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【介護保険サービス】介護給付、予防給付、地域支援事業

介護保険サービスの概要 介護支援分野

ここからは具体的な介護保険サービスを見ていきます。制度的には介護給付、予防給付、地域支援事業の3種類に分かれますが、利用者目線のサービス種別としては居宅サービス、施設サービスなどに分類できます。見ていきましょう。

介護保険サービス

介護保険サービスには、大きく分けて保険給付と地域支援事業があります。保険給付は全国共通のサービスで、地域支援事業は保険者である市区町村の裁量で行われる事業です。

保険給付地域支援事業
介護給付(要介護者)介護予防・日常生活支援総合事業
(要支援者、その他)
・訪問サービス・介護予防・生活支援サービス事業
(要支援者+基本チェックリスト該当者)
・通所サービス・一般介護予防事業
・短期入所サービス包括的支援事業(その他)
・施設サービス・地域包括支援センター事業
・地域密着型介護サービス・在宅医療・介護連携推進事業
・福祉用具貸与、特定福祉用具販売・認知症総合支援事業
・住宅改修・生活支援体制整備事業
予防給付(要支援者)・地域ケア会議推進事業
・訪問サービス任意事業
・通所サービス・介護給付費適正化事業
・短期入所サービス・家族介護支援事業
・地域密着型介護予防サービス・介護サービス相談員派遣事業
・福祉用具貸与、特定福祉用具販売・その他
・住宅改修
市町村特別給付
(条例で定めて実施する市町村の独自給付)

市町村特別給付」は、介護給付や予防給付などの法定給付とは別に市町村が独自に行う給付を指します。具体的な例として、配食サービスや紙おむつの支給など、通常の介護保険で対象とならないサービスを地域の実情に応じて実施するもので、内容は市町村の条例によって定めることとされています。

介護保険サービス

介護給付

介護給付は要介護者が対象で、施設サービス、居宅サービス、地域密着型サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、住宅改修、居宅介護支援などがあります。

ケアプラン作成

居宅介護支援は居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネジャー)が居宅サービス計画と施設サービス計画を作成するサービスです。

施設サービス

介護を必要とする高齢者の施設は3種類あります。以下の3つは介護保険施設と呼ばれます。

施設目的要介護度生活施設医療
介護医療院長期療養とリハビリ1~5
介護老人保健施設(老健)在宅復帰に向けたリハビリ1~5
介護老人福祉施設(特養)3~5

特別養護老人ホームは老人福祉法で規定されていますが、介護保険法では特養を「介護老人福祉施設」といいます。特養を介護保険法で規定する介護老人福祉施設として都道府県が指定することで介護保険施設となります。

つまり特養は老人福祉法で規定される特別養護老人ホームとして市町村の措置によって入所するケースと、介護保険法で規定する介護老人福祉施設として契約で入所するケースがあるのです。

1963年に老人福祉法が制定されてから、現在でも特養は措置です。

カリスマくん
カリスマくん

1990年の福祉八法改正で老人福祉法の措置権限は都道府県から市町村へ移譲されたね。

居宅サービス

施設から在宅の流れで在宅生活を支えるため、自宅で生活しながら受けられるサービスとして、デイサービスホームヘルプショートステイの3種類の居宅サービス(在宅福祉サービス)があります。

訪問サービス通所サービス短期入所サービス
訪問介護(ホームヘルプ)通所介護(デイサービス)短期入所生活介護(ショートステイ)
訪問入浴介護通所リハビリテーション(デイケア)短期入所療養介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導

地域密着型介護サービス

介護給付には地域密着型サービスがあります。これは要介護高齢者や認知症高齢者などが住み慣れた地域で生活できるよう、地域の特性を活かし地域の実情に即したサービスを提供するために事業者の指定や監督は市町村が行います。地域に根差した事業所として小規模に設定されていて、その事業所と同じ市町村に住む人しか利用できません。以下の10種類のサービスがあります。

地域密着型サービス詳細
小規模多機能型居宅介護通称「小多機(しょうたき)」。24時間365日対応で、デイサービス・ショートステイ(宿泊)・訪問介護と、3つの機能を1つの事業所が提供。
看護小規模多機能型居宅介護通称「看多機(かんたき)」。小規模多機能型居宅介護に訪問看護が加わったサービス。
夜間対応型訪問介護夜間の定期巡回による訪問介護、利用者の求めに応じた随時の訪問介護を実施。
地域密着型通所介護利用定員18人以下の小規模な通所介護(デイサービス)。
認知症対応型通所介護認知症高齢者を対象とした通所介護(デイサービス)。
療養通所介護医療と介護両方の通所介護(デイサービス)。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)認知症高齢者を対象としたグループホーム。
地域密着型特定施設入居者生活介護都道府県により「特定施設」の指定を受けた定員30人未満の小規模な介護専用の有料老人ホームや軽費老人ホーム。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護定員29人未満の小規模な介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護24時間365日対応で、訪問介護と訪問看護が一体となったサービス。
カリスマくん
カリスマくん

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問介護と訪問看護を組み合わせて提供する24時間対応のサービスだよ。普通の訪問介護は日中しか利用できないね。

その他

介護給付には、特定施設入居者生活介護というサービスもあります。特定施設(有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホーム)に入居している要介護者を対象に、日常生活や療養上の世話、機能訓練などを行います。例えばサ高住のうち有料老人ホームに該当するものは特定施設となり、有料老人ホームが特定施設入居者生活介護の指定を受けると介護付き有料老人ホームとなります。

介護付き有料老人ホーム

予防給付

予防給付は、要介護状態になる前の要支援者が対象です。介護給付と違って施設サービスはなく、居宅系サービスが主になります。訪問サービス、通所サービス、短期入所サービス、地域密着型介護予防サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、住宅改修などがあります。

ケアプラン作成

介護予防支援は介護予防サービス計画(ケアプラン)を作成するサービスで、地域包括支援センターの社会福祉士や主任ケアマネジャーが作成します。

居宅サービス

訪問サービス通所サービス短期入所サービス
介護予防訪問入浴介護介護予防通所リハビリテーション介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
介護予防訪問看護介護予防短期入所療養介護
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防居宅療養管理指導

訪問介護と通所介護は、地域支援事業の総合事業に移りました。

地域密着型介護予防サービス

地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防小規模多機能型居宅介護
介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

その他

予防給付に施設サービスはありませんが、介護給付にあった特定施設入居者生活介護の介護予防版である介護予防特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホーム)があります。

介護給付と予防給付のまとめ

  介護給付 予防給付 事業所指定
メインサービス 居宅介護サービス 介護予防サービス 都道府県・政令市・中核市
施設サービス 介護老人福祉施設等 なし 都道府県・政令市・中核市
ケアプラン作成 居宅介護支援 介護予防支援 市町村
地域密着型 地域密着型介護サービス 地域密着型介護予防サービス 市町村

各サービスには要介護度によって受けられるサービスが異なります。施設サービス3種類は要支援者は受けられず、その中でも特養と小規模特養は要介護3以上でないと受けられません(要介護1、2でもやむを得ない事情で特養以外での生活が困難であれば特例入居が可能)

また、地域密着型サービスの中には要支援者は受けられないものがありますが、その中でも認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は要支援2は受けられても要支援1は利用できないので注意が必要です。

種別 サービス 要支援 要介護
1 2 1 2 3 4 5
訪問サービス 訪問介護
訪問入浴
訪問看護
訪問リハビリテーション
通所サービス 通所介護(デイサービス)
通所リハビリテーション(デイケア)
短期入所サービス 短期入所生活介護
短期入所療養介護
施設サービス 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)        
介護老人保健施設    
介護医療院    
地域密着型サービス 地域密着型通所介護    
看護小規模多機能型居宅介護    
療養通所介護    
夜間対応型訪問介護    
定期巡回・随時対応型訪問介護看護    
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護    
地域密着型特定施設入居者生活介護    
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)  
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護
福祉用具 福祉用具貸与 詳しくはこちら
特定福祉用具販売
住宅改修

地域支援事業

地域支援事業は市町村が主体となって行い、サービスの運営基準や利用料などを独自に定めることができます。「介護予防・日常生活支援総合事業」「包括的支援事業」「任意事業」の3つに分類されます。

介護予防・日常生活支援総合事業

介護予防・日常生活支援総合事業は「総合事業」とも呼ばれ、市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者等の方に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指すものです。

カリスマくん
カリスマくん

「住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進」というのは聞こえはいいけど、アルバイトやボランティアなどの専門職でない人も使って支え合ってねということ。総合事業の財源は、保険者である市町村への給付の上限額が設定されていて、給付額だけでは不足する場合は、市町村が給付額を負担しなければならないんだ。介護予防給付の訪問介護と通所介護が総合事業に移行されたけど、結局、国はできるだけ総合事業に寄せていきたいんだね。

総合事業には大きく分けて「介護予防・生活支援サービス事業」と「一般介護予防事業」があります。

「介護予防・生活支援サービス事業」は、要支援者と基本チェックリスト該当者が対象の訪問型サービス(第1号訪問事業)、通所型サービス(第1号通所事業)、その他の生活支援サービス(第1号生活支援事業)、そしてケアプランを作成する介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)です。

「一般介護予防事業」は、市区町村が住民の互助や民間サービスと連携し、高齢者の生活機能の改善や生きがい作りを重視した介護予防に役立つ事業のことです。

介護予防・生活支援サービス事業一般介護予防事業
訪問型サービス(第1号訪問事業)介護予防把握事業
通所型サービス(第1号通所事業)介護予防普及啓発事業
その他の生活支援サービス(第1号生活支援事業)地域介護予防活動支援事業
介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)一般介護予防事業評価事業
地域リハビリテーション活動支援事業

その他の生活支援サービス(第1号生活支援事業)は、外出や調理の実施が困難な方に対して栄養改善を目的とした配食サービスや、住民ボランティア等が行う見守り、「訪問型サービス」「通所型サービス」を一体的に提供します。

介護予防ケアマネジメントはケアプランを作成するサービスですが、要支援者は介護予防支援でもケアプランが作成できます。どちらも地域包括支援センターが実施しますが、予防給付を利用する場合は介護予防支援、介護予防・日常生活支援総合事業のみを利用する場合は介護予防ケアマネジメントを利用します。

カリスマくん
カリスマくん

基本チェックリストで生活機能低下のおそれがある高齢者を早期に把握して、総合事業に繋げるんだね。

包括的支援事業

包括的支援事業には以下の事業があります。

地域包括支援センター事業社会保障充実分
介護予防ケアマネジメント業務在宅医療・介護連携推進事業
総合相談支援業務生活支援体制整備事業
権利擁護業務認知症総合支援事業
包括的・継続的ケアマネジメント支援業務地域ケア会議推進事業

※社会保障充実分の4事業のうち、地域ケア会議推進事業以外の3つは地域包括支援センター以外に委託が可能

カリスマくん
カリスマくん

地域包括支援センター事業の包括的・継続的ケアマネジメント支援業務は高齢者ではなくケアマネジャーへの支援であることに注意してね。地域包括支援センターの業務はこの4種類の地域包括支援センター事業に加えて、要支援者のケアプランを作成する介護予防支援もあるね。

<包括的支援事業>
・地域包括支援センター事業:地域包括支援センターが実施
・在宅医療・介護連携推進事業:高齢者が退院するときに医療と介護の連携調整
・認知症総合支援事業:認知症初期集中支援チームで最長6カ月集中支援
・生活支援体制整備事業:生活支援コーディネーター協議体を設置
・地域ケア会議推進事業:地域ケア会議を推進

また地域ケア会議については2015年から努力義務になっており、地域包括支援センター (市町村)が設置します。地域ケア会議では地域の様々な専門職が集まって個別ケースの課題解決を行い、地域に共通した課題を明確化していきます。その上で地域に共通した課題を解決するための資源開発や地域づくり、介護保険事業計画への反映を行っていきます。

任意事業

任意事業も時々出題されますが、特に「介護サービス相談員派遣事業」の介護相談員はボランティアなので、高齢者と専門機関の橋渡し程度の役割しか担えないことを覚えておいてください。

・介護給付費適正化事業
・家族介護支援事業
・介護サービス相談員派遣事業

区分支給限度基準額

区分支給限度基準額とは、要介護度ごとに定められた保険給付の1か月当たりの上限額のことで、これを超える部分は全額自己負担となります。原則的には居宅サービスおよび、地域密着型サービスのうち入所系サービス(グループホームや地域密着型特養)を除いたものが対象となります。

<区分支給限度基準額が適用されないサービス>
①居宅療養管理指導
②特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型を除く)(短期利用を除く)
③認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)
④地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用を除く)
⑤地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

区分支給限度基準額は国が基準を定めることとなっていますが、市町村は条例により一定の範囲で上乗せすることができるとされています。つまり、地域の実情に応じて、要介護度ごとの限度額に独自に給付を追加し、サービス費用や供給状況などの給付を拡充することが認められています。

専門職

サービス提供責任者

サービス提供責任者は、訪問介護事業所の運営責任者であり、ケアマネジャーが作成したケアプランをもとに、訪問介護計画書を作成します。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護支援専門員ケアマネジャー)は、要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、サービスを受けられるようにケアプランの作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行います。

ケアプラン原案を作成し、サービス調整を行った後、サービス担当者を集めてケアプランの内容を検討するサービス担当者会議を開催します。利用者の状態像の変化などによりケアプランを変更する際にも開催します。

カリスマくん
カリスマくん

サービス提供責任者はサ責と略して呼ばれるよ。障害福祉のサービス管理責任者はサビ管と呼ばれていたね。

事業者指定とサービス支給決定

介護保険制度は市町村が保険者なので基本的には「サービスの支給決定」は市町村が行います。

一方で「事業者の指定」については基本的に都道府県が行います。

これは障害福祉でも同じです。

だたし例外があって居宅介護支援介護予防支援地域密着型サービスは市町村が指定を行います。

カリスマくん
カリスマくん

居宅介護支援や介護予防支援はケアプランを作成するサービスだよ。障害福祉でもサービス等利用計画を作成する計画相談支援は市町村が指定するよ。

事業所の指定は6年ごとに更新が必要で、指定取消から5年経過しないと新たに指定を受けられません。

介護保険法に規定される介護保険サービスについて都道府県と市町村の役割をまとめます。

介護保険での都道府県の役割は
・サービス事業者の指定(例外あり)
・介護保険審査会の設置
・財政安定化基金の設置
介護保険での市町村の役割は
・サービスの支給決定
・サービス事業者の指定(地域密着型サービス、居宅介護支援、介護予防支援)
・介護認定審査会の設置

サービス事業者の指定

介護保険サービス事業者の指定については基本的に都道府県なのですが、以下のように「地域密着型サービス」「居宅介護支援」「介護予防支援」については市町村が担います。

市町村の方がより地域に密着した事業者の選定がしやすいからですね。

都道府県
・市町村が指定するもの以外
市町村
・地域密着型サービス事業者
・地域密着型介護予防サービス事業者
・居宅介護支援事業者(2018年~)
・介護予防支援事業者

以下の表で整理して覚えましょう。

  介護給付 予防給付 事業所指定
メインサービス 居宅介護サービス 介護予防サービス 都道府県・政令市・中核市
施設サービス 介護老人福祉施設等 なし 都道府県・政令市・中核市
ケアプラン作成 居宅介護支援 介護予防支援 市町村
地域密着型 地域密着型介護サービス 地域密着型介護予防サービス 市町村

上の表で、例えば「居宅介護サービス」と「居宅介護支援」の違いをしっかり押さえてください。

「居宅介護サービス」はホームヘルプ、デイサービス、ショートステイなどで、都道府県が指定します。

「居宅介護支援」はケアマネがケアプランを作成するサービスで市町村が指定します。

障害福祉でもサービス等利用計画を作成する「特定相談支援」は市町村が指定します。

つまり高齢福祉でも障害福祉でも、ケアプランを作成するサービスは市町村が指定します。

カリスマくん
カリスマくん

居宅介護支援は居宅介護支援事業者が、介護予防支援は地域包括支援センターが担っているよ。ただし2024年度から地域包括支援センターの業務負担軽減のため、介護予防支援は居宅介護支援事業者でも指定を受けられるようになったよ。ケアマネさんがんばって!

サービスの支給決定

サービスの支給決定を担うのは市町村で、例外はありません。

要介護認定

要介護認定も保険者である市町村が担います。市町村が設置する「介護認定審査会」で判定され、市町村が決定します。

不服申立て

要介護認定などに不服がある場合は、都道府県が設置する「介護保険審査会不服申立てを行います。

要介護認定は市町村が行うのですから、その不服申立ても市町村が担うとおかしなことになりますので、都道府県が担います。

要介護認定は専門的な判定が伴うのに、なぜ市町村が担うのかというと、地域により近い市町村がよりスピーディーに判定するということに加えて、不服申し立て先を分ける必要があるからです。

介護保険審査会への審査請求は、民法上の「裁判上の請求」とみなされるため、審査請求を行うことで、それまで進行していた時効は更新され、裁判を起こした場合と同様の効果が生じることになります。

財政安定化基金

都道府県は財政安定化基金設置して、市町村の介護保険財政が不足した際に資金を援助し、介護保険の財政安定化を図らなければなりません。

財政安定化基金の財源拠出割合は、国:都道府県:市町村(第1号保険料)=1:1:1で、三者がそれぞれ3分の1ずつ同じ割合で拠出します。第2号被保険者(40〜64歳)の保険料は含まれず、すべてが第1号被保険者(65歳以上)の保険料から賄われます。

基金の運用によって生じた利子などの収入は、他の目的に使うことはできず、すべて基金に繰り入れて管理することとされています。

介護保険関連の機関

機関設置役割や目的など
財政安定化基金都道府県介護保険制度の財政安定化
介護認定審査会市町村要介護認定
介護保険審査会都道府県要介護認定などの不服申立て
介護給付費等審査委員会国民健康保険団体連合会・介護サービス事業者から提出された介護給付費請求書(レセプト)の審査

要介護認定は市町村が行うので、その不服申立ては「都道府県」が設置する介護保険審査会に行います。介護保険審査会は、被保険者を代表する委員(3人)、市町村を代表する委員(3人)、公益を代表する委員(3人以上で政令で定める基準に従い条例で定める員数)で構成されます。

国民健康保険団体連合会(国保連)の役割として、レセプトの審査以外に、「介護保険サービスに関する苦情対応、事業者への助言や指導」を覚えておいてください。

カリスマくん
カリスマくん

国保連には事業者に助言や指導ができる強い権限があるんだ。

過去問

第23回 問題2

要支援者が利用できるサービスとして正しいものはどれか。3つ選べ。
1 認知症対応型共同生活介護
2 認知症対応型通所介護
3 看護小規模多機能型居宅介護
4 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
5 小規模多機能型居宅介護

介護保険における「要支援者」が利用できるサービスの種類を問う問題です。要支援1・2の認定を受けた方は、介護予防サービスの対象となりますが、地域密着型サービスの中には要支援者が利用できないものも多く、その区別を正確に理解しているかが問われます。

1 認知症対応型共同生活介護
これは誤り。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、要支援2の認定を受けていれば「介護予防認知症対応型共同生活介護」として利用が可能です。また、要支援1では利用できないことが注意ポイントです。

2 認知症対応型通所介護
これは正解。認知症対応型通所介護は、認知症の方を対象とした専門的な地域密着型デイサービスのことで、要支援1・2の方でも利用可能です。地域密着型サービスの中で、要支援1・2のどちらの区分でも利用できる数少ない予防サービスの一つであり試験にも頻出です。

3 看護小規模多機能型居宅介護
これは誤り。看護小規模多機能型居宅介護(通称かんたき)は、訪問看護と小規模多機能型居宅介護を組み合わせた複合型サービスです。対象者は要介護1以上と規定されており、要支援では利用できず誤りです。

4 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
これは誤り。地域密着型介護老人福祉施設生活介護は、定員29名の小規模特養のことをいいます。入所要件は要介護3以上が規定されているため、要支援の方は利用できません。

5 小規模多機能型居宅介護
これは正解。「介護予防小規模多機能型居宅介護」として、要支援1・2ともに利用可能です。通い・泊まり・訪問を組み合わせて提供する地域密着型サービスの一つです。

第23回 問題4

介護保険制度における都道府県の事務として正しいものはどれか。2つ選べ。
1 財政安定化基金の設置
2 地域支援事業支援交付金の交付
3 第2号被保険者負担率の設定
4 介護保険審査会の設置
5 介護給付費等審査委員会の設置

介護保険制度における国、都道府県、市町村は、それぞれ異なる役割を持っており、保険者である市町村を、国や都道府県が支援する仕組みとなっています。ここでは安定した財源の確保のための保険料の徴収や、都道府県における財政安定化基金の仕組み、介護保険審査会の設置と運営など、それぞれの行政機関としての関わりなどを理解することが重要なポイントとなります。

1 財政安定化基金の設置
これは正解。財政安定化基金は各都道府県に設置され、市町村の介護保険財政が悪化した際に資金の貸付や交付を行う機関です。これは第1号被保険者の総数や所得の違いなどによって、市町村間での財政に格差が生じた場合に備え、国・都道府県・市町村がそれぞれ3分の1ずつ財源を負担し必要な時に資金を交付することで市町村財政の安定化を図ります。試験では「市町村に設置する」などの間違い選択肢が頻出なので役割と設置機関を間違えない様に覚えましょう。

2 地域支援事業支援交付金の交付
これは誤り。地域支援事業支援交付金とは、市町村が実施する地域支援事業の費用をまかなうために、国から交付される資金のことです。これは都道府県が交付するのではなく、国が社会保険診療報酬支払基金を通じて支払うこととされています。

3 第2号被保険者負担率の設定
これは誤り。第2号被保険者(40〜64歳)の負担割合の設定は都道府県ではなく、国が介護保険財源全体のバランスを考慮して、全国一律的に政令にて定めるものです。また、3年ごとに策定される介護保険事業計画によって見直されています。

4 介護保険審査会の設置
これは正解。介護保険審査会は、市町村が行った行政処分に対して被保険者が不服申し立て(審査請求)を行う機関で、市町村の上級庁である都道府県に設置されます。市町村が行う行政処分については、要介護認定の決定や、被保険者証の交付に関する処分、保険料の滞納処分に関することなど、これらの処分が法令や条例に基づいて適法・適切に行われたかどうかを審査します。処分に不服がある被保険者は、原則として処分を知った日の翌日から起算して3か月以内に審査請求を行うことができます。

5 介護給付費等審査委員会の設置
これは誤り。介護給付費等審査委員会は、介護サービス事業者から請求された介護報酬の請求内容が適正がどうかを審査する機関で、国民健康保険団体連合会(国保連)に設置されます。介護保険審査会や介護認定審査会など、類似した機関があるため、混同しないように注意が必要です。

第23回 問題16

介護保険に関して市町村が有する権限について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 被保険者の保険料に関し、被保険者の収入について調査する。
2 住宅改修を行う者に対し、文書の提出を求める。
3 介護給付費・地域支援事業支援納付金の算定のために、医療保険者から報告を徴収する。
4 被保険者に対する老齢等年金給付の支給状況について、年金保険者に対し資料の提供を求める。
5 介護サービス情報について、指定居宅サービス事業者を調査する。

介護保険制度は、市町村が保険者として、保険料の賦課・徴収、給付管理、適正化のための調査などの権限を有しており、被保険者の所得調査や年金の受給状況、住宅改修に関する届け出など、不正を防ぎ適正な給付を行うための権限を幅広く有している事がポイントです。

1 被保険者の保険料に関し、被保険者の収入について調査する。
これは正解。市町村は介護保険法第202条に基づき、保険加入者から集める保険料を決定するにあたり、被保険者の所得や収入を調査することができます。これは、適切な保険料を決定するために不可欠な権限であると言えます。

2 住宅改修を行う者に対し、文書の提出を求める。
これは正解。介護保険法第23条に基づいて、市町村は住宅改修を行う者(施工業者や被保険者)に対して、文書その他の物件の提出・提示を求めることができます。不正請求の防止や内容確認の為の権限を持ちます。

3 介護給付費・地域支援事業支援納付金の算定のために、医療保険者から報告を徴収する。
これは誤り。「介護給付費・地域支援事業支援納付金の算定」は、市町村の役割でなく、社会保険診療報酬支払基金の役割で、国や関係機関が中心に行います。したがって、市町村には上記内容の報告を徴収する権限はありません。

4 被保険者に対する老齢等年金給付の支給状況について、年金保険者に対し資料の提供を求める。
これは正解。介護保険法第203条に基づき、市町村は保険料の決定や給付に必要がある場合、年金保険者(日本年金機構など)に対して、老齢年金等の給付状況に関する資料提供を求めることができるとされています。

5 介護サービス情報について、指定居宅サービス事業者を調査する。
これは誤り。介護サービス情報の公表や、それに伴う指定居宅サービス事業者の調査・公表事務は都道府県の管轄となり、市町村の役割ではありません。

第24回 問題6

介護保険法において市町村が条例で定めることとされている事項として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 保健福祉事業
2 区分支給限度基準額の上乗せ
3 市町村特別給付
4 指定介護老人福祉施設に係る入所定員の人数
5 地域包括支援センターの職員の員数

介護保険法において、市町村が地域の実情に応じて条例で定めることができる事項はいくつかあり、代表的なものは、介護保険給付を補うために独自の給付として行う市町村特別給付や、区分支給限度基準額の上乗せなどがあります。また、地域包括支援センターについても、人員配置や運営に関する基準を条例で定めることとされており(介護保険法第115条の46第5項)、地域活動の拠点となる地域包括支援センターの運営(人員・運営基準)は市町村の裁量が大きいため、試験ではここが頻出ポイントとなります。

1 保健福祉事業
これは誤り。保健福祉事業は、市町村が「行うことができる(任意)」事業(介護保険法第115条の50)であるため、「(実施する場合には)条例で定める」ことにはなりますが、制度上必ず設置・規定しなければならない事項ではありません。


2 区分支給限度基準額の上乗せ
これは正解。介護サービスの区分支給限度基準額は国が基準を定めることとなっていますが、市町村は条例により一定の範囲で上乗せすることができるとされています。つまり、地域の実情に応じて、要介護度ごとの限度額に独自に給付を追加し、サービス費用や供給状況などの給付を拡充することが認められています。

3 市町村特別給付
これは正解。「市町村特別給付」とは、介護保険の法定給付とは別に市町村が独自に行う給付を指します。具体的な例として、配食サービスや紙おむつの支給など、通常の介護保険で対象とならないサービスを地域の実情に応じて実施するもので、内容は市町村の条例によって定めることとされています。

4 指定介護老人福祉施設に係る入所定員の人数
これは誤り。指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホームなど)は、都道府県が指定・監督を行う介護保険施設であり、入所定員や施設運営の基準は都道府県の条例で定められ、市町村が条例で定める事項ではありません。試験対策としては、市町村が条例で定める市町村特別給付などと混同しないよう注意が必要です。

5 地域包括支援センターの職員の員数
これは正解。地域包括支援センターは市町村が設置主体のため、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などの職員配置は、国が示す基準を参考に、市町村が条例で地域の実情に合わせて決定します。ただし国の基準が最低基準であり、市町村条例がそれを下回ることはできません。試験対策としては「国の基準を参考に、市町村が条例で基準を定める」という仕組みを理解することが重要です。

第24回 問題7

区分支給限度基準額が適用されるサービスとして正しいものはどれか。3つ選べ。
1 福祉用具貸与
2 小規模多機能型居宅介護
3 居宅療養管理指導
4 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
5 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

区分支給限度基準額とは、要介護度ごとに定められた保険給付の上限額のことで、原則的には居宅サービスおよび、地域密着型サービスのうち入所系サービス(グループホームや地域密着型特養)を除いたものが対象となります。試験では、どのサービスが適用除外であるかなど、その区別を正確に理解しているかが重要ポイントです。

1 福祉用具貸与
これは正解。車いすやベッドのレンタルなど、福祉用具貸与は区分支給限度基準額の対象です。同じ福祉用具でも、特定福祉用具販売や住宅改修は、区分支給限度額に含まれていないため注意が必要です。

2 小規模多機能型居宅介護
これは正解。小規模多機能型居宅介護は、通い・訪問・泊りを組み合わせて利用する地域密着型サービスで、区分支給限度基準額の対象サービスです。ただし、小規模多機能を利用すると他の訪問介護や通所介護との併用が原則制限されることや、月額定額制(包括報酬)であり、その利用料は区分支給限度基準額の範囲内で算定されることがポイントです。

3 居宅療養管理指導
これは誤り。居宅療養管理指導は、通院が困難な利用者に対し医師・歯科医師・薬剤師が自宅を訪問し、療養上の管理指導を行うサービスで、区分支給限度基準額の適用除外となっています。これは、利用制限を行うことで必要な医療が制限されることに配慮し、介護支援専門員ではなく医師の指示によって利用できるものとされています。

4 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
これは誤り。地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、定員29名以下の小規模な特別養護老人ホームへ入所するサービスのことで、原則的に施設サービスは区分支給限度基準額の適用除外となっています。区分支給限度基準額の適用は、あくまで居宅サービスを対象にしたものであり、施設入所系サービスはすべて対象外となります。

5 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
これは正解。定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間体制で訪問介護や看護を行う地域密着型サービスで、区分支給限度基準額の対象となりますが、小規模多機能型居宅介護と同様に、訪問介護など一部サービスと重複利用できないなど、併用には一定の制限があります。

第24回 問題9

都道府県知事が指定する事業者が行うサービスとして正しいものはどれか。2つ選べ。
1 特定福祉用具販売
2 認知症対応型共同生活介護
3 介護予防支援
4 介護予防短期入所療養介護
5 看護小規模多機能型居宅介護

都道府県が指定する介護保険サービスについては、原則として居宅サービスと施設サービスは都道府県知事、地域密着型サービスと介護予防支援は市町村長がそれぞれ指定を行うこととされています。特に地域密着型サービスや介護予防サービスなどの指定権者を問われる問題が多く、試験対策としては、都道府県が指定するサービスと、市町村が指定するサービスとの違いを理解する必要があります。

1 特定福祉用具販売
これは正解。特定福祉用具の販売は居宅サービスの一つに分類され、指定権者は都道府県知事になります。福祉用具は貸与(レンタル)も販売も、どちらも都道府県知事による指定が必要なサービスであると覚えましょう。

2 認知症対応型共同生活介護
これは誤り。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、地域密着型サービスに分類され指定権者は市町村長になります。試験では、認知症対応型、小規模多機能型、看護小規模多機能型などは地域密着型サービスであり、市町村長が指定する点を押さえる必要があります。

3 介護予防支援
これは誤り。要支援者の予防ケアプランを作成する介護予防支援は、地域包括支援センター(又はその委託を受けた居宅介護支援事業者)が実施し、指定権限は市町村長にあります。居宅介護支援(通常の要介護者ケアプラン)は都道府県知事が指定するのと対照的であり、混同しないように注意しましょう。

4 介護予防短期入所療養介護
これは正解。介護予防短期入所療養介護は、要支援者を対象とした、介護老人保健施設などの短期入所サービス(ショートステイ)です。介護予防サービス(要支援者対象)であっても、地域密着型(介護予防小多機など)を除いたものは、居宅サービスと同様に都道府県知事が指定を行います。

5 看護小規模多機能型居宅介護
これは誤り。看護小規模多機能型居宅介護は、訪問看護と小規模多機能型居宅介護を組み合わせた複合型サービスであり、地域密着型サービスに分類されるため、指定権者は市町村長となります。

第24回 問題11

財政安定化基金について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 市町村は、財政安定化基金を設けるものとする。
2 その財源の負担割合は、国2分の1、都道府県4分の1、市町村4分の1である。
3 財政安定化基金から生ずる収入は、すべて財政安定化基金に充てなければならない。
4 その財源には、第2号被保険者の保険料も充当する。
5 給付費の増大により市町村の介護保険財政に不足が見込まれる場合には、必要な額を貸し付ける。

財政安定化基金は、介護保険の急な給付費増加で市町村の財政が赤字になったときに支援する重要な仕組みです。基金は「都道府県が設置」し、国・都道府県・市町村がそれぞれ3分の1ずつ財源を拠出します。必要に応じて市町村へ資金の貸付や交付を行い、介護保険制度の安定的な運営を確保する役割があります。

1 市町村は、財政安定化基金を設けるものとする。
これは誤り。財政安定化基金を設置するのは市町村でなく「都道府県」の役割です。市町村ごとの介護保険財政が不安定になった場合に、広域的に支援するため都道府県が基金を管理・運営します。

2 その財源の負担割合は、国2分の1、都道府県4分の1、市町村4分の1である。
これは誤り。財政安定化基金の財源拠出割合は、国:都道府県:市町村(第1号保険料)=1:1:1で、3者がそれぞれ3分の1ずつ同じ割合で拠出します。特定の主体が半分を負担するのではなく、三者が公平に責任を分担して制度全体を支える形です。重要な注意点として、通常の介護報酬の公費負担割合(国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%など)とは異なるため、混同しないよう注意が必要です。

3 財政安定化基金から生ずる収入は、すべて財政安定化基金に充てなければならない。
これは正解。基金の運用によって生じた利子などの収入は、他の目的に使うことはできず、すべて基金に繰り入れて管理することとされています。これは基金の財源を維持し、制度の目的に沿って安定的に活用するための仕組みであり、将来の事業や市町村への支援に充てることができるようにしています。

4 その財源には、第2号被保険者の保険料も充当する。
これは誤り。財政安定化基金の財源は、国・都道府県・市町村がそれぞれ3分の1ずつ拠出する公費で構成されています。最大の注意点は、第2号被保険者(40〜64歳)の保険料は一切含まれず、すべてが第1号被保険者(65歳以上)の保険料から賄われます。

5 給付費の増大により市町村の介護保険財政に不足が見込まれる場合には、必要な額を貸し付ける。
これは正解。財政安定化基金は、市町村の介護保険財政が不足した際に資金を援助する仕組みです。不足の理由により対応が異なり、「給付費の増大(見込み違い)」による赤字の場合は、全額が「貸付」となります。一方、「保険料の収納不足(未納)」による赤字の場合は、「2分の1を交付、残り2分の1を貸付」で対応することとされています。

第26回 問題8

介護保険法において現物給付化されている保険給付として正しいものはどれか。2つ選べ。
1 居宅介護サービス計画費の支給
2 特定入所者介護サービス費の支給
3 居宅介護福祉用具購入費の支給
4 高額介護サービス費の支給
5 高額医療合算介護サービス費の支給

介護保険制度における現物給付とは、利用者がサービスそのものを受け取る方式で、事業者が保険者に直接請求します。一方、償還払い(現金給付)は利用者が一旦全額を支払い、後から保険分が払い戻される方式です。どの給付が現物給付化されているかの正確な理解が試されます。

1 居宅介護サービス計画費の支給
これは正解。居宅介護サービス計画費は、ケアプラン作成にかかる費用で全額保険給付とされており利用者負担はなく、保険者から事業者へ直接支払われるため現物給付として扱われています。

2 特定入所者介護サービス費の支給
これは正解。特定入所者介護サービス費(補足給付)は、低所得者が施設に入所した際の「食費・居住費」が減額される制度です。これは利用者が施設窓口で「負担限度額認定証」を提示することで、あらかじめ減額された金額だけを支払うことができる仕組みです。差額分は市町村から施設へ直接支払われる(代理受領)仕組みであり、現物給付として扱われます。

3 居宅介護福祉用具購入費の支給
これは誤り。居宅介護福祉用具購入費とは、介護保険制度における保険給付の一つであり、自宅で生活する要支援・要介護認定者が、入浴や排泄などに使用する特定福祉用具を購入した際に、その費用の一定割合(原則9割、所得に応じて7~9割)が支給される制度です。福祉用具の「購入」と「住宅改修」は、原則として「現金給付(償還払い)」となります。

4 高額介護サービス費の支給
これは誤り。高額介護サービス費とは、1か月の利用者負担が上限額を超えた場合に、超過分が払い戻される給付です。超過分を後から払い戻す仕組みのため、現金給付(償還払い)として支給される制度です。

5 高額医療合算介護サービス費の支給
これは誤り。高額医療合算介護サービス費とは、介護保険と医療保険の両方の自己負担額を合算し、1年間で上限を超えた場合に払い戻される制度です。こちらも支払った金額に対して後日「現金」が支給される現金給付の制度です。

第27回 問題6

区分支給限度基準額が適用されるサービスとして正しいものはどれか。3つ選べ。
1 訪問介護
2 地域密着型通所介護
3 居宅療養管理指導
4 認知症対応型通所介護
5 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

1 訪問介護
これは正解。ホームヘルパーが自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行う在宅サービスの代表格です。これは区分支給限度基準額の対象となり、他の在宅サービスと合算して限度額内に収める必要があります。

2 地域密着型通所介護
これは正解。地域密着型通所介護は、定員18名以下の小規模なデイサービスで、地域密着型サービスに分類されます。そのため、区分支給限度基準額の対象となり、通常規模の通所介護(居宅サービス)と同様に限度額管理が必要です。

3 居宅療養管理指導
これは誤り。居宅療養管理指導は、医師・歯科医師・薬剤師などが自宅を訪問して療養上の管理・指導を行うサービスです。これは第24回問題7でも同じ選択肢が出題されており、区分支給限度基準額の適用除外となっています。

4 認知症対応型通所介護
これは正解。認知症対応型通所介護は、認知症の方に特化したデイサービスで、地域密着型サービスに分類されます。選択肢2の地域密着型通所介護と同様に、通所系サービスは地域密着型であっても限度額が適用されますので間違えないように注意しましょう。

5 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
これは誤り。地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、定員29名以下の小規模な特別養護老人ホームへの入所サービスで、地域密着型サービスに分類されますが、入所系サービスは包括報酬のため、区分支給限度基準額の適用除外となっています。第24回でも同じ選択肢で出題されており、「施設系は除外」という原則を改めて確認しましょう。

第27回 問題7

市町村長が指定する事業者が行うサービスとして正しいものはどれか。3つ選べ。
1 居宅介護支援
2 通所介護
3 認知症対応型共同生活介護
4 介護予防短期入所生活介護
5 介護予防支援

1 居宅介護支援
これは正解。居宅介護支援は介護支援専門員が所属する事業所で、2018年(平成30年)の改正により、指定権者が都道府県知事から市町村長へ移管されました。保険者である市町村が直接指定・監督することで、ケアマネジメントの質の向上と保険者機能の強化が図られています。

2 通所介護
これは誤り。定員が19名以上の通常規模の通所介護は、居宅サービスに分類され、指定権者は都道府県知事になります。一方、18名以下の小規模デイサービスは「地域密着型通所介護」となり市町村長が指定します。このように、規模によりサービス区分と指定権者が異なる点に注意が必要です。

3 認知症対応型共同生活介護
これは正解。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、地域密着型サービスに分類されるため、市町村長が指定します。このように地域密着型サービスは、住み慣れた地域で生活を続けるために創設されたサービスであるため、より住民に近い市町村が指定・監督を行うという原則を覚えておくと良いでしょう。

4 介護予防短期入所生活介護
これは誤り。介護予防短期入所生活介護は、要支援者が利用できる入所サービス(ショートステイ)で、指定権限は都道府県知事にあります。短期入所系(生活介護・療養介護)は、どちらも都道府県の管轄であると整理しておきましょう。

5 介護予防支援
これは正解。介護予防支援は、地域包括支援センターの設置者や、2024年改正により居宅介護支援事業者も指定を受けられるようになったサービスであり、選択肢1の居宅介護支援と同様、指定権者は市町村長になります。

第27回 問題16

介護保険に関して市町村が有する権限について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 被保険者に対する老齢等年金給付の支給状況について、年金保険者に対し資料の提供を求める。
2 要介護認定に関する審査請求事件について、医療保険者に対し必要な報告を求める。
3 被保険者の保険料に関し、被保険者の収入について調査する。
4 介護サービス情報の公表制度に係る報告に関し、指定居宅サービス事業者を調査する。
5 不正の手段により登録を受けた介護支援専門員の登録を消除する。

介護保険制度では、市町村が保険者として制度を運営する主体であり、介護保険法に基づき様々な権限を持っています。具体的には、要介護認定を行う認定権や、保険料徴収のための調査・照会権(介護保険法第203条)、サービス事業者への指定・指導などです。ただし、年金保険者の監督などは市町村の権限ではありません。試験においては、市町村・都道府県・国の役割や権限の違いを整理して理解することが重要です。

1 被保険者に対する老齢等年金給付の支給状況について、年金保険者に対し資料の提供を求める。
これは正解。市町村は介護保険の保険者として、保険料の決定や徴収を適正に行うために必要な情報を確認する権限を持っています。介護保険法第105条に基づき、市町村は年金保険者(日本年金機構など)に対し、第1号被保険者の年金給付額や支給状況について資料の提供を求めることができます。これは年金から保険料を天引きする特別徴収を正確に行うための重要な調査権です。

2 要介護認定に関する審査請求事件について、医療保険者に対し必要な報告を求める。
これは誤り。要介護認定に対する不服申立て(審査請求)は、市町村ではなく都道府県に設置される介護保険審査会が扱います。そのため、市町村が医療保険者に対して審査請求に関する報告を求める権限はありません。審査請求の審査主体は都道府県であり、市町村の権限外となります。

3 被保険者の保険料に関し、被保険者の収入について調査する。
これは正解。市町村は介護保険の保険者として、保険料を適正に決定・徴収するため、介護保険法第203条に基づき被保険者や世帯員の収入などを調査する権限を持っています。これは第1号被保険者の保険料を所得段階別に決定するために必要な権限です。試験対策としては「市町村は保険料算定のため収入調査ができる」と覚えましょう。

4 介護サービス情報の公表制度に係る報告に関し、指定居宅サービス事業者を調査する。
これは誤り。介護サービス情報の公表制度を運営・管理する主体は都道府県であり、市町村の役割ではありません。そのため、市町村が事業者に対して報告を求めたり、調査を行う権限もありません。試験ではこのような都道府県と市町村の入れ替え問題が多く見られるため注意が必要です。

5 不正の手段により登録を受けた介護支援専門員の登録を消除する。
これは誤り。介護支援専門員(ケアマネージャー)の登録や登録消除(取り消し)を行う権限は、市町村ではなく都道府県知事にあります(介護保険法第69条・第70条)。また、試験の実施も都道府県が担います。介護支援専門員は都道府県ごとの登録制度であるため、市町村には登録を行う権限はありません。

第28回 問題4

介護保険に関する市町村の事務について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)を定めなければならない。
2 介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(基本指針)を定めなければならない。
3 介護保険に関する収入及び支出について、特別会計を設けなければならない。
4 介護報酬の審査及び支払いを国民健康保険団体連合会に委託することができる。
5 普通徴収の方法によって徴収する保険料の納期は、条例で定める。

介護保険制度における市町村の役割については、介護保険の保険者として、保険料の徴収や要介護認定、市町村特別給付など幅広い事務を担っています。試験では、国や都道府県、市町村などの役割や権限を問われる問題が頻出なため、それぞれの役割を明確に覚えることで得点につなげることができます。

1 地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)を定めなければならない。
これは誤り。地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針を定めるのは、国(厚生労働大臣)の仕事です。市町村は総合確保方針に基づいて市町村介護保険事業計画を策定します。

2 介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(基本指針)を定めなければならない。
これは誤り。保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針を策定するのも国(厚生労働大臣)の役割です。

3 介護保険に関する収入及び支出について、特別会計を設けなければならない。
これは正解。市町村は介護保険に係る保険料の管理や給付費など、一般会計の予算と切り離して管理するように定められています(特別会計)。これは介護保険事業財政の透明性を確保するために設けることとされています。

4 介護報酬の審査及び支払いを国民健康保険団体連合会に委託することができる。
これは正解。市町村は、介護報酬の審査及び支払いを国民健康保険団体連合会に委託することができるとされています。実務上、多くの市町村が委託していますが「義務(しなければならない)」ではないところにも注意が必要です。

5 普通徴収の方法によって徴収する保険料の納期は、条例で定める。
これは正解。介護保険料の普通徴収とは、市区町村から送付される「納付書」や「口座振替」を利用して、被保険者自らが介護保険料を納める方法のことです。一方、特別徴収とは年金から天引きする方法をいいます。また、普通徴収の納期や分割回数などは市町村が条例で定めるものとされています。

第28回 問題11

介護保険の財政安定化基金について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 都道府県が設置する。
2 市町村からの財政安定化基金拠出金の財源は、第1号被保険者の保険料である。
3 財源には、第2号被保険者の保険料も充当する。
4 市町村は、介護保険財政に不足が見込まれる場合に活用することができる。
5 財政安定化基金から貸付けを受けた市町村は、貸付けを受けた年度内に返済しなければならない。

財政安定化基金とは、市町村の介護保険財政が給付費の増加や保険料未納などにより不足した場合に備え、都道府県に設置される基金です。財源は国・都道府県・市町村がそれぞれ3分の1ずつ負担し、市町村に対して資金の貸付けや交付を行い、介護保険財政の安定化を図る制度です。

1 都道府県が設置する。
これは正解。財政安定化基金は、市町村の介護保険財政をサポートするために、すべての都道府県に設置されています。市町村の介護保険財政が一時的に不安定になった際に、広域的な立場で財政の支援を担うための基金とされており、国・都道府県・市町村の三者が財源を負担します。

2 市町村からの財政安定化基金拠出金の財源は、第1号被保険者の保険料である。
これは正解。財政安定化基金の財源は、国・都道府県・市町村がそれぞれ3分の1を負担しますが、国と都道府県は公費、市町村分は第1号被保険者の保険料が財源とされています。また第2号被保険者の保険料はいずれの負担分にも充当されません。

3 財源には、第2号被保険者の保険料も充当する。
これは誤り。選択肢2の解説通り、市町村負担分の財源は第1号被保険者の保険料のみです。医療保険者が集める第2号被保険者の保険料は、この財政安定化基金の財源としては使われません。

4 市町村は、介護保険財政に不足が見込まれる場合に活用することができる。
これは正解。市町村は、保険料収納不足や給付費増大により介護保険財政に不足が見込まれる場合、財政安定化基金から貸付または交付を受けることができます。財政悪化への備えとして都道府県が市町村を支援する重要な仕組みです。

5 財政安定化基金から貸付けを受けた市町村は、貸付けを受けた年度内に返済しなければならない。
これは誤り。財政安定化基金からの貸付金は、貸付けを受けた年度内に返済する規定はありません。貸付金は次期介護保険事業計画期間において、第1号被保険者の保険料を財源として償還されます。

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次は、苦情申立&不服申立です。

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