ここでは、介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院の3つの施設サービスを学びます。
現在は特別養護老人ホーム(特養)が主流になりましたが、歴史的には養護老人ホームが重要な役割を演じてきました。
特養との違いも含めて、その変遷を見ていきましょう。
養護老人ホーム&特別養護老人ホーム
養護老人ホーム
高齢者福祉の歴史は、養護老人ホームの歴史でもあります。
養護老人ホームは、戦前の救護法では「養老院」として始まり、旧生活保護法では「保護施設」、現生活保護法では「養老施設」、そして、1963年に老人福祉法が制定され老人に特化した福祉が整備される中で「養護老人ホーム」が規定されました。
この時の入所要件は、「65歳以上であって身体上又は精神上又は環境上の理由及び経済的理由により、居宅において養護を受ける事が困難な者」とされています。
| 年 | 養護老人ホームの変遷 |
|---|---|
| 1929年 救護法 | 救護施設(養老院) |
| 1946年 旧生活保護法 | 保護施設 |
| 1950年 生活保護法 | 養老施設 |
| 1963年 老人福祉法 | 養護老人ホーム、入所要件は身体上精神上環境上及び経済的理由 |
|
1990年 老人福祉法改正(福祉八法改正) |
措置入所権限が都道府県から市町村へ |
| 2000年 介護保険法 | 措置から契約の流れの中で措置施設として存続 |
| 2006年 老人福祉法改正 | 養護老人ホーム、入所要件は環境上及び経済的理由 |
特別養護老人ホーム
1963年に老人福祉法が制定され、養護老人ホームと同時に特別養護老人ホーム、軽費老人ホームも規定されました。

養護老人ホームの特別版として、介護が必要な高齢者のために特別養護老人ホームができたんだね。
これらは措置入所施設として運営され、1990年の老人福祉法改正(福祉八法改正)によって、措置権限は都道府県から市町村へ移譲されました。
2000年に介護保険法が制定されて、措置から契約の流れの中で、養護老人ホームは措置施設として存続していきます。
特別養護老人ホームの方は、介護保険法の制定によって「介護老人福祉施設」として契約によって入所することができるようになりました。
つまり、特別養護老人ホームは、老人福祉法で規定される措置入所施設でもあり、介護保険法で規定される介護老人福祉施設として都道府県に認可されれば、契約による利用もできるのです。
特別養護老人ホームは、介護保険法で規定される介護老人福祉施設として「介護が必要な高齢者」が対象であるのに対して、養護老人ホームは「環境上又は経済的理由により居宅で養護を受ける事が困難な者」とされています(2006年の老人福祉法改正で「身体上又は精神上」の理由は削除されました)。
つまり、養護老人ホームは介護が必要という理由だけで入所することはできず、「自立した日常生活を営み社会的活動に参加するために必要な指導および訓練その他の援助を行う施設」とされています。
2006年 老人福祉法改正 養護老人ホームの入所要件から「身体上または精神上の理由」を削除
上記のポイントにあるように、2006年から養護老人ホームは身体上の理由だけでは入所できなくなりました。その影響は以下の新聞記事にも表れています。
養護老人ホームには「盲養護老人ホーム」という視覚障害者向けの養護老人ホームがあります。
これまでは視覚障害というのは養護老人ホームの入所要件に合致していたのですが、2006年から身体的理由が削除されたため、視覚障害者が盲養護老人ホームに入所しにくくなっているという記事です。
経済的理由が当てはまらないと、視覚障害があっても入所できないという内容です。
その経済的理由とは記事にあるように「年収150万円以下」と書かれています。

介護が必要な高齢者向け施設(介護保険法)
高齢者向け施設は、特養、老健、有料老人ホーム、軽費老人ホーム、サ高住など様々ありますが、「介護が必要な高齢者」が対象の施設は介護保険法に規定されている以下の3つです。
・介護老人福祉施設(特養)
・介護老人保健施設(老健)
・介護医療院
上記3つを介護保険施設といいますが、介護老人福祉施設は定員30名以上で、29名以下の小規模特養は地域密着型サービスであるため介護保険施設には含まれません。
介護老人福祉施設
「介護老人福祉施設」は、老人福祉法では特別養護老人ホーム(特養)と呼ばれていて、要介護高齢者の生活を支援する施設です。
生活施設という位置づけですが、運営基準では「入所者が居宅生活を営むことができるか」を定期的に検討することが義務付けられています。漫然とした入所継続を防ぎ、在宅復帰の可能性を常に模索する姿勢が求められています。
人員基準
人員配置基準は以下の通りです。
| 職種 | 配置基準 | 常勤/常勤換算 | 専従/兼務 |
|---|---|---|---|
| 管理者 | 1 ※社会福祉法第19条の社会福祉主事、 社会福祉事業に2年以上従事した者等 | 常勤 | 原則専従。管理上支障がない場合、当該特養従業者としての職務、同一敷地内の他事業所、 サテライト型居住施設の職務との兼務可。 |
| 医師 | 必要な数 | ||
| 介護職員 | 3:1以上 | 常勤1名以上(地域密着型) | 原則専従。ただし、入所者の処遇に支障がない 限り、機能訓練指導員、介護支援専門員、併設 短期入所生活介護事業における同職との兼務 可能。 従来型・ユニット型を併設する場合の介護・看 護職員については、専従。 |
| 看護職員 | 3:1以上 | 常勤1名以上 | |
| 生活相談員 | 100:1以上 ※社会福祉法第19条の社会福祉主事、 社会福祉事業に2年以上従事した者等 | 常勤 | |
| 機能訓練指導員 | 1以上 | 当該特養の他の職務との兼務可。 | |
| 介護支援専門員 | 1以上 | 常勤 | 原則専従。入所者の処遇に支障がない場合、 当該特養の他の職務との兼務可。 |
| 栄養士 | 1以上 ※入所定員40人未満の場合、他の社会福祉施設の栄養士との連携により効果的な運営ができ、入所者の処遇に支障がない場合は置かなくてもよい。 |
設備基準
居室は、4人部屋(4人以下)が主流の従来型と完全個室のユニット型に分けられます。床面積はどちらのタイプも1人あたり10.65㎡以上が国の基準となっています。
介護老人保健施設
「介護老人保健施設」は老健と呼ばれ、特養より医療的支援が必要な高齢者のための施設です。特養のように生活をするための施設ではなく、リハビリをして在宅復帰を目指す施設です。
1人あたり必要な床面積は、従来型多床室の場合は8.0㎡以上、個室の場合は10.65㎡以上です。複数人部屋でカーテンでの仕切り等のみの多床室型、少人数ごとの個室と共有リビングで構成されるユニット型(1ユニットの定員はおおむね10人以下)などの形があります。
在宅復帰率などによって5類型(超強化型、在宅強化型、加算型、基本型、その他型)に分類されます。

人員基準
人員基準は以下の通りです。
| 職種 | 人員基準 |
|---|---|
| 管理者 | 原則として都道府県知事の承認を受けた医師であること(ただし、都道府県知事の承認で医師以外でも可) |
| 医師 | 入所者100人あたり1人以上 |
| 薬剤師 | 介護老人保健施設の実情に応じた適当数 |
| 看護師または介護職員 | 入所者3人あたり1人以上 看護師が介護職員との比率が2:5程度になるように配置する必要あり |
| 理学療法士、作業療法士または言語聴覚士 | 利用者100人あたりいずれかの職員が1人以上 |
| 栄養士または管理栄養士 | 入所者100人以上の施設では1人以上 |
| 介護支援専門員 | 最低1人以上 入所者100人あたり1人以上 |
| 調理師・事務員等 | 介護老人保健施設の実情に応じた必要数 |
特養には配置義務がなかった理学療法士(PT)、作業療法士(OT)または言語聴覚士(ST)の配置が義務付けられています。リハビリ施設ですから。
介護支援専門員は、入所者が居宅で日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討します。入所者の処遇に支障がない場合は、他の職務(支援相談員や介護職など)との兼務が認められています。
1施設の規模は100人以上の大規模な施設がある一方で、入所定員が29人以下のサテライト型や医療機関併設型の小規模介護老人保健施設もあります。
介護医療院
2018年から規定された「介護医療院」は要介護者の長期療養と生活のための施設です。特徴は、介護と長期療養が必要な人のための「生活施設」であるということです。生活施設であるため、運営基準で「入所者の好みに応じ、レクリエーション、行事及び適当な教養娯楽、趣味の活動等を行うことができるよう努めなければならない」と定められています。
介護医療院の創設に伴い、介護療養型医療施設は廃止の方向となりましたが、経過措置として2024年3月末まで存続が認められていました。
1人あたり必要な床面積は、老人保健施設相当以上(8.0m² 以上)です。老健と同じように介護医療院でも多床室型やユニット型などの形があります。多床室型よりユニット型のほうが圧倒的に高額です。
介護医療院には以下の3種類あります。
・介護医療院
・医療機関併設介護医療院
・併設型小規模介護医療院
医療機関併設型介護医療院とは、同一敷地内または隣接する病院や診療所と連携しており、入所者の病状が急変した場合に医師が速やかに診察を行える体制が確保されている介護医療院のことです。
併設型小規模介護医療院は、病院や診療所に併設されており、かつ入所定員が19人以下の介護医療院を指します。

地域密着型の小規模特養は29人以下だったけど、小規模介護医療院は19人以下だね。
人員基準
これら3種類の介護医療院は人員基準によってⅠ型とⅡ型の2種類があり、Ⅰ型は重篤な身体疾患や身体合併症のある認知症高齢者など医療ニーズの高い者を対象とし、Ⅱ型は比較的容体が安定した者を対象としています。人員基準は以下の通りです。

Ⅰ型は重篤な人が対象。Ⅱ型は比較的病状が安定している人が対象だから人員基準が緩やかだね。
| 職種 | 介護医療院(Ⅰ型) | 介護医療院(Ⅱ型) |
|---|---|---|
| 医師 | 48対1(施設で3以上) | 100対1(施設で1以上) |
| 薬剤師 | 150対1 | 300対1 |
| 看護職員 | 6対1 | 6対1 |
| 介護職員 | 5対1 | 6対1 |
| 栄養士又は管理栄養士 | 定員100以上で1人 | 定員100以上で1人 |
| 介護支援専門員 | 100対1(施設で1以上) | 100対1(施設で1以上) |

介護医療院も含めて3施設ともケアマネさんは配置されるんだね。施設サービス計画を作らないといけないからね。
まとめ
ということで介護医療院と特養は生活施設であるということ、老健はリハビリをして在宅復帰をするための施設であるということ、
そして医療的機能としては、介護医療院>介護老人保健施設>介護老人福祉施設、となっています。

介護医療院と老健は「医療施設」でもあるわけだね。
| 施設 | 目的 | 要介護度 | 生活施設 | 医療 | 開設できる法人等 |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護医療院 | 長期療養と日常生活 | 1~5 | 〇 | 〇 | ・地方公共団体 ・医療法人 ・社会福祉法人 ・厚生労働大臣が定める者 |
| 介護老人保健施設(老健) | 在宅復帰に向けたリハビリ | 1~5 | ☓ | △ | ・地方公共団体 ・医療法人 ・社会福祉法人 ・厚生労働大臣が定める者 |
| 介護老人福祉施設(特養) | 日常生活 | 3~5 | 〇 | ☓ | ・地方公共団体 ・社会福祉法人 |

介護老人福祉施設(特養)は第一種社会福祉事業だから、ほとんど社会福祉法人が運営しているよ。一方で、介護老人保健施設と介護医療院は、ほとんど医療法人が運営しているよ。
その他の高齢者向け施設(老人福祉法)
介護が必要な高齢者向け施設は介護保険法に規定されている3種類だけでしたが、介護が必要ない高齢者向け施設は老人福祉法に規定されている以下のような形があります。介護保険法に規定されている介護が必要な施設と対比させるために、「介護が必要ない」施設と表現していますが、実際は介護サービスが提供されているものもあります。
・老人デイサービスセンター
・老人短期入所施設
・養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム
・軽費老人ホーム
・老人福祉センター
・老人介護支援センター
特別養護老人ホーム(特養)と養護老人ホームの違いはしっかり区別できるようにしておいてください。特養は「介護が必要な高齢者」、養護老人ホームは「環境上または経済的理由で困窮している高齢者」が対象でした。
もともと1929年に始まった養老院が養護老人ホームの原型で、老人福祉法の制定で養護老人ホームとなり同時に特別養護老人ホームも規定された歴史的経緯も含めて理解しましょう。
軽費老人ホーム
軽費老人ホームは、無料または定額料金で老人を入所させ食事の提供その他の日常生活上必要な便宜を供与することを目的とします。A型、B型、C型(ケアハウス)の3種類あって、措置施設ではなく契約で利用します。

1964年の老人福祉法制定で規定されたのは、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホームだったね。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、①食事の提供、②介護、③家事の供与、④健康管理、のいずれかのサービスを高齢者に提供する施設です。高齢者施設の中でも最も多くなっています。

老人福祉センター
老人福祉センターは、無料または低額で相談に応じる、レクリエーションの提供なども実施されます。
老人介護支援センターは、在宅介護支援センターとも呼ばれ、相談に応じます。
| 高齢者向け住居 | 根拠法 | 対象 |
|---|---|---|
| 養護老人ホーム | 老人福祉法 | 環境的、経済的理由で居宅で生活できない高齢者 |
| 特別養護老人ホーム | 老人福祉法 | 要介護高齢者 |
| 軽費老人ホーム | 老人福祉法 社会福祉法 |
A型:独立して生活するのが困難で自炊できない者 B型:自炊が可能な者 ケアハウス:身体機能の低下等 |
| 有料老人ホーム | 老人福祉法 | 高齢者 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 高齢者住まい法 | 高齢者 |
| 認知症高齢者グループホーム | 老人福祉法 | 認知症高齢者の共同生活 |
基本的には高齢者の住まいに関する福祉サービスは老人福祉法に規定されていますが、サービス付き高齢者向け住宅だけは「高齢者住まい法」に規定されています。
サービス付き高齢者向け住宅(高齢者住まい法)
昔は、「高齢者円滑入居賃貸住宅」(高円賃)、「高齢者専用賃貸住宅」(高専賃)、「高齢者向け優良賃貸住宅」(高優賃)などがありましたが、非常に分かりにくく、2011年の高齢者住まい法の改正によって「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)に一本化されました。
サ高住は「高齢者住まい法」に規定されていて、正式名称は「高齢者の居住の安定確保に関する法律」といいます。サ高住の対象は、60歳以上の者もしくは要介護認定・要支援認定を受けている60歳未満の者となっており、バリアフリー構造を備えています。必要に応じて外部の介護保険サービスも利用できます。
高齢者住まい法で規定される以下の3つを覚えておきましょう。
・サ高住は都道府県知事による登録制、都道府県が指導監督
・サ高住では、状況把握サービスと生活相談サービスが必須
まとめ
老人ホーム系が規定されている「老人福祉法」や「介護保険法」は厚生労働省の管轄、一方でサ高住などが規定されている「高齢者住まい法」は国土交通省の管轄、この辺りがややこしくしている原因ではないでしょうか。
特養や養護老人ホームは介護保険法で規定され、地方公共団体や社会福祉法人が運営して安価に利用できますが、特養などは入所待ちの人が多いです。
一方で、有料老人ホームやサ高住などは営利企業などが経営しているため、特に有料老人ホームは入居一時金などが高額になります。

高級タイプの有料老人ホームでは入居一時金が億単位になるところもあるよねぇ。
特養は入所待ちが多く入れず、有料老人ホームは高額過ぎる、という高齢者には、サ高住が救世主となります。
サ高住は賃貸が多いので有料老人ホームほどの費用は必要なく、老人ホームと違って自由に外出などもできたり要介護認定を受けていなくても利用できますので利用者の自由度も高いのです。
とはいっても、食事・介護・家事・健康管理のいずれかを提供している場合は、有料老人ホームに該当するので、実はほとんどのサ高住は有料老人ホームでもあります。

住所地特例
住所地特例とは、介護保険の被保険者が、住んでいる市町村から他市町村の介護保険施設や有料老人ホーム等に入所し施設所在地に住民票を移した場合に、引き続き元の市町村の被保険者となる制度です。

介護保険では原則として居住している市町村の被保険者となるけど、施設に入所した人を一律に施設所在地の市町村の被保険者にすると、介護保険施設等が集中して建設されている市町村の介護保険給付費が増大してしまうね。このようなことにならないよう、住所地特例があるんだ。
| 分類 | 住所地特例対象施設 | 注意点 |
|---|---|---|
| 介護保険施設 | 介護老人福祉施設 | 地域密着型は対象外 |
| 介護老人保健施設 | ||
| 介護医療院 | ||
| 特定施設 ※地域密着型特定施設は対象外 | 有料老人ホーム | 特定施設入居者生活介護の指定を受けていない賃貸借方式のサービス付き高齢者向け住宅は対象外 |
| 軽費老人ホーム | ||
| 養護老人ホーム | ||
| サービス付き高齢者向け住宅 | 状況把握生活相談のみを提供しているなど、有料老人ホームに該当しないものは対象外 |
過去問
第23回 問題44
介護老人保健施設について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対してサービスを行う施設と定義されている。
2 従来型の多床室に係る介護報酬は、在宅強化型と基本型の2類型だけである。
3 人員に関する基準には、医療分野から介護分野まで幅広い職種が含まれている。
4 利用者の平均要介護度は、介護老人福祉施設の入所者のそれより低い。
5 終末期にある利用者は、皆無である。
介護老人保健施設(以下、老健)の役割のポイントとして、在宅復帰、医療と介護の連携が図られている、リハビリ専門職が多いなど、長期療養ではなく自宅へ戻るための中間施設であることがあげられます。試験としては老健の定義・報酬体系・人員基準・利用者特性・終末期対応など、基本的な制度知識を幅広く問う問題が頻出で、特養(介護老人福祉施設)との役割の違いを明確に理解する必要があります。
1 要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対してサービスを行う施設と定義されている。
これは誤り。「主として長期にわたり療養が必要である者」という定義は、老健ではなく、介護医療院(旧介護療養型医療施設・療養病床)に規定されている内容です。介護老人保健施設は「看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行う」と定義されており、「長期療養」ではなく、主としてリハビリテーションを通じた「在宅復帰」を支援する施設であることがポイントです。
2 従来型の多床室に係る介護報酬は、在宅強化型と基本型の2類型だけである。
これは誤り。老健の介護報酬(基本報酬)は、在宅復帰への取り組み状況等により複数の類型に分かれています。また、最新の報酬改定では、より在宅復帰率の高い施設が評価される仕組みになっています。
3 人員に関する基準には、医療分野から介護分野まで幅広い職種が含まれている。
これは正解。老健は医療と介護を備え持つ施設であるため、その人員基準には、医師、看護職員、リハビリ専門職、介護職員、介護支援専門員などの幅広い職種が含まれています。この幅広い専門職の連携が、老健の大きな特徴と言えます。
4 利用者の平均要介護度は、介護老人福祉施設の入所者のそれより低い。
これは正解。老健における平均要介護度は、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)よりも低くなります。これは、特養は基本的に要介護度3以上が入所の原則要件であるのに対し、老健は要介護1から利用可能です。また、老健はリハビリを行う在宅復帰を目的とするため、特養より平均要介護度は低い傾向にあります。
5 終末期にある利用者は、皆無である。
これは誤り。終末期の方が「皆無」という表現は誤りです。老健でも看取りへの対応は行われており、ターミナルケア加算(看取り)の算定も可能です。在宅復帰が困難になった入所者に対し、老健にて終末期を迎える利用者も実際に存在し、近年では老健における看取り機能の強化が進んでいます。
第23回 問題45
介護医療院について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要な者に対してサービスを行う施設と定義されている。
2 入所対象者には、身体合併症を有する認知症高齢者も含まれる。
3 介護医療院の創設により、介護療養型医療施設は2018(平成30)年4月にすべて廃止された。
4 定員100人のⅡ型療養床の場合には、常勤換算で1人の医師の配置が必要である。
5 入所者1人当たりの療養室の床面積は、8㎡以上とされている。
2018年に新設された介護医療院は、医療ニーズが高い要介護者に対し、「医療」と「介護」に加え、長期療養を支える「住まい」の機能を併せ持つ点に最大の特徴があります。試験では、介護医療院の定義・入所対象者・人員基準・設備基準など、制度の基本事項が問われるほか、介護療養型医療施設との関係性や、Ⅰ型・Ⅱ型の違いも含めた施設類型に関する正確な知識が求められます。
1 要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要な者に対してサービスを行う施設と定義されている。
これは誤り。この定義は介護老人保健施設(以下、老健)における定義であり誤りです。介護医療院の定義は「要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要な者に対し、療養上の管理・看護・医学的管理下の介護・機能訓練その他必要な医療と日常生活上の世話を行う施設」と定められており、長期療養と生活施設の両機能を持つ点が老健との最大の違いです。
2 入所対象者には、身体合併症を有する認知症高齢者も含まれる。
これは正解。介護医療院は、経管栄養や喀痰吸引などの医療的ケアが必要な方だけでなく、身体合併症を伴う認知症高齢者も広く受け入れています。また、看取りやターミナルケアも重要な役割であり、重度の要介護者や、医療的ケアが不可欠な認知症の方にとっての「生活の場」として機能しています。
3 介護医療院の創設により、介護療養型医療施設は2018(平成30)年4月にすべて廃止された。
これは誤り。介護療養型医療施設は2018年4月に「すべて廃止」されたわけではありません。介護医療院の創設に伴い、介護療養型医療施設は廃止の方向となりましたが、経過措置として2024年3月末まで存続が認められていました。また廃止後の受け皿としては、介護医療院や医療療養病床、老健などがあります。
4 定員100人のⅡ型療養床の場合には、常勤換算で1人の医師の配置が必要である。
これは正解。介護医療院の人員基準では、Ⅰ型とⅡ型で医師の配置基準が異なります。Ⅱ型療養床は、比較的病状が安定している方を対象としているため、医師の配置基準が緩やかです(定員100人に対して常勤換算1人)。一方、Ⅰ型はより手厚い医師配置(入所者48人に対して1人)が必要で、より重篤な方を受け入れの対象としています。試験対策としては、Ⅰ型は重度で48人、Ⅱ型は軽度で100人と覚えましょう。
5 入所者1人当たりの療養室の床面積は、8㎡以上とされている。
これは正解。介護医療院の療養室(居室)の面積基準は、1人当たり「8㎡以上」と定められています。これは「生活の場」としての質を確保するため、旧来の介護療養型医療施設(6.4㎡以上)よりも広く、老健(8㎡以上)と同じ基準に定められており、老健とセットで覚えておきましょう。
第23回 問題57
指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 身体的拘束等の適正化のための指針を整備している場合には、その対策を検討する委員会は開催しなくてもよい。
2 入所者が居宅での生活を営むことができるかどうかについて、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等の従業者間で協議しなくてはならない。
3 施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
4 夜間には、常勤の介護職員が介護に従事しなくてもよい。
5 サービス提供上必要と認められる場合であれば、1の居室の定員を2人にすることができる。
指定介護老人福祉施設である特別養護老人ホーム(以下、特養)における運営基準についての問題で、これまでにも身体拘束適正化・在宅復帰の検討・優先入所・夜間人員配置・居室定員など、施設運営の実務に直結する重要事項が幅広く出題されており、人員配置や居室定員の例外規定を正確に把握しているかがポイントとなります。
1 身体的拘束等の適正化のための指針を整備している場合には、その対策を検討する委員会は開催しなくてもよい。
これは誤り。身体的拘束等の適正化のための指針を整備しているだけでは不十分で、「対策を検討する委員会」を定期的に開催し、その結果を従業者に周知徹底しなければなりません。指針があるからといって委員会を省略することはできません。
2 入所者が居宅での生活を営むことができるかどうかについて、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等の従業者間で協議しなくてはならない。
これは正解。特養であっても、入所者が居宅での生活に戻れるかどうかを定期的に検討することが義務づけられています。特養は長期入所が一般的ですが、運営基準では「入所者が居宅生活を営むことができるか」を定期的に検討することが義務付けられています。漫然とした入所継続を防ぎ、在宅復帰の可能性を常に模索する姿勢が求められています。
3 施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
これは正解。特養では入所申込の順ではなく、サービスの必要性が高い申込者を優先的に入所させるよう努めなければならないと定められています。新規入所者の選考は、入所検討委員会等を通じて検討され、要介護度や家族の状況、待機期間などを総合的に判断し、緊急性・必要性が高い人を優先的に入所させるよう努めなければなりません。
4 夜間には、常勤の介護職員が介護に従事しなくてもよい。
これは誤り。介護老人福祉施設は特別養護老人ホームであり、夜間であっても常勤の介護職員を配置しなければならないとの規定が、運営基準(第16条)にあります。さらに一定の入所定員数に合わせて追加配置が必要となります。
5 サービス提供上必要と認められる場合であれば、1の居室の定員を2人にすることができる。
これは正解。従来型施設などにおいてサービス提供上必要と認められる場合は、1室の定員を「2人」とすることが認められています(運営基準第35条)。ただし、プライバシー確保のための仕切り等の配慮が必要となります。
第24回 問題44
介護老人保健施設について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 入所者の在宅復帰を目指す。
2 入所者は、要介護者より要支援者が多い。
3 サテライト型小規模介護老人保健施設は、定員29人以下である。
4 施設内で提供される保健医療サービスで完結する施設サービス計画を立てる。
5 災害その他のやむを得ない事情がある場合でも、入所定員を超えて入所させてはならない。
介護老人保健施設(以下、老健)における役割、施設基準、および運営ルールなど、最大の目的である「在宅復帰」や、地域密着型サービス等でもよく登場する「定員数」、さらには緊急時の対応といった実務的な知識が必要とされ、老健の基本的な制度知識を幅広く理解できているかが問われます。
1 入所者の在宅復帰を目指す。
これは正解。老健の最大の目的は在宅復帰を目指すことで、病院での治療を終えた人がリハビリを行い、自宅に戻るための中間的な役割を担います。老健の役割として「リハビリ」と「在宅復帰」をセットで覚えましょう。
2 入所者は、要介護者より要支援者が多い。
これは誤り。老健の入所対象者は要介護1以上の要介護者であり、要支援者は原則として入所対象外です。要支援者が利用できるのは介護予防サービスや総合事業が中心であり、老健への入所は要介護認定を受けた方に限られることを正確に押さえましょう。
3 サテライト型小規模介護老人保健施設は、定員29人以下である。
これは正解。サテライト型小規模介護老人保健施設は、本体施設と密接に連携しながら設置される定員「29人以下」の施設を指します。また本体施設とは、原則として介護老人保健施設、病院・診療所、または介護医療院に限られます。試験対策としては、定員の数字(29人以下)は頻出ポイントですので、確実に記憶しておきましょう。
4 施設内で提供される保健医療サービスで完結する施設サービス計画を立てる。
これは誤り。老健の利用目的は、リハビリの実施と在宅復帰にあります。介護支援専門員が作成する施設サービス計画は、施設内のサービスだけで完結させるのではなく、退所後の居宅生活を見据えた計画を作成する必要があります。
5 災害その他のやむを得ない事情がある場合でも、入所定員を超えて入所させてはならない。
これは誤り。運営基準では原則として入所定員を超えてはならないとされていますが、災害その他やむを得ない事情がある場合には、一時的に定員を超えて受け入れることが認められています。緊急時の柔軟対応を認める例外規定は試験でもよく狙われますので注意が必要です。
第24回 問題45
介護医療院について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 主として短期的な療養が必要である要介護者を対象とする。
2 その開設に当たっては、医療法に基づく都道府県知事の許可を受けなければならない。
3 2020(令和2)年3月末時点で全国で1,000施設以上ある。
4 ユニットケアを行うユニット型もある。
5 入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努める。
2018年に誕生した「介護医療院」は、医療ニーズの高い方の生活施設として、医療・介護・生活機能を併せ持つ長期療養施設です。試験では、介護医療院の役割、設置手続、構造、運営の在り方など、基本的な基準が繰り返し出題される傾向にあります。
1 主として短期的な療養が必要である要介護者を対象とする。
これは誤り。介護医療院は「主として長期にわたり療養が必要な要介護者」を対象とする施設です。長期療養が必要な医療ニーズの高い方に対し、療養上の管理・看護・介護・生活支援を一体的に提供することが介護医療院の本質です。
2 その開設に当たっては、医療法に基づく都道府県知事の許可を受けなければならない。
これは誤り。介護医療院の開設には、医療法ではなく「介護保険法」に基づく都道府県知事の許可が必要です。介護医療院は介護保険法に基づく施設であり、都道府県知事の許可を受けて開設されます。どの法律が根拠になっているかを入れ替えた選択肢が非常に多いため注意が必要です。
3 2020(令和2)年3月末時点で全国で1,000施設以上ある。
これは誤り。介護医療院は2018年4月に創設された比較的新しい施設であり、2020年3月末時点では1,000施設には達していませんでした。また、現在では介護療養病床からの転換などにより急速に整備が進んでいます。
4 ユニットケアを行うユニット型もある。
これは正解。介護医療院には、従来型の多床室タイプだけでなく、プライバシーに配慮した「ユニット型」も存在します。ユニット型とは少人数(おおむね10人以下)のグループで生活し、個別ケアに特化した形態で、最近の特養などにもみられる個別ケアを重視した造りになっています。
5 入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努める。
これは正解。運営基準において「入所者の好みに応じ、レクリエーション、行事及び適当な教養娯楽、趣味の活動等を行うことができるよう努めなければならない」と定められています。介護医療院は単なる医療施設ではなく生活の場でもあるため、このような行事などを行うよう努めることとされています(努力義務)。
第24回 問題57
指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 介護支援専門員は、入所者の処遇に支障がない場合であっても、他の職務と兼務しない常勤の者でなければならない。
2 管理者は、常勤の者でなければならないが、管理上支障がない場合には、同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができる。
3 居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対し、円滑な退所のために必要な援助を行わなければならない。
4 入所者及びその家族から苦情を受け付けた場合でも、その内容等の記録は義務付けられていない。
5 入所者が病院等に入院する際に、おおむね3月以内に退院することが明らかに見込まれる場合には、原則として、退院後再び当該施設に円滑に入所できるようにしなければならない。
指定介護老人福祉施設である特別養護老人ホーム(以下、特養)の運営基準については、人員基準・管理者要件・退所支援・苦情対応・入院時の取り扱いなど、実務に直結する問題が出題されています。特に、管理者の兼務ルールや、入所者の権利を守るための「退所支援」、「再入所への配慮」といった運用上の規定が問われやすいので、具体的なルールを理解する必要があります。
1 介護支援専門員は、入所者の処遇に支障がない場合であっても、他の職務と兼務しない常勤の者でなければならない。
これは誤り。介護支援専門員は、入所者の処遇に支障がない場合には、同一施設内の他の職務との兼務が認められています。「いかなる場合であっても兼務不可」とする考え方は誤りです。
2 管理者は、常勤の者でなければならないが、管理上支障がない場合には、同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができる。
これは正解。特養の管理者は常勤であることが必須ですが、管理上支障がない場合に限り、同一敷地内の他の事業所の職務を兼務することが認められています。試験では、「常勤」かつ「同一敷地内なら兼務可」とセットで覚える必要があります。
3 居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対し、円滑な退所のために必要な援助を行わなければならない。
これは正解。特養は長期入所施設に位置付けられますが、居宅生活が可能と判断される入所者には、円滑に退所できるよう必要な援助を行うことが義務づけられています。在宅復帰支援は老健だけでなく特養にも求められており、退所に向けた関係機関との連携や情報提供なども行われます。
4 入所者及びその家族から苦情を受け付けた場合でも、その内容等の記録は義務付けられていない。
これは誤り。入所者や家族から苦情を受けた場合は迅速に対応し、その内容や対応経過、結果などを「記録」しなければなりません(義務)。苦情対応の記録は施設の質の改善やトラブル防止にも重要であり、介護保険施設全般において記録義務が課されています。
5 入所者が病院等に入院する際に、おおむね3月以内に退院することが明らかに見込まれる場合には、原則として、退院後再び当該施設に円滑に入所できるようにしなければならない。
これは正解。入所者が病院などに入院し、おおむね3か月以内に退院が見込まれる場合は、原則として当該施設に円滑に再入所できるようにしなければならないとされています。住み慣れた施設を離れざるを得ない利用者の不安を軽減し、生活の場を確保するための「再入所に関する基準」として非常に重要な規定です。
第25回 問題7
介護保険施設について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 介護老人福祉施設の入所定員は、50人以上でなければならない。
2 介護老人保健施設の管理者となる医師は、都道府県知事の承認を受けなければならない。
3 2024(令和6)年3月31日までは、新たに指定介護療養型医療施設の指定を受けることができる。
4 入所者ごとに施設サービス計画を作成しなければならない。
5 地域密着型介護老人福祉施設は、含まれる。
介護保険施設は、①特別養護老人ホーム、②介護老人保健施設、③介護医療院の3つがあります。試験では、人員基準・管理者要件・施設サービス計画・地域密着型施設の位置づけなど横断的な知識が問われます。各施設の共通点と相違点を整理して理解することが重要です。
1 介護老人福祉施設の入所定員は、50人以上でなければならない。
これは誤り。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の定員は30人以上と定められており、50人以上という記述は間違いです。また、29名以下の小規模な施設となると、地域密着型介護老人福祉施設として別に位置づけられています。この「30人」と「29人以下」という数字の区切りは頻出ポイントですので確実に覚えておきましょう。
2 介護老人保健施設の管理者となる医師は、都道府県知事の承認を受けなければならない。
これは正解。介護老人保健施設の管理者は医師でなければならず、さらに都道府県知事から承認を受ける必要があります。これは、老健は医療と介護の中間施設であるため、医学的管理が重要視され、単に医師であるだけでなく、都道府県知事の承認が必要となります。
3 2024(令和6)年3月31日までは、新たに指定介護療養型医療施設の指定を受けることができる。
これは誤り。指定介護療養型医療施設は、新規指定はすでに認められておらず、既存施設についても2024年3月31日で廃止されました。このため、「2024年3月まで新規指定が可能」という記述は誤りです。現在は介護医療院などへの転換が行われていますが、療養型施設廃止の経緯と経過措置の内容を正確に理解しましょう。
4 入所者ごとに施設サービス計画を作成しなければならない。
これは正解。すべての介護保険施設において、入所者一人ひとりに施設サービス計画を作成することが義務付けられています。これは特養・老健・介護医療院すべての介護保険施設に共通する要件であり、施設の介護支援専門員が中心となり、多職種協働で計画を作成・実施・評価する仕組みとなっています。
5 地域密着型介護老人福祉施設は、含まれる。
これは誤り。介護保険法における介護保険施設とは、前述の通り、介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設、介護医療院の3種類を指します。同じ特養系施設であっても、定員29人以下の地域密着型介護老人福祉施設は、市町村が指定・監督を行う地域密着型サービスに分類されます。
第25回 問題45
介護老人保健施設について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 社会福祉法人は、開設できる。
2 ユニット型では、一のユニットの定員は、15人を超えることが認められている。
3 入所定員が100人以上の場合には、栄養士又は管理栄養士を置かなければならない。
4 処置室を設けなければならない。
5 全国では、全入所者のうち要介護4及び要介護5の者が占める割合は、80%以上である。
介護老人保健施設(老健)について、開設主体・ユニット型の定員・人員基準・設備基準・入所者の要介護度分布など、制度的な詳細内容を問われる問題が頻出です。また、老健は「医療と介護の中間施設」であるため、特養との設備の違いや、医療法人・社会福祉法人といった開設者の制限など、具体的な内容が問われています。
1 社会福祉法人は、開設できる。
これは正解。老健を開設できるのは、医療法人や社会福祉法人のほか、地方公共団体、日本赤十字社などに限定されており、社会福祉法人も開設することができます。老健は医療法人が開設するイメージが強いですが、社会福祉法人も開設主体として認められている点が重要ポイントとなります。
2 ユニット型では、一のユニットの定員は、15人を超えることが認められている。
これは誤り。ユニット型老健における1ユニットの定員はおおむね10人以下と定められており、「15人を超える」という記述は誤りです。個別ケアを重視するユニットケアの理念を守るため、少人数のグループ単位が厳守されています。
3 入所定員が100人以上の場合には、栄養士又は管理栄養士を置かなければならない。
これは正解。老健では入所定員が100人以上の場合に、栄養士または管理栄養士を1人以上配置することが義務づけられています。100人未満の施設には配置の義務規定はありません。試験対策としては「100人以上で義務」という数字と条件をセットで覚えましょう。
4 処置室を設けなければならない。
これは誤り。老健に設置が義務づけられている設備は、療養室・診察室・機能訓練室・談話室・食堂・浴室・レクリエーションルームなどであり、処置室の設置は義務づけられていません(介護保険法 第97条)。処置室は病院や診療所などの医療機関に求められる設備であり、老健と混同しないよう注意が必要です。
5 全国では、全入所者のうち要介護4及び要介護5の者が占める割合は、80%以上である。
これは誤り。老健は在宅復帰を目指すリハビリ施設であるため、比較的軽度な要介護1〜3の方も一定数入所しており、特養と比較すると重度者の割合は低いです。このような老健と特養の入所者の要介護度分布の違いは重要な比較ポイントです。
第25回 問題57
指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行うよう努めなければならない。
2 市町村長が指定する。
3 入所者の負担により、当該施設の従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。
4 褥瘡の発生を予防するための体制を整備しなければならない。
5 入所者のためのレクリエーション行事を行うのであれば、教養娯楽設備等は備えなくてもよい。
指定介護老人福祉施設(特養)における基本理念、指定権者、サービス提供の原則、および衛生管理など、試験では基本的なルールを問われることが多く、特養が「生活の場」として地域とどう関わるか、また、施設サービスを適切に提供するために遵守すべき運営基準の根幹を理解しているかが出題ポイントです。
1 明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行うよう努めなければならない。
これは正解。運営基準(第1条)において定められた内容です。特養の基本的な理念として、家庭的雰囲気・地域連携・入所者の意思尊重が重視されています。また「努めなければならない」とされており、義務ではなく努力義務であることも正確に押さえましょう。
2 市町村長が指定する。
これは誤り。指定介護老人福祉施設(特養)を指定するのは市町村長ではなく都道府県知事です。市町村が指定するのは、地域密着型介護老人福祉施設(定員29名以下)で、両者の違いを覚えることが重要です。
3 入所者の負担により、当該施設の従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。
これは正解。施設サービス全般において、入所者の介護はその施設の従業者によって提供されるのが原則です。入所者に別途費用を負担させて、外部の者に介護を行わせることは禁止されています。これは、施設が受領する介護報酬の中に、必要な介護サービスがすべて含まれているという考え方に基づいています。
4 褥瘡の発生を予防するための体制を整備しなければならない。
これは正解。運営基準(第13条)において、「指定介護老人福祉施設は、褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない」と規定されています(義務)。具体的には、褥瘡に関する指針の作成や評価、定期的なケア計画への反映など、寝たきりになることが多い利用者に対して、褥瘡を予防する取り組みが義務付けられています。
5 入所者のためのレクリエーション行事を行うのであれば、教養娯楽設備等は備えなくてもよい。
これは誤り。運営基準(第16条)において、「教養娯楽設備等を備えるほか、適宜入所者のためのレクリエーション行事を行わなければならない」と規定されており、教養娯楽設備を備えるとともに、レクリエーション行事を行うことが義務付けられています。
第26回 問題5
介護保険制度における住所地特例の適用があるものはどれか。3つ選べ。
1 介護老人福祉施設
2 地域密着型介護老人福祉施設
3 有料老人ホーム
4 介護老人保健施設
5 認知症対応型共同生活介護
住所地特例とは、介護保険施設などに適用される制度であり、入所により住所が変更となった場合でも、入所前に住所を有していた市町村が引き続き保険者となる制度で、施設が集中する市町村の財政負担を軽減する仕組みです。試験ではどのような施設が住所地特例の対象となるか、また地域密着型サービスとの違いを理解しているかなどが出題ポイントとなっています。
1 介護老人福祉施設
これは正解。介護老人福祉施設(特養)は、住所地特例の対象となる「介護保険施設」の代表格です。特養など大規模な施設が多く、入所後の市町村への負担が大きいため、この制度が適用されています。
2 地域密着型介護老人福祉施設
これは誤り。地域密着型介護老人福祉施設(定員29人以下の特養)は、地域密着型サービスに分類され、原則として当該市町村の住民のみが利用対象となるため、住所地特例の対象外となります。地域密着型サービスの利用条件は、基本的に同一市町村内に住所を有していることが条件になります。
3 有料老人ホーム
これは正解。有料老人ホームは、住所地特例の対象となる「特定施設」に含まれます。他にも、軽費老人ホーム(ケアハウス)や、サービス付き高齢者向け住宅などもありますが、サービス付き高齢者向け住宅については、有料老人ホームに該当しないものは対象外となるため注意が必要です。
4 介護老人保健施設
これは正解。介護老人保健施設(老健)も住所地特例の対象施設です。老健は在宅復帰を目的とする中間的な施設ですが、入所に際して住所を移すことがあるため対象となっています。
5 認知症対応型共同生活介護
これは誤り。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、地域密着型サービスに分類されるため、原則として同一市町村に居住する者を対象としたサービスであり、住所地特例を適用する必要性がなく、制度の対象外となります。
第26回 問題44
介護老人保健施設について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 入所者は、病状が安定し入院治療の必要がない要介護3以上の認定を受けた者である。
2 保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
3 口腔衛生の管理体制を整備し、各入所者の状態に応じた口腔衛生の管理を計画的に行わなければならない。
4 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を置かなければならない。
5 看取り等を行う際のターミナルケア加算は、算定できない。
介護老人保健施設(以下、老健)は、医療と介護の中間施設として、主にリハビリテーションを目的とした在宅復帰支援を担っています。そのため、医師、看護師等の配置以外に、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門職の配置が必須となっています。また、昨今の制度改正により「口腔衛生」や「看取り」といった役割も重視されていることがポイントとなります。
1 入所者は、病状が安定し入院治療の必要がない要介護3以上の認定を受けた者である。
これは誤り。老健の入所対象者は、病状が安定し入院治療の必要がない方という点は正しいですが、要介護度の要件は要介護1以上であり、「要介護3以上」という制限はありません。比較的状態が安定しリハビリが必要な方であれば、軽度の要介護者から受け入れているという特養との違いを区別して理解しておく必要があります。
2 保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
これは正解。老健は「保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない」と運営基準により定められています。これは、老健が在宅復帰を目的とした中間施設としての役割を担うため、病院・診療所・居宅介護支援事業所・訪問看護など多様な関係機関との連携が不可欠であり、努力義務として明記されています。
3 口腔衛生の管理体制を整備し、各入所者の状態に応じた口腔衛生の管理を計画的に行わなければならない。
これは正解。近年の法改正により、介護保険施設では「口腔衛生管理」の体制整備が運営基準により義務化されました。また、口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防や栄養状態の改善にもかかわる重要な取組であり、計画的に口腔ケアを行うことが求められています。
4 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を置かなければならない。
これは正解。老健は主にリハビリテーションを目的とした施設であるため、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、または言語聴覚士(ST)を必ず配置しなければならないと人員基準で定められています。
5 看取り等を行う際のターミナルケア加算は、算定できない。
これは誤り。老健においても看取りに対応したターミナルケア加算の算定は可能で、「算定できない」という記述は誤りです。近年は老健における看取り機能についての強化が図られており、終末期を老健で過ごす利用者に対して、同意を得た上で看取りを行っています。特養だけが看取りの主体ではないことを理解しておきましょう。
第26回 問題45
介護医療院について適切なものはどれか。2つ選べ。
1 住まいと生活を医療が支える新たなモデルとして創設された。
2 開設者は、医療法人でなければならない。
3 療養床には、I型療養床とII型療養床がある。
4 併設型小規模介護医療院の入所定員は、25人以下である。
5 療養室入所者1人当たりの床面積は、5.0m2以上とされている。
1 住まいと生活を医療が支える新たなモデルとして創設された。
これは正解。介護医療院は「住まいと生活を医療が支える新たなモデル」として、2018年に介護療養型医療施設の受け皿として新しく創設され、長期療養が必要な要介護者に対し、医学的管理のもとで「生活」を継続できる場所を提供することが最大の目的です。
2 開設者は、医療法人でなければならない。
これは誤り。介護医療院の開設は、医療法人に限られたものではなく、地方公共団体や社会福祉法人などでも、一定の基準を満たせば開設が可能です。「医療法人でなければならない」という記述は誤りです。
3 療養床には、Ⅰ型療養床とII型療養床がある。
これは正解。介護医療院の療養床はⅠ型療養床とⅡ型療養床の2種類があり、Ⅰ型は重篤な身体疾患や身体合併症のある認知症高齢者など医療ニーズの高い者を対象とし、Ⅱ型は比較的容体が安定した者を対象としています。また、医師においてもⅠ型は48人に1人、Ⅱ型では100人に1人と配置基準が異なる点もセットで覚えましょう。
4 併設型小規模介護医療院の入所定員は、25人以下である。
これは誤り。併設型小規模介護医療院の入所定員は、25人以下ではなく「19人以下」と定められています。併設型は病院や診療所に併設される小規模な形態であり、19人以下という定員上限が設けられています。
5 療養室入所者1人当たりの床面積は、5.0㎡以上とされている。
これは誤り。介護医療院の療養室における入所者1人あたりの床面積は、老健(8.0㎡以上)と同じ基準に設定されています。これは旧・介護療養型医療施設の「6.4㎡以上」よりも広くなっており、生活空間のゆとりを重視している点が特徴です。試験では、「老健の8.0㎡と同じ」とセットで覚えると効率がアップします。
第26回 問題57
指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 可能な限り居宅での生活への復帰を念頭に置いて、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指さなければならない。
2 家庭的な雰囲気を保つため、廊下幅は1.6m以下としなければならない。
3 入所者が可能な限り離床して、食堂で食事を摂るよう支援しなければならない。
4 常勤の生活相談員を配置しなければならない。
5 食事の提供又は機能訓練に支障がない広さがあっても、食堂と機能訓練室を同一の場所とすることはできない。
指定介護老人福祉施設(特養)における出題の傾向は、運営理念・設備基準・食事支援・人員基準・設備の兼用規定など、施設運営の基本ルールを問う問題が頻出です。具体的な数値基準や「できる・できない」の判断、義務か努力義務かなどの区別が正確に理解できているかが得点源につながります。
1 可能な限り居宅での生活への復帰を念頭に置いて、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指さなければならない。
これは正解。運営基準の第1条に明記された基本方針として規定されている内容です。特養は「終の棲家」「終身施設」と認識しがちですが、制度上では「在宅復帰」を念頭に置き、入所者が持つ能力を最大限活かして自立した生活を送れるよう援助することが義務付けられています。
2 家庭的な雰囲気を保つため、廊下幅は1.6m以下としなければならない。
これは誤り。従来型特養の廊下幅は、車椅子のすれ違いなどの安全性を確保するため、1.8m以上と定められています。選択肢の「1.6m以下」とは全くかけ離れた内容で誤りです。家庭的な雰囲気は大切ですが、安全・バリアフリーのための構造基準が優先されます。なお中廊下(両側に居室がある廊下)の場合は2.7m以上が必要です。廊下幅は「1.8m以上」と、中廊下は「2.7m以上」はセットで正確に記憶しておきましょう。
3 入所者が可能な限り離床して、食堂で食事を摂るよう支援しなければならない。
これは正解。運営基準において寝たきりの予防が規定されており、その一環として「入所者が可能な限り離床して、食堂で食事を摂るよう支援しなければならない」とされています。入所者の状態に配慮した上で、可能な限り離床し、生活リズムを整えることがケアの基準とされています。
4 常勤の生活相談員を配置しなければならない。
これは正解。特養の人員基準においては、入所者100人またはその端数を増すごとに1人以上の生活相談員の配置が義務づけられており、そのうち1人以上は常勤でなければなりません。生活相談員の業務は、入退所の手続きや家族との連絡調整、地域連携など、施設の「顔」として重要な役割を担うため、常勤配置が必須となっています。
5 食事の提供又は機能訓練に支障がない広さがあっても、食堂と機能訓練室を同一の場所とすることはできない。
これは誤り。施設基準では、食事の提供や機能訓練の実施に支障がない広さが確保されていれば、食堂と機能訓練室を「同一の場所」とすることが認められています。「同一の場所とすることはできない」という記述は誤りです。これは施設のスペースを効率良く利用するための基準緩和の仕組みであり、基準を満たせば兼用も可能と覚えておきましょう。
第27回 問題44
介護老人保健施設について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 入所者の在宅復帰を目指すことが基本方針として定められている。
2 社会福祉法人は、開設できない。
3 若年性認知症を有する要介護者は、入所することができる。
4 介護支援専門員以外の者でも施設サービス計画を作成することができる。
5 所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することは禁じられている。
1 入所者の在宅復帰を目指すことが基本方針として定められている。
これは正解。介護老人保健施設(以下、老健)は、主にリハビリテーションを目的とし、入所者の在宅復帰を支援するための施設で、病院と在宅との中間施設としての役割を担っています。
2 社会福祉法人は、開設できない。
これは誤り。老健は医療系施設であり公的な性質が強いため、医療法人、社会福祉法人、地方公共団体(市町村など)、その他の厚生労働大臣が定める者(公益法人、学校法人)などに開設が限定されています。開設条件は試験でも頻出であるため正確に覚えるようにしましょう。
3 若年性認知症を有する要介護者は、入所することができる。
これは正解。若年性認知症は特定疾病に該当するため、第2号被保険者であっても要介護認定を受けていれば入所可能です。なお、老健の入所要件は要介護1以上であり、年齢による制限は設けられていません。
4 介護支援専門員以外の者でも施設サービス計画を作成することができる。
これは誤り。施設サービス計画は、介護支援専門員が作成しなければなりません(多職種と協働するが、作成責任者は介護支援専門員)。これは、施設サービス計画は入所者一人ひとりに適切なサービスを提供するための根幹となる計画であり、高度な専門性が問われるためです。
5 所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することは禁じられている。
これは正解。老健を含む介護保険施設は、正当な理由なくサービスの提供を拒否してはならないという義務があります。利用者の「所得の多寡(お金があるかないか)」は、正当な理由に当たるものではなく、経済的理由による差別的取扱いは禁止されています。
第27回 問題45
介護医療院について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 主として短期的な療養が必要な者を対象とすることが基本方針として定められている。
2 要支援者は、入所することができない。
3 適切なリハビリテーションを計画的に行わなければならない。
4 診療所に併設できる場合がある。
5 1つの療養室の定員は、2人以下としなければならない。
1 主として短期的な療養が必要な者を対象とすることが基本方針として定められている。
これは誤り。介護医療院は「主として長期にわたり療養が必要である者」を対象としており、短期的な療養が必要な者は対象としていません。介護医療院は、医療と生活支援を一体的に提供する長期療養施設です。
2 要支援者は、入所することができない。
これは正解。介護医療院は介護保険法上、要介護者を入所対象としており、要支援1・2の認定を受けた者は入所することができません。要介護認定(要介護1以上)を受けた人に限られることを正確に押さえておきましょう。
3 適切なリハビリテーションを計画的に行わなければならない。
これは正解。介護医療院の運営基準において、身体機能の維持・改善を図るため、適切なリハビリテーションを計画的に行うことが求められています。これは、長期療養が目的の施設ですが、リハビリテーションの提供も重要な役割の一つとされており、計画的に実施することが求められています。
4 診療所に併設できる場合がある。
これは正解。介護医療院には病院併設型と、診療所併設型(併設型小規模介護医療院)があり、診療所に併設することが認められています。併設型小規模介護医療院は入所定員19人以下で、病院や診療所に隣接して設置される形態です。「診療所には併設できない」と誤解しやすいポイントですので、診療所への併設も可能であることを正確に覚えておきましょう。
5 1つの療養室の定員は、2人以下としなければならない。
これは誤り。介護医療院の居室の定員は「4人以下」とされており「2人以下」は誤りになります。ただし多床室であっても、カーテンやパーティション等によりプライバシーの確保に配慮することが求められています。
第27回 問題57
指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 第三者による施設サービスの質の評価を受けることが、義務付けられている。
2 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を、3か月に1回以上開催しなければならない。
3 入所者の処遇に支障がない場合、配置される介護支援専門員は非常勤でもよい。
4 看護職員については、常勤の者を1人以上配置しなければならない。
5 計画担当介護支援専門員は、特段の事情のない限り、定期的にモニタリングの結果を記録しなければならない。
指定介護老人福祉施設(特養)の運営基準や人員配置は、繰り返し出題されている重要分野で、第三者評価・身体拘束適正化委員会・介護支援専門員の勤務形態・看護職員の配置基準・モニタリング記録義務など、施設運営の具体的なルールが問われます。
1 第三者による施設サービスの質の評価を受けることが、義務付けられている。
これは誤り。サービスの質の評価については、自己評価の実施や改善に努めることが求められていますが、第三者評価の実施は義務づけられていません。義務と努力義務の区別は試験で頻繁に問われる重要ポイントなので間違えないように気をつけましょう。
2 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を、3か月に1回以上開催しなければならない。
これは正解。身体拘束等の適正化のため、対策を検討する委員会を「3か月に1回以上」開催することが義務付けられています。また、委員会の開催に加え、適正化のための指針整備・職員への研修実施も義務付けられています。
3 入所者の処遇に支障がない場合、配置される介護支援専門員は非常勤でもよい。
これは誤り。特養に配置される介護支援専門員は、原則として常勤で配置する必要があります。ただし処遇に支障がない場合は他の職務との兼務が認められますが、あくまで常勤であることが必須要件とされています。
4 看護職員については、常勤の者を1人以上配置しなければならない。
これは正解。特養の人員基準では、看護職員(看護師または准看護師)について、少なくとも1人は「常勤」の者を配置しなければならないと定められています。看護職員は入所者の医療的ケアや健康管理を担う重要な職種であり、常勤配置が必須とされています。
5 計画担当介護支援専門員は、特段の事情のない限り、定期的にモニタリングの結果を記録しなければならない。
これは正解。計画担当介護支援専門員は「特段の事情のない限り、定期的にモニタリングの結果を記録しなければならない」と定められています。モニタリングの実施と記録は施設サービス計画のPDCAサイクルを機能させる上で不可欠な義務です。「特段の事情のない限り」という条件付きの規定である点も重要なポイントです。
第28回 問題23
介護老人保健施設における計画担当介護支援専門員の業務について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 入所者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて、定期的に検討する。
2 入所者の退所に際し、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対して情報を提供する。
3 入所者及びその家族からの苦情の内容等を記録する。
4 入所者の処遇に支障がない場合であっても、当該介護老人保健施設の他の職務に従事することはできない。
5 従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行う。
介護老人保健施設(老健)における「計画担当介護支援専門員」の具体的な業務内容を問う問題です。老健は在宅復帰を目指す施設であるため、居宅への移行支援が重要な役割となります。
1 入所者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて、定期的に検討する。
これは正解。老健の目的は「在宅復帰・在宅療養支援」であり、介護老人保健施設は、入所者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討しなければなりません。これは運営基準に定められた重要な事項であり、老健は在宅復帰施設として位置付けられています。
2 入所者の退所に際し、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対して情報を提供する。
これは正解。退所後の生活を円滑にするため、居宅介護支援事業者へ情報提供を行うことは老健の義務として定められています。入所中の状態・ケア内容・医療情報などを在宅の介護支援専門員に引き継ぎ、在宅生活への円滑な移行を支援する役割を担っています。
3 入所者及びその家族からの苦情の内容等を記録する。
これは正解。介護老人保健施設では、入所者及びその家族からの苦情の内容等を記録しなければならず、計画担当介護支援専門員の責務としても位置付けられています(運営基準第24条の2)。日頃から入所者や家族からの苦情対応に関与することがあるため、こうした記録は再発防止やサービス改善につながります。
4 入所者の処遇に支障がない場合であっても、当該介護老人保健施設の他の職務に従事することはできない。
これは誤り。運営基準上、計画担当介護支援専門員は専らその職務に従事することとされていますが、入所者の処遇に支障がない場合に限り、例外的に他の職務(支援相談員や介護職など)との兼務が認められています。
5 従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行う。
これは誤り。選択肢の内容は管理者(施設長など)の業務であり、計画担当介護支援専門員の役割ではありません。あくまで介護支援専門員の役割は利用者の生活を支援することであって、従業者の管理や施設の業務を管理する訳ではありません。
第28回 問題45
介護医療院について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 要介護者が居宅において生活を営むことができるようにするための支援を行う施設と定義されている。
2 入所対象者には、病状が比較的安定期にあり、身体合併症を有する認知症高齢者も含まれる。
3 介護支援専門員を置かなくてよい。
4 入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努める。
5 ユニットケアを行うユニット型もある。
「介護医療院」とは、医療的ケアと介護サービスの両方を一体的に提供する介護保険施設です。病院での治療を終えても継続的な医療管理が必要な方や、人生の最終段階(看取り)まで安心して生活できる「生活の場」としての機能を有する施設です。「長期療養」と「生活施設」の両機能を持つ点が最大の特徴で、2018年に介護療養型医療施設の転換先として設けられた施設です。
1 要介護者が居宅において生活を営むことができるようにするための支援を行う施設と定義されている。
これは誤り。介護医療院の定義は「要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理・看護・医学的管理のもとでの介護や機能訓練、その他必要な医療と日常生活上の世話を行う施設」であり、選択肢の「居宅において生活を営むことができるようにするための支援」という表現は介護医療院の定義に該当しないため誤りです。
2 入所対象者には、病状が比較的安定期にあり、身体合併症を有する認知症高齢者も含まれる。
これは正解。介護医療院は、急性期の治療は終えて病状自体は比較的安定しているものの、身体的な病気や合併症を抱えていて日常的な医学的管理・看護が必要な認知症高齢者など、医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ方を広く対象としています。
3 介護支援専門員を置かなくてよい。
これは誤り。介護医療院は介護保険施設の一つであり、入所者ごとの施設サービス計画を作成するため、介護支援専門員の配置は必須で、「置かなくてよい」という規定はありません。人員基準では、入所者100人に対して1人以上の介護支援専門員(うち1人は常勤)を配置することが基準省令で定められています。
4 入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努める。
これは正解。介護医療院は利用者の生活の場としての機能も有しており、教養娯楽設備の整備やレクリエーション行事の実施に努めることとされています。病院(療養病床)ではなく、利用者が人生の最期まで豊かに暮らす「生活の場(住まい)」としての機能も重視しています。
5 ユニットケアを行うユニット型もある。
これは正解。従来の多床室(大部屋)を中心とした施設だけでなく、プライバシーに配慮した個室と共同生活スペースを組み合わせた「ユニット型介護医療院」の設置も認められています。「ユニット型」とは、居室を個室とし、おおむね10人以下を1つの生活単位(ユニット)として共同生活を行う形態を指します。
第28回 問題57
指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立ってサービスを提供するように努めなければならない。
2 災害等のやむを得ない事情があっても、定員を超えて入所させることはできない。
3 指定介護福祉施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
4 入所者の入浴又は清拭の頻度の下限については、定めがない。
5 夜間には、常勤の介護職員を置くことは義務付けられていない。
介護保険法における指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の運営基準や人員基準を問う問題です。入所者の権利擁護、定員管理、入所の優先順位、入浴頻度、夜間の職員配置など、施設運営の基本ルールについての実務的な理解が求められます。
1 入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立ってサービスを提供するように努めなければならない。
これは正解。運営基準の「基本方針」に定められた正しい記述です。施設は入所者の尊厳を守り、常にその立場に立ってサービスを提供するよう努める義務があります。これは介護保険サービス全体の根幹であり、特養でも最も重要な原則とされています。
2 災害等のやむを得ない事情があっても、定員を超えて入所させることはできない。
これは誤り。原則として定員超過は禁止ですが、災害や虐待対応などのやむを得ない事情がある場合は、例外的に定員を超えて入所させることが認められています。このような極端に否定する表現「いかなる理由でも例外はない」といった記述は典型的な誤り選択肢になることが多いです。
3 指定介護福祉施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
これは正解。指定介護老人福祉施設は、入所申込の受付順ではなく「サービスの必要性が高い」と認められる申込者を優先的に入所させるよう努めなければならないと運営基準に定められています。具体的には、要介護度や家族の状況などを勘案して判断されますが、「申し込んだ順番通りではない」というポイントは、試験でも非常に狙われやすいです。
4 入所者の入浴又は清拭の頻度の下限については、定めがない。
これは誤り。入所者の入浴や清拭の頻度には、「週2回以上」という明確な下限の定めがあり、「定めがない」とする記述は誤りです。入浴は身体の清潔保持だけでなく、利用者の尊厳や生活の質にも直結するため、最低基準として週2回以上が義務付けられています。
5 夜間には、常勤の介護職員を置くことは義務付けられていない。
公式発表では誤り選択肢になっていますが、これは「不適切」問題です。指定介護老人福祉施設は「常時一人以上の常勤の介護職員を介護に従事させなければならない」と運営規定(第13条7項)で定められていますが、その一方で、夜間や宿直の時間帯に限っては、実務上「常勤」でなくても「非常勤」の介護職員の配置が認められているため、正解とも判断ができ問題自体が不適切な内容と言えます。
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