。
3 ターミナルケアの質の確保のための取組の状況
これは誤り。ターミナルケア(看取り)における質の確保は、主に施設サービスや訪問看護等に関する項目であり、居宅介護支援の公表項目には含まれていません。
4 利用者のプライバシーの保護のための取組の状況
これは正解。利用者のプライバシー保護に関する取組は、居宅介護支援を含む多くのサービスに共通する公表項目です。特に居宅介護支援では相談業務を主とするため、個人情報の取り扱いやプライバシー保護は極めて重要な公表項目です。
5 身体的拘束等の排除のための取組の状況
これは誤り。身体拘束の排除への取組は、施設サービスや居住系サービスにおける項目に含まれますが、居宅介護支援では直接的な身体介護を行わないため、公表項目には含まれていません。
第26回 問題15
介護サービス情報の公表制度において、介護サービスの提供開始時に事業者が都道府県知事へ報告すべき情報として規定されているものはどれか。3つ選べ。
1 従業者の個人情報保護等のために講じる措置
2 従業者の教育訓練の実施状況
3 年代別の従業者の数
4 従業者の労働時間
5 従業者の健康診断の実施状況
1 従業者の個人情報保護等のために講じる措置
これは誤り。個人情報保護の取組は公表項目に含まれますが、主に利用者の個人情報保護に関する内容であり、「従業者」と限定した選択肢は不適切です。試験対策としては「誰の情報か」に注目し、曖昧な選択肢を見抜くことが重要です。
2 従業者の教育訓練の実施状況
これは正解。サービスの質を確保するための職員研修やスキルアップへの取組などは、利用者が事業者を判断する上で重要な指標であり、公表制度の趣旨に合致する公表項目です。
3 年代別の従業者の数
これは誤り。従業者の数として公表項目とされているのは職種別、勤務形態別の人数で、年代別という区分は項目にありません。試験では「どこまで詳細な情報を求めるか」という点がポイントとなり、正確な項目の把握が必要です。
4 従業者の労働時間
これは正解。介護サービス従業者の労働時間は、適切な運営管理を行っているかを判断するために重要であり公表項目とされています。
5 従業者の健康診断の実施状況
これは正解。従業者の健康管理は、サービス提供事業者として安全で安定的なサービスを提供するために重要視される内容であり、サービス公表制度の公表すべき重要項目に位置づけられています。
第28回 問題13
介護サービス情報の公表制度における居宅介護支援に係る公表項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 要介護認定等の申請に係る援助の取組の状況
2 介護と看護の連携の状況
3 サービス担当者会議の開催等の状況
4 ターミナルケアの質の確保のための取組の状況
5 公正・中立な居宅介護支援のための取組の状況
1 要介護認定等の申請に係る援助の取組の状況
これは正解。要介護認定等の申請に係る援助とは、本人や家族に代わって行う「要介護認定の申請代行」などで、利用者がスムーズに介護保険サービスを受けられるよう、申請代行や認定調査への協力など、申請全般にわたる援助の取組状況が公表項目となっています。
2 介護と看護の連携の状況
これは誤り。医療と介護の連携は重要な視点ですが、この表現での項目は居宅介護支援の公表項目には規定されていません。入退院時の支援の取組など、別の形で連携に関する項目が設けられています。
3 サービス担当者会議の開催等の状況
これは正解。第24回にも出題されている内容です。介護支援計画の作成や見直しに際し、多職種が集まる「サービス担当者会議」を適切に開催しているか、会議が形式的なものにならず、多職種が実質的に参加・協議できているかなどが問われるポイントです。
4 ターミナルケアの質の確保のための取組の状況
これは誤り。ターミナルケアは訪問看護や施設系サービスにおいての公表項目となっていますが、居宅介護支援については含まれていません。居宅介護支援はあくまで相談対応や計画作成など、調整が主な業務であり直接ケアに関わる項目は含まれていません。
5 公正・中立な居宅介護支援のための取組の状況
これは正解。公正・中立性の確保は居宅介護支援固有かつ特に重要な公表項目です。特定の法人への集中減算の有無や、中立性を確保するための相談窓口の設置など、その取組状況は居宅介護支援における必須の公表項目となっています。


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