医療介護総合確保推進法(正式名称:地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律)は、少子高齢化を見据えて効率的かつ質の高い医療・介護体制を構築し、住み慣れた地域で必要なサービスを受けられる「地域包括ケアシステム」などを推進するための法律です。
この法律では、総合確保方針と地域医療介護総合確保基金が出題されています。
医療介護総合確保推進法
総合確保方針
第三条 厚生労働大臣は、地域において効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに地域包括ケアシステムを構築することを通じ、総合確保方針を定めなければならない。
介護保険法第116条に「厚生労働大臣は、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に規定する総合確保方針に即して、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針を定めるものとする」とされています。

つまりこの総合確保方針に即して介護保険事業計画の基本指針が定められる、とても重要な方針ってことだね。
都道府県計画
第四条 都道府県は、総合確保方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、都道府県計画を作成することができる。
都道府県計画を作成するに当たっては、医療計画及び都道府県介護保険事業支援計画との整合性の確保を図らなければなりません。
市町村計画
第五条 市町村(特別区を含む)は、総合確保方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、市町村計画を作成することができる。
地域医療介護総合確保基金
第六条 都道府県が、都道府県事業に要する経費の全部又は一部を支弁するため、地方自治法第二百四十一条の基金を設ける場合には、国は、政令で定めるところにより、その財源に充てるために必要な資金の三分の二(第四条第二項第二号ロに掲げる事業に要する経費に係るものについては、その全額)を負担するものとする。
地域医療介護総合確保基金は「都道府県計画」に基づき、地域の医療・介護の連携や体制整備を行うために各都道府県に設置されます。消費税増収分を財源として国が3分の2、都道府県が3分の1を負担する財源構成で、都道府県が地域の実情に応じた計画を立て、基金を管理・運用します。
<基金の対象事業>
- 地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業
- 居宅等における医療の提供に関する事業
- 介護施設等の整備に関する事業(地域密着型サービス等)
- 医療従事者の確保に関する事業
- 介護従事者の確保に関する事業
- 勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業

介護施設の整備とか、医療従事者や介護従事者の確保に使われるんだね~
過去問
第26回 問題11
地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に規定する基金(地域医療介護総合確保基金)について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 医療及び介護の総合的な確保に関する目標を達成するために必要な事業に要する費用を支弁するため、都道府県が設ける。
2 公的介護施設等の整備に関する事業は、支弁の対象とならない。
3 医療従事者の確保に関する事業は、支弁の対象となる。
4 介護従事者の確保に関する事業は、支弁の対象となる。
5 国が負担する費用の財源は、所得税及び法人税である。
「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」に基づく地域医療介護総合確保基金とは、医療と介護の提供体制を地域で整備するための財源であり、医療・介護を一体的に整備するために創設されました。基金の設置主体、主な事業内容(インフラ整備や人材確保)、そして財源が消費税であるという基本事項を正確に整理できているかが問われます。
1 医療及び介護の総合的な確保に関する目標を達成するために必要な事業に要する費用を支弁するため、都道府県が設ける。
これは正解。地域医療介護総合確保基金は「都道府県計画」に基づき、地域の医療・介護の連携や体制整備を行うために各都道府県に設置されます。財源は国が3分の2、都道府県が3分の1を負担する財源構成で、都道府県が地域の実情に応じた計画を立て、基金を管理・運用します。
2 公的介護施設等の整備に関する事業は、支弁の対象とならない。
これは誤り。公的介護施設等の整備に関する事業はこの基金の柱となる部分であり、支弁の対象となります。特別養護老人ホームなどの公的な施設や、地域密着型サービス拠点の整備にかかる費用などに充てられます。
3 医療従事者の確保に関する事業は、支弁の対象となる。
これは正解。基金は「医療」と「介護」の両輪を支えるもので、医療従事者の確保に関する事業は支弁の対象となる重要な事業です。医療と介護を総合的に確保するための法律の趣旨に沿った重要な支弁です。
4 介護従事者の確保に関する事業は、支弁の対象となる。
これは正解。深刻な人手不足が課題となっている介護業界において、介護人材の確保・養成も基金の対象であり、重要な支弁項目にあたります。離職防止のための研修実施やICT機器の導入支援、潜在介護福祉士の再就職支援など、幅広い人材確保策に活用されています。
5 国が負担する費用の財源は、所得税及び法人税である。
これは誤り。この基金の財源は、消費税増税分(社会保障等分)が充てられています。所得税や法人税は財源に充てられません。
第23回 問題13
介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 地域支援事業の実施に関する基本的事項を定める。
2 都道府県知事が定める。
3 変更に当たっては、市町村長と協議しなければならない。
4 地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に規定する総合確保方針に即して定める。
5 介護給付等対象サービスを提供する体制の確保に関する基本的事項を定める。
介護保険事業の円滑な実施にむけて、厚生労働大臣が全国一律の基準として定める「基本指針」について問われる問題です。この基本指針は、介護保制度全体の適切な方向性を示す重要な指針であり、策定にあたっての手続き方法や制度運営の基本的な仕組みを理解することが大切です。
1 地域支援事業の実施に関する基本的事項を定める。
これは正解。基本指針には、介護給付に関する内容だけでなく、地域支援事業に関する基本的な事項についても定められています。地域支援事業は介護予防事業、包括的支援事業、任意事業など、地域の実情に合わせて実施される高齢者の総合的な支援であり、市町村や都道府県はこの指針に基づいて事業を実施しています。
2 都道府県知事が定める。
これは誤り。基本的な指針は都道府県知事が定めるのではなく、厚生労働大臣が定めることとされています。これは全国的な介護保険の基本指針であり、統一性と一貫性を確保するために定められています。都道府県が定めるのは、都道府県介護保険事業計画であり基本指針に従って計画を策定する仕組みになっています。
3 変更に当たっては、市町村長と協議しなければならない。
これは誤り。介護保険法第116条において「あらかじめ、総務大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならない」とされています。これは、他の行政機関等の意見を反映させるために必要な規定ですが「市町村長と協議しなければならない」とするという具体的な規定ではありません。
4 地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に規定する総合確保方針に即して定める。
これは正解。介護保険法第116条に「厚生労働大臣は、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に規定する総合確保方針に即して、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針を定めるものとする」とされています。2015年の法改正により、医療と介護の連携が強化されました。
5 介護給付等対象サービスを提供する体制の確保に関する基本的事項を定める。
これは正解。介護保険法第116条に、基本指針に「介護給付等対象サービスを提供する体制の確保に関する基本的事項を定め」とあり、介護保険で給付の対象となる各種サービスがどのような体制で提供されるべきか、その確保に関する基本的な考え方が示されています。
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次は、入浴や排泄などの介護について。



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